マジンガー通信

多分500万人に1人くらいの割合でしか役に立たないシトロエンC4にまつわるお話など。

東京オートサロン2012 ~レッドブルX2010編~

2012年01月16日 | イベント
私史上初、目的があるオートサロン
Red Bull Project X2010 prototype - the construction

普段は予備知識も無く見て回って
意外やハイレベルな展示がされていて驚く
というのがパターンなのですが、
今回は目的があって行ってきました。

F1よりも大きいです。(90年代初頭頃のF1くらいですかね)

お目当てはF1チームのレッドブルが
TVゲームのグランツーリスモ5の為に企画した
架空のレーシングカー、X2010です。
確かX1という名前で発表されたと思うのですが、
何処かで改名されたんでしょうね。
グランツーリスモ5というと、
シトロエンもGT by Citroenという車を
勢い余って販売までしたのを思い出します。
X2010はモックアップなので走れないのですが、
史上最高のF1デザイナーと言われている
エイドリアン・ニューウィーがレギュレーションの縛りなく
最速のレーシングカーを作るとしたら
というコンセプトで企画した車です。
詳細はこちらに書いてあるんですが、
まぁ、レギュレーションでがんじがらめになっていても
冗談の様に速いF1のノールールバージョンですから、
性能は察して知るべしですね。

見た目上のハイライト

レースでは数々の新技術が発明されては
規制されるいたちごっこを続ける歴史があります。
理由の殆どは安全性の問題で、
その装置自体が危険、車が速くなり過ぎて危険
という理由で禁止されます。
老舗チーム(F1の場合、大抵はフェラーリ)の横槍という側面もありますが。
それらミッシングテクノロジーの中に
ファンカーと呼ばれる技術があります。
レーシングカーの大抵は乗用車と違って
スピードを出せば出すほど地面にへばりつく
ダウンフォースが発生するのは良く知られていますが、
それらはグランドエフェクト効果を利用しています。
原理は真空パックの袋と大体同じで
車の底と地面の間を流れる空気を吸い出して
真空に近い状態を作ると、
車体が地面に押し付けられるという理屈。
レーシングカーには大きなウイングが付いていますが、
実はそれ程大きな効果を得ている訳ではなくて、
F1で言うと空力効果の7割は
グランドエフェクト効果で稼がれています。
普通はディフューザーと呼ばれる
後に向かって跳ね上がる板を使うのですが、
(写真のスポンジで隠れている部分です)
それを強制的に吸い出す方法を取る車が
ファンカーと呼ばれます。
これを積んだ車はファンを動かした途端に
車が沈んだそうです。
希代のレーシングデザイナーがファンカーを選んだ
というところにロマンがある訳ですね。

後はタイヤとコックピットを覆ったF1という感じでしょうか。

リアルに走らせる車ではないので
細々見ていくと結構アラがあったりするのですが、
ゲームからスピンオフして車が作られる様な
自動車メーカー主導ではまず起こらない
車の作り方も、オートサロンにぴったりかなと思います。
正しく、車への情熱の結晶ですからね。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする