70 アチャコちゃんの京都日誌
時代祭を見て来た。
京都の三大祭りの一つ。三大祭とは、葵祭・祇園祭そして時代祭。しかし他の二つに比べて歴史の長さは圧倒的に短い。他の二つは平安時代初頭にさかのぼるが、時代祭は明治初期だ。
平安遷都1100年を紀念して、1895年(明治28年)に平安神宮が創建された時に始まった。御祭神の桓武天皇(平安遷都時の天皇)孝明天皇(京都最後の天皇)お二人に繁栄した京都をお見せする為に、御所から平安神宮まで市内を行列が練り歩く。行列は明治維新から延暦時代の文官武官の行列まで時代をさかのぼる。そして御祭神を乗せた神輿が最後に登場する。それぞれの衣装が正確な時代考証の結果作られているので見ごたえがある。
実はこの祭りにも複雑な事情が絡んでいた。足利尊氏の取り扱いだ。維新の時に正式に南朝方が正統な皇統と定めた為、楠正成など南朝方の武将を英雄視した一方、尊氏は逆賊扱いとなった。従って室町時代の行列はなかった。(楠正成などは、吉野時代という)なんと尊氏が、時代行列に加わったのは平成19年だったのだ。NHK大河ドラマのヒットがきっかけになったと筆者は想像するが、京都における歴史認識の流れはこのように長い時間がかかる。
また祇園祭と同様に、町衆や講社という市民が主体となって行われるこれら伝統的祭を大切にするのが京都の矜持なのだ。
見学したのは、御池通の有料観覧席であったが、朝からの雨が降り続き傘やビニールカッパの中での見学となった。
市民や学生アルバイトが担う
錦の御旗
室町行列 平成19年から
明治維新から古代へと続く。写真は鎌倉時代
御祭神をいただく御神輿
百済女王
巴御前(新田義貞妻)
2008年が源氏物語記述からちょうど1000年目。紫式部日記には、11月1日に最初の記述があることからその日を記念して「古典の日」と定めた。
皇女和宮
※時代祭の日は、必ず鞍馬の火祭りの日と重なるので、併せて見学したい。