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斑点つきオリエンタリス

2025年03月03日 16時25分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス

2025.02.18撮影(わたしの庭から)

前回の記事で、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)には、亜種が3つあることをご紹介しました。

オリエンタリスは、レンテンローズ(Lenten roseともいいます。でも、日本での流通名は、多く、ヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)と区別せずに、クリスマスローズ(Christmas rose)と呼ばれます。

オリエンタリスの亜種3つは、以下のとおりです。属名 Helleborus と種小名 orientalis を省略し、特徴をごく簡単につづけます。
オリエンタリスorientalis)花弁は白で、クリーム〜緑の色調
・グッタトゥス(guttatus赤、赤紫、紫の斑点
・アブカシクス(abchasicus)花弁は赤い、蜜腺は紫っぽい

今日の画像は、冒頭の画像だけはわたしがわたしの庭で写したもので、他の画像は、みんな、今までどおり、Wikimedia Commons から借りてきます。オリジナルからの改変はありません。


撮影者:Theactivistuk
撮影日:2019.02.18

ヘレボルス・オリエンタリスの3つの亜種は、互いに交雑しやすく、また、他のヘレボルス属の種ともある程度交配させることができます。ここから、園芸用の各種の交配種が生み出されることになります。少なくとも一方の親がオリエンタリスである交配種は、オリエンタリス系ヘレボルス、あるいは、オリエンタリス交配種、と呼ばれます。

直前の画像は、オリエンタリス系の交配種の例です。つけられたラベルには、Spring Promise Conny「スプリング・プロミス・コニー」と、園芸種名が書かれています。なお、この個体の蜜腺は、黄色のようです。

次の画像は、斜め上から写されたもので、花はうな垂れているので、花のお顔は見えません。



撮影者:William Murphy
撮影日:2011.03.03

オリエンタリス種の3つの亜種が何代も繰り返して交雑すると、色も模様も多様になってきます。オリエンタリス系の交雑種には、ひとつとして同じ模様・色はない、と言われる所以は、これです。

今日は、そのうち、斑点のあるものの例を画像でご紹介します。斑点は、主に、グッタトゥス(guttatus)から受け継がれるものです。

まず、guttatus の典型的な例を挙げます。この画像はもうすでに数回見ていただきましたが、いい例だと思いますので、もう一度。


撮影者:Jay Sturner
撮影日:2011.02.19

この花では、赤紫の斑点が、ほぼ重なることなく出ています。花弁(実は、ガク)の根本にぐるりと蜜腺がありますが、ここではその蜜腺が少なくとも三重についているので、これは、原種ではなく園芸種か、と思われます。



撮影者:Stefan.lefnaer
撮影日:2021.04.09

この花でも、斑点にあまり重なりはありません。花弁は、白というより、緑ですね。ヘレボルスは、花の成熟度に応じて花弁の色が変わってくるのですが、多くは、この個体のような緑色になります。でも、この個体は、開いて日数の経ったものではなく、もともとこういう色の花です。開花しての日数がどれほどか、は、オシベの開き具合を見ればわかります。



撮影者:Dominicus Johannes Bergsma
撮影日:2013.03.16

この花の斑点もあまり重なっていません。ただ、先の個体よりも、斑点がやや伸びた形になっています。そして、この赤い色は、アブカシクス(abchasicus)からの特性なのでしょう。画像中、1本の花軸に花が複数ついているのがわかります。オリエンタリス種の特徴です。


撮影者:Jay Sturner
撮影日:2011.02.19

このピンクの色も、アブカシクス(abchasicus)から受け継いだのでしょう。この花の斑点は、点というより線と言った方がいいものが混じっています。

次回は、斑点の形や出方の異なる、薄いピンク〜赤っぽい花を集めてみたいと思います。



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