私の父は大正4年生まれ。91歳の天寿を全うした。農家の三男として生まれ兵役後そのまま軍隊に残り職業軍人として終戦まで満州に駐留した。中学出の父だったが准尉まで出世し下士官となった。終戦時ソ連軍の捕虜となりシベリアに抑留され昭和24年に帰国。
戦争のことはあまり話したがらない父だったが私(現在64歳)が子供の頃に時々話してくれたいくつかの戦争の話を書き留めておきたい。
戦争体験者が少なくなってきている日本で貴重な体験談を受け継ぎ次の世代に伝えていくことは私達子供の役目ではないかと思う。私は平和主義を蔑(ないがし)ろにする今の日本の風潮に危機感を持っている。
「戦争は絶対してはならない」の立場から父が話してくれた戦争の話をお伝えしようと思う。
【父の戦争体験⑫】
夜営をしていた時の話。
「不思議なこともあるんだよなー」と言いながら話してくれた。
父ともう一人とで見張りをしていた。
40~50m先で突然炎のようなものが光った。見張りの父達は慌てた。
この光が敵に分かってしまったら自分達の場所が知れて攻撃されてしまう。父達は急いで火?を消しに行った。ところが炎が見えた場所近くに行ったのだがそれらしき燃えているものは見当たらない。2人でおかしいな?と言いながら陣地に戻った。戻ってきて見張りを続けているとさっきと同じ場所でまた炎のようなものが光った。父達はまた慌てて消しに行った。しかしまたもや燃えているようなものは何もなかった。そのようなことが何回か続いたそうだ。
腐敗した生物から出る燐が燃えて光るという話を聞いたことがある。
戦場では人も動物もたくさん死ぬ。
父が見たものはそんな炎だったのかもしれない。
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