新潟の石油村
原題は、「越後の国臭水村」
2020.10
編者注:これは、石油についての話です。日本では、石油がほんのわずかしか産しません。新潟などに産します。この話の場所が、越後(新潟)であるのも、うなづけます。
以下、本文。
俗説に云う。(世間の噂話では、といった感じ。)
越後の国臭水村(くさみずむら)という所の河の水は、油である。
これは、昔ある僧が土地の人のために、加持したことにより油となったという。
今、考察するに、中国にも同じようなのがある。
「漂粟手牘」に云う。
流波山中に、燃海千里がある。
住民は、これを汲んで、油の代わりにしている。
明るさは、油より数倍勝っている。
秦の始皇帝は、人を派遣して、千艘の舟で山中に行かせた。
船人は、水の性質を知らずに、夜に灯火を水中に投じた。
火が大いに起こり、海全体を焼き尽くした。
火は光は天に接すること千里、誰一人生きて帰らなかった。
それ以来、海辺に臨んで、汲んで用いるだけとなった。
昨夢録に云う。
「猛火、油は、高麗の東数千里に出ると聞いている。」
このようにあるので、臭水村の油だけの事では無いようだ。
以上、
「公益俗説弁」(井沢蟠竜、江戸中期)より
編者注:「漂粟手牘」には、「燃海千里」は、天帳汗国にあるらしいとのこと。
「燃海千里」という事から、原油が地上にでている場所であろう。
おそらく、モンゴル系のどこかの国であろう。帳は、テントのことで、遊牧民の国である。
キプチャク汗国の事かもしれない。キプチャク汗国は、漢字では、金帳汗国である。また、石油が豊富な、黒海も領土であった。
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