
昨日 唯一の男性職員が退社した。
彼は私の教え子で長年ずっと慕ってくれた職員だった。
入社する前から大学講師の話があって 秋から週2日ほど受け持つことがわかっていたので
その仕事一本で行くか あるいは二足のわらじを履くかの迷いに揺れていた。
これまでにも何度か話し合いの場を持った。
でも 一度白紙に戻し 学校職員となったうえで
それからまた人生を考えてもいいのでは・・・・合意の上での退職だった。



学者タイプというのかな ちょっと不器用なところがあったけど
根の優しい青年?(いまはオヤジだが)でクリスチャンだった。
社長によく文句を言われていた
「おい◯◯! お前なにやってるんだ!」
やさしい彼はそんな社長の文句にもいつも笑顔で答えてくれた。

たった半年の社員であったが やめるときの彼の挨拶に
全国の仲間たちから「◯◯さん、ありがとう!」の声がいっせいに飛んだ。
みごとな引き方だった。
長年いろんな社員を見てきたが
彼ほど文句を言われた社員もいなく
彼ほど多くの仲間に「ありがとう!」といわれた社員もいなかった。
「ボクは丁寧すぎるんですね。だから仕事が遅い」
◯◯くん、大学講師がんばれ! また一杯飲もう!
昨日のことだった。

そんなわけで今週も呑む機会が多かった。
火曜日はスクールの打ち合わせでひろみさんと天王洲で。
常喜房だったか味喜庵だったか忘れてしまったが
そこは肴もおいしく お造りは新鮮で 〆のそばもうまく
それになにより酒の注ぎ方が最高だった。
こぼれるまで注ぐ



昔はこういう店が多かった。
升に入れたグラスにこぼれるまで注いでくれて
升からこぼれる酒を見ながらその店の心意気を感じたものだ。
でも いまでは一合升も皆無に等しく どの店も殆どが七石のグラスに替わっている。
「こじんまり」というか「せこい」というか
昭和のような太っ腹な時代じゃなくなって
世の中すべてがみみっちく スケールのない人間ばかりがふえて
なんていうか・・・・小者ばかりになってしまった。



政界 財界 芸能界・・・・・
みな命を投げうって 国のため人のために尽くした人間は何人もいた。
それがいまじゃ国よりも党 党よりも派閥
派閥よりも自分が大事と考える人間がふえて
どんどんスケールの小さい国にしてしまった。



政界 財界 芸能界 そしてスポーツや武道の団体もそうだ。
残念だ。
日本人はいつから目先のこととしか見えなくなってしまったのだろう。
◯◯くんは 大学の職員をしながら剣道連盟の居合いをいちから学んで段を取るといっていた。
いいことだ。
しっかりした基本を学ぶことが その人間の芯をつくることだと彼も知っていた。
応援しよう。



今週はそのほかにも昔私の会社でアシスタントをしてくれたNちゃん
(といっても50歳のおばちゃん)が来社して補整下着の会社を立ち上げたという話を伺った。
彼女も2年前に乳がんを患った。
人生が変わった。
何か出来ることはないか。
話せば長くなるので 水曜日は家に帰らずに近くのインターコンチネンタル東京ベイに一泊し
そこから会社に通った。




日本は今めまぐるしく変わっている。
私のまわりも そのまた周辺も
もの凄いスピードでどんどん変わりはじめている。
これからもっと小さな社会になっていくのか
それとも大きな社会に戻っていくのか定かではない。
流れるままに・・・・・・
美空ひばりの歌の心境だ。