大関朝の山が、文春砲でやられている。詳しく見る気もないが、自粛期間中、場所前にも関わらずキャバクラに行ったことを暴かれたのだ。今場所、見るからに元気がなさそうで、単に体調の問題には見えなかった。案の定、このような問題があったのだ。
ただし、問題だかどうかの判断は分かれる。自粛は強制ではない。一方、相撲協会には倫理規定がある。行動規範のようなものも定めている。いわば社内ルールのようなものだ。つまり犯罪ではないが、ルール違反という事だ。つまりは、罰するのは協会であり世間ではない。まして文春ではない。
我々サラリーマンが、夜の街に出たことが発覚したら社内ルールに従って処罰されるだろうが、多くの企業で上司が強く叱る程度だろう。首になったりはしない。所謂、げんこつを食らうことになる。国会議員や医師会会長などは「公人」であり、世間の批判を一斉に浴びるし、辞任や解任に繋がる。
ある有名企業では、社員の相互監視が行われ、人事部にタレコミが多数寄せられるらしい。昼食時でも、数人で出かけると問題だと言う。当然、夜の街で見つかれば人事部に報告される。事実左遷された幹部社員もいるらしい。そんな会社は嫌だ。
さて、お相撲さんは「公人」か。芸能人は「公人」か。有名人だが公人としての責任ではない。それより怖いのは、人気が無くなることだ。人気がなければ、食って行けない。辞任・解任と同様の処分?を受けることになる。スポーツ選手はどうか。成績さえ良ければ許される、ものではないが、・・・。
しかし、世間の常識からかけ離れた稽古の日々を送る相撲取りに強い倫理観を要求することに違和感はある。一方、スポーツ選手だから大目に見てもらえるとも思わない。しかし、ことさら事を暴いて、荒立てることに意味があるのか。
先日来、ワクチンを先行接種した市長や町長を非難するなど、世知辛い世の中になったものだ。コロナ禍が長引いて、明らかに人の「許容度」が狭くなっている。自分に甘く、他人に厳しいのだ。大量接種会場での軽微なミスに対して、大仰に謝罪を要求するマスコミには絶望感しかない。
国家権力の暴走や不正をけん制するのは、マスコミの使命ではある。しかし、行政の現場で必死に業務をこなしている公務員を責めても意味はない。国民規模でワクチンを短期間に接種するなどと言う前代未聞の事態に、現場の混乱は想像を越える。
応援・助言してこそマスコミや知識人の役割なのに、現場の公務員をいじめても始まらない。このように、国民みんなの「許容度」が無くなり世知辛い世の中になっている。みんなで考えよう。我々に勇気を与える芸能人・スポーツ選手、医療現場・各省庁の現場職員・地方自治体職員の関係者へのリスペクトと応援する気持ち。
まずは自らの行動に責任を持つ。それが原点だ。