三尊佛の亀と大蛇 「安濃津昔話」
2023.1
享保十五年二月十二日、四天王寺から藩の役人へのこのような届出があった。
『寺の内の蓮池からはい上ってきた(甲良ぼしに出てきた)亀の甲に、三像仏の御姿が、ありありと見えております。
余りの不思議さに、捕え置いて、御指示を待っております。』との事であった。
すぐに差出させて、殿様の御覧に入れた。
それから寺へ差し戻した。
寺では、その翌日から四日間、一般人に公開した。
それで、毎日群集が押し掛けて、大賑合いであった。
元文五年六月五日、雲出屋の安右衛門からの報告には、『町裏(大門通西側住宅地と外堀との間の道)の御堀の土手のすすきの中に、大蛇の尾や頭は見えずに、胴体が四尺ばかりの所だけ見えましたが、その太さは確かに二尺廻り以上でありました』との事であった。
上記の蛇は証拠のない事であるが、亀の甲は四天王寺の七不思議の一つとなっているものである。
「安濃津昔話」より
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