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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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遮熱と断熱の違いについて…北斗市

2006年12月01日 18時31分41秒 | Weblog
昨今、遮熱住宅と称する宣伝コピーを目にする事が多くなりました。
特に、遮熱シートを施工したら冷房費用が大幅に削減された言う事実があります。遮熱とは熱を遮断するのですから、断熱と同じなのかと思われがちですが理論的に大きく異なります。
寒いと感じさせる冷たい熱は、人体温度より低い熱の事で、暑いと感じさせるのは、それより高い温度(湿気の抱える潜熱もある)の時に感じます。
いずれも熱である事に変わりありません。熱は熱波長(輻射熱・赤外線とも言う)で伝わります。

この熱に対する抵抗を行うのが断熱です。グラスウールやスチレンフォームなどは熱の抵抗値の高い素材です。
この値を熱抵抗値(R値)と言っていますが、この熱抵抗値の逆数が熱貫流率(K値)と言います。したがって熱抵抗値は高い方が、熱貫流率は低い方が断熱効力があると言う事になります。しかし、熱は、断熱材をそのものを少しずつ温めたり、冷やしたりして時間を経ると熱が貫通してしまう事も理論的には在り得ます。
熱が貫通すると言う事は貫通した熱が、その断熱材から輻射熱で放出する事になります。
幸い、自然の温熱環境では気温が上下するため、同じ温度で断熱材を貫通する確率が極めて少ないのが実状と言えるのでしょう。

遮熱とは断熱材と異なり、断熱材で熱抵抗を行うことなく、熱波長そのものをその遮熱部分から反射させてしまう事を言います。このように言いますと断熱材より熱の遮断効果が高いようにも思いますが、遮熱する熱の熱波長の種類によって効果があったり少なかったりと言う事も有り得ると言います。したがって日本国内の断熱基準では遮熱材料の効果を数値的に明確化されていないようです。更に遮熱材そのものは断熱効果が無いために、遮熱材が熱してしまい、その熱を輻射熱で放出するのです。したがって遮熱シートにだけ頼るのではなく、適切な断熱材との併用が好ましい事は言うまでもありません。

ファースの家の窓ガラスは、日射熱の熱波長を選って侵入させたり反射させたり出来るような機能をつけており、外壁に貼る専用断熱ボードのファースボードは外気の熱を反射させて通気層から放出する構造となっております。
冷暖房負荷軽減の秘訣です。

写真はファースボードの表面のアルミ箔を剥がして遮熱試験を行いました。
ベニヤ板に孔をあけてアルミ箔と透湿シートを張り、30センチ話した場所から300℃のヒーターで熱しました。
右側は一般に使用されて透湿シートで38℃に、左側はファースボードのアルミ箔で室温とほぼ同じ21℃と、アルミ箔が完全に熱を遮蔽している事が解ります。
ちなみに断熱ボードなどで実験を行ったところ最初は、ウレタンボードの方の断熱効果が高いように思いますが、時間を経過すると完全に遮蔽シートの方が熱を遮っている事が解ります。
このような実験作業を行なっていると一日の時間の過ぎる事のが本当に早いのです…
ファースの家
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