カラスといちごとクロッカスと

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キレンゲショウマが・・・ ⑵

2022年10月19日 11時14分44秒 | アジサイ科
2021.09.22撮影

今日の記事は、昨日の続きです。


うちのキレンゲショウマは、花弁がこれくらいしか開きません。でも、インターネットでは、もっと開いているのも見る。これが気がかりで、さらに探索を続けました。

次の、「ミズーリ植物園」のサイトで見つけました画像をお比べください。

Kirengeshoma palmata「キレンゲショウマ」:冒頭の画像

Kirengeshoma koreana「チョウセンキレンゲショウマ」:ページ下に並んだ画像

「ミズーリ植物園」koreana の記事の方には、「花が開き切るということは決してない(Flowers never fully open.)」と書いてあります。それなら、うちのは、「palmata キレンゲショウマ」ではなく「koreana チョウセンキレンゲショウマ」である可能性があります。

でも、以下では、両者を区別せずに「キレンゲショウマ」としておきます(いずれにしても、キレンゲショウマ属ですから)。専門家でも横に並べて比べないと、わかりにくいそうです。

2021.09.22撮影

上の画像は、冒頭の画像の花を横から撮影したものです。

花びらを指でそっと上下に挟んでみると、肉厚感があります。花弁の外側は、やや凹凸がある程度。でも、内側は、魚のエラみたいに(たとえが花に似つかわしくないでしょうか)、ひだひだが並んでいます。このひだの「高さ」により、花びらが数ミリの厚さになります。花びらの外縁に向かっては、薄くなっていきます。

この2021年の画像の、向かって右の花を拡大してみます。

2021.09.22撮影

オシベは15本、メシベは3本なんだそうですが、この画像からは、はっきりとは読み取れません。オシベが14本ぐらいは見えるかな?

花をやや下から見上げて撮影した2020年の次の画像もご覧ください。

2020.08.27撮影

こちらの画像の方が、花弁の厚さが感じ取りやすいかもしれません。

真ん中の花を拡大してみます。

2020.08.27撮影

こちらのオシベは、花糸(かし)が赤っぽいです。ふたつ前の画像では、黄色っぽい。光線のあたり具合は似ているはずなので、この花糸の色の違いがどうして起こっているのかは、わかりません。花が開いてすぐかどうかによるのかもしれません。

花糸の先につく葯(やく)も少々異なって見えますが、わたしには、何がどう、と判断できません。なお、撮影日時は判断の材料になりません。キレンゲショウマ(palmata だろうが、koreana だろうが)は、ツボミの数のつきがよければ、1ヶ月ほど、次々と花を咲かせるので。

>> 雄蕊(雄蘂、ゆうずい、英: stamen)は、被子植物の花を構成する要素の一つ。一般的には「おしべ」といわれ、花粉を入れる袋状の葯(やく)(anther)と葯を支える棒状の花糸(かし)(filament)という部分で構成される。


キレンゲショウマのメシベが3本、というのは、ガクを残して花びらとオシベが散ってしまったのを見れば、はっきりとわかります。次の画像をご覧ください。

2021.09.27撮影

2020年、2021年、と株が大きくなり、花もよく咲いたので、今年は、もっと花盛り、と期待をふくらませていたのですが・・・ダメだった。

ほぼ壊滅的。ひょろっとしたのが2本出ただけ。ツボミをつけたのは、その1本だけ。そのツボミのうち、咲いたのは1個だけ。その1個も咲いたのを見ないうちに散っちゃった。

考えられる原因は、
・周りの木々がますます大きくなり、陰になりすぎた
・バンクーバー市の散水制限で、わたしの水やりが足りなかった
・土の酸性度が不適であった
・アライグマが行き来して、掘り返した


来年はどうなるのか。植物は失っていく場合もある、ということを受け入れなくてはならないのか。実際、たくさんなくしてきたし。

ところで、お隣の庭づくりをするおばさんに、去年、きれいに咲いたうちのキレンゲショウマを「見て、見て」と言って見せていると、「これ、うちにあるのと同じだと思うよ」って。

うっそ〜〜、わたしは、バンクーバーでキレンゲショウマを育てているたったひとりの人間のはずだったのだが、お隣で?

おまけに、おばさんは、陽の当たるところで育てている。両腕でひとかかえ以上の大きな株。葉が色をやや失っていてカサカサしていて、花もあんまり水気がなくて、わたしには美しく見えないけど、育っているという事実は揺るがない。なんで隣ではよくて、うちではダメなのよ。

キレンゲショウマは、水やりを上手にすれば、陽の当たるところでもよく育つ、と、イギリスの有名な園芸家が書いてあるのを読みました。(この英文の記事は、昨日もご紹介しました。)


今年、うちのキレンゲショウマの惨状をお隣のおばさんに訴えていると、株分けしてくれる、って。でも、この人は、そういうことを言うばっかりで、くれたためしがない。あのお家の庭には、珍しい植物がたくさん植わっている。

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キレンゲショウマが・・・ ⑴

2022年10月18日 06時10分16秒 | アジサイ科
2021.09.02撮影

いつもの植物屋さんへ行った時のこと。日陰用の植物の区画に、Kirengeshoma と大書され、大きな写真もつけられた鉢が、ひとつ。

あ、キレンゲショウマだ。前々から興味があったのですが、まさか、バンクーバーで販売されているとは思わなかった。

手に入れたいのは、山々、でも、その株の小ささ、弱々しさ、お値段の高さ、に加え、育てられる自信もなかったのです。それで、どうしたものか、と佇んでいると、店員さんがやってきて、この植物は特別ですよ、と言うのです。

わたしは心の中で「なあ、なあ、売らんかな、でしょ」とは思いながらも、キレンゲショウマって、1属1種じゃなかったっけ、それも、日本の限られた場所が原産の、それをバンクーバーで育てていたら、やっぱ、すごいよね、と思って、出費をグッとこらえて、不安をかなぐり捨て、キレンゲショウマさまにうちに来ていただきました。それが、10年以上も前。

2020.08.27撮影

最初は、なかなか株が大きくならなかった。花もよくつかなかった。ひとつ、ふたつ、花が咲くと大喜びした。キレンゲショウマは、冬が過ぎた後、芽が出てくるのがかなり遅いので、毎年、心配なんですよ〜〜

それが急に大きく変わったのが2年前。上の画像のように、葉も立派になって、1本の茎に10個前後の花がつきました。うれしかったわ〜〜。

花茎が葉の付け根から出てきますね。そして、その先が分れて、花茎の末端に花が2〜3個つく。花は、多くは、横向きか、うなだれて咲きます。

上から眺めると、次の画像のような感じです。

なお、次の画像中、左手にある大きい葉は、Rodgersia aesculifolia「栗の葉のヤグルマソウ」の若くはない葉です。ここでは、もう、若い時の大変美しい色は失っています。


2021.09.02撮影

2年前に続き、去年も、花がよく咲きました。

上の画像では、花がひとつ、全開のやや手前に咲き、他に、ツボミがたくさんついています。

ツボミは、一度に発達せずに、順番に小さいつぶつぶのが大きくなっていきます。以下の拡大画像で、そのちい〜〜っちゃい米粒以下ぐらいの大きさのをご覧ください。5〜7つぐらいありますか〜〜

2021.09.02撮影

学名 Kirengeshoma palmata
和名 キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)
英名 Yellow waxbell「黄色の蝋の鐘」
原産 日本、中国東部
アジサイ科(Hydrangeaceae)キレンゲショウマ属(Kirengeshoma

キレンゲショウマは1属1種と何度も聞かされましたが、よく調べてみると、そうじゃない。1属2種です。わたしはだまされていたんだ。他にもだまされていた人、いますか〜〜

学名 Kirengeshoma koreana「チョウセンキレンゲショウマ」
原産 朝鮮半島
アジサイ科(Hydrangeaceae)キレンゲショウマ属(Kirengeshoma

Kirengeshoma(英文+画像)

両者ともちゃんと学名がついているところを見ると、別種であって、亜種じゃないんでしょう。イギリスの有名な園芸家のサイトによると、palmata は1890年(Yatabe)に、koreana は1935年(Nakai)に、同定されたそうです。


2021.09.08撮影

ツボミがもっとふくらんでくると、上の画像の一番手前のような形になります。この画像では、成長度の異なるツボミがいろいろな形になっているのが、見えます。ほぼ丸いのとか、もうちょっと長いのとか。ピロっと出ているのは、花びらが散った後のメシベです。

ツボミの花びらが成長すると、次のようになります。花びらに厚みが出てくるのが感じられます。

2021.09.18撮影

花びらがほころびかけました(次の画像)。

2022.09.15撮影

次は、それを花の正面から見たもの。

2022.09.15撮影

花が開くと、次のようになります。

うちのはこれくらいしか開きませんけど、インターネット上の画像を見ていたら、これより開き方のやや大きいのもありました。

2021.09.22撮影

明日に続く。

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