だいたい勝海舟というと江戸城無血開城が思い出され、勝海舟の伝記ものはここで終わります。しかし勝海舟は明治元年、慶応4年は46歳で77歳まで生きますから、明治を31年間生きるわけです。私はこの明治の勝海舟の生き方に注目しています。勝海舟は明治に入ってからも、様々な人からいろいろなことを言われます。その急先鋒が福沢諭吉の「痩せ我慢の説」です。幕臣のくせに明治政府に出仕したと批判されるのです。確かに勝海舟は明治6年には明治政府の参議兼海軍卿になります。まあこれも薩摩の島津久光が西郷隆盛や大久保利通が自分の意に反していろいろなことを政府で決めるので、だだをこねて鹿児島へかえってしまうので、西郷隆盛や大久保利通はかってのお殿様で言いずらいから勝海舟を参議に据えて鹿児島に交渉に行ってもらうためのもの。勝海舟は人が嫌がることでもしょうがないなあと引き受けます。それを今度は福沢諭吉に幕臣のくせに明治政府に媚び売ってと批判されます。何をやっても批判されいろいろなことを言われます。そして勝海舟は福沢諭吉に反論もせず、ただ「行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与らず」と、どうぞご勝手にと、一人前を向いて進みます。実に勝海舟らしい行動です。批判にさらされながらも勝海舟は明治以降、より困っている旧幕臣のために行動します。明治以降の勝海舟こそ時代を超えた人間としての生き方を学ばせてくれます。
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