歴代天皇記
初代 神武天皇
父 彦波瀲武鸕ガ草葺不合尊
母 玉依姫
后 媛蹈鞴五十鈴姫命
前711年~前585年 崩御127歳
初代天皇を示す「始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと)」が正式名だ。これは、10代崇神天皇の「御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)」と同じなので、神武天皇は日本書紀の創作で、初代天皇は崇神天皇という説が有力だ。また、127歳という長命さは、次に続く9代の天皇もほぼ100歳を超える年齢で崩御しているので、「神話」の世界であり現実味がないとされ、神武以降の8代天皇を「欠史8代」と呼んでいる。しかし、実在しなかったという証明は難しく、今の半期を1年とする半歴説もある。(日本の暦にはお彼岸など年2回の行事が多いのはその名残か、また春夏秋冬の四季をそれぞれ1年とする4倍歴説もある。)いずれの国でも「国の大本」は神秘に包まれているもので、実在かどうかの議論そのものが楽しい。
また、天皇と言う称号も、神武という尊号も後世の学者が決めたことで、まだまだ有力豪族の一人でしかなかったと考えるのが自然で、後世大和政権と強い勢力を世に知らしめるために、天武天皇の時代「日本書記」や「古事記」で、権威付けを行ったのだろう。壬申の乱直後のまだまだ万世一系の皇室の黎明期の事である。
なおこの天皇は、アマテラスの皇孫瓊瓊杵尊の曽孫にあたる。(アマテラスからは6代目)15歳で立太子したという。皇太子とは「皇嗣たる皇子を皇太子という」ので、その前の大王がいたのか、若くして大王の器と認められそう言ったのか。その後45歳の時に、産まれた日向の国から東を目指して「東征」の旅に出る。苦難の戦績を越えて52歳で大和の地(現在の橿原神宮あたり)に宮殿を定めた。
神話と実話の混在する時代が続くが、古代の歴史ロマンと思えば楽しい。