78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎THE END OF WORK with 27(第2話)~仕事に取り組むということ~

2012-02-16 09:27:08 | 本当の日記はこちら
当方の仕事は今まで接客業である事しか明かしておらず、何の接客かは伏せていたが、
文章を書いていく上で限界を感じたので晒します。
1日200アクセス、gooランキング8000位のブログなら多少は晒しても問題ないよね……というわけで、



当方の職場は漫画喫茶……ではなく同じ系列の姉妹店舗です。
そして“27”の職場が漫画喫茶です。
漫喫とは似て非なる姉妹店舗。漫喫が好きで漫喫で働きたかった当方にとって、姉妹店舗に配属になった事は屈辱だった。



これで、前回突然出てきた「ブルーカード事件」という単語も説明しやすくなると思ったのだが、
ある事情により曖昧な三行にまとめさせて頂きます。


『ブースに置くカードを
アルコールまみれにして
青くしてしまった』


何となく分かりましたか?(ホントすみません。チキンなんです。許してください)

そんなに大した問題ではなかったかもしれない。それで“27”が怒り、43日経った今でも根に持っているのは、やはり“27”自身の仕事に対する妥協の無さから来ているのだと思う。

お客様に最高の状態のブースを提供したい。“27”に限らず全スタッフが抱いているその想いを当方が踏みにじった。


「仕事を“こなす”のではなく“取り組む”為に引き受けた」

とは、昨年の24時間マラソンに向けての徳光和夫の発言。



“27”は、常に仕事に“取り組んで”いる。





そんな“27”には到底及ばない当方。曲がりなりにも11ヶ月は働いて来たが、漫喫とは畑の違う姉妹店舗で11ヶ月やろうが11年やろうが、漫喫における実力は1~2週間の新人と大差ないのだ。

もう当方を見限ったのか、“27”はしばらくの間、当方にブース清掃しか指示を出さなかった。

正月三が日の当方の動き方を見れば、それは当然の結論だった。



今の当方に出来ることは、減っては増えるを繰り返すブース清掃を一分一秒でも早く消化し、未清掃ブースを増える前にゼロにする事、ただそれだけ。



情けない。

本当に情けない。



だが、夕方になって当方に二度ものチャンスをくれたのも“27”だった。



(つづく)

◎THE END OF WORK with 27(第1話)~あいさつは魔法?~

2012-02-16 03:18:24 | 本当の日記はこちら
神の悪戯か悪魔の罠か、
当方と“27”は三度目の再会を果たした。

もう絶対に無いと思った。
大失敗に終わった1月20日の電話作戦(ヤシマ作戦2012)から早一ヶ月弱。

当方が起こしたお客様とのトラブル(2.11事件)を発端に、シフトは大幅に変更が加えられ、当初の予定になかった「ヘルプ出勤」が急きょ当方に回ってきた。

しかも、そのヘルプ先がまさかの“27”の店舗。

素直には喜べなかった。2.11事件で精神はボロボロになっており、今更ヘルプなんかに行って何になるのかと思った。
自分の店舗でトラブルを起こす人間が他店で役に立つわけがない。また正月三が日の二の舞を踏む事になるだろう。そうとしか思えなかった。



ただ、“27”に会えるという希望だけが当方を動かした。
新しいワイシャツを3枚も買った。革靴も買い換えた。ドンキの安物とはいえスーツも買った(マテ
どうせ役に立たないのだから、せめて身だしなみだけは本気を出した(何か違うような……)。



(※補足:スーツは他のちゃんとした理由もあって買いました。革靴はどうせボロボロだから買い換えました)



2012年2月15日、10時40分。
11時出勤の当方は、“27”の店舗の前まで来ていた。
“27”は10時出勤の為、既に中にいる。緊張してなかなか中に入れない。
しかし、入らないことには遅刻になってしまうので、緊張のまま入店。
フロントに“27”がいた。実に43日ぶりの再会である。

当方「おはようございます」
27「あ、11時からの……」
当方「ハイ。当方です」
27「」











別に名前を言わなくても分かるだろ。一発目から当方は意味不明な発言をしてしまった。



だが、めげている場合ではない。始業前から重大な任務があるのだ。
それは、再三書いてきた「伝えたい二つの言葉」の一つを伝えること。



当方「正月三が日は何の役にも立てずにすみませんでした」



やっと伝えた。やっと伝えられた。


二つの言葉とは、
「ごめんなさい」と
「ありがとう」だったのだ。


迷惑ばかりかけた正月三が日を素直に謝ること。そしてこんな当方を見捨てずに指導してくれた事を素直に感謝すること。
まずは前者を達成できた。しかし、


27「それはもういいんでそれよりネームカード持ってますか?」


   ス ル ー さ れ た



おいACジャパン、あいさつは魔法じゃなかったのかよ?
何がポポポポーンだ。訴えてや(ry



まあそんなもんでしょ。当方にとっては命をかけた正月三が日かもしれないが、それは“27”にとってはただの通過点に過ぎない。


27「ネームカード、今度はアルコールまみれにしないで下さいね」


Oh……

まだブルーカード事件を根に持っていたのか。



もう駄目じゃん……

(つづく)

◎安心と信頼のステルスマーケティング(後編)

2012-01-30 08:12:00 | 本当の日記はこちら
昨日は中断してしまい大変失礼しました。

では続きです↓





“27”っぽい女性が同じ電車の同じ車両に乗っている。

当方は動揺した。

だが冷静に考えて“27”なわけがないのだ。京浜東北線の大宮行きに乗って帰る“27”が横浜線に乗るわけかない

時間も遅い。

それでも、その女性を見れば見るほど“27”に見えてきた。
しかし、4~5m離れている事、マスクをしている事が判断を鈍らせ確証が持てない

女性は携帯電話で誰かと小声で軽く会話をしていた。
マナー違反なのか、まだ発車前だからセーフなのか、そんな事を考えている余裕はその時の当方には無かった。


その時だった。
女性がこっちを見た。
ずっと見ていたのを気付かれたか?

笑顔だった。
マスク越しとはいえ、笑顔なのは誰が見ても明らかだった。
もしも赤の他人なら不審そうな顔を見せていたはず。

目が合った瞬間、当方は脊髄反射で視線を下に背けてしまった。

冷静に考えた。もう8割方は“27”の確証がある。なら思い切って話しかけるべきなのではないか。
女性が“27”なら三度目の奇跡である。当方が電車を乗り間違えなければ巡り合う事はなかった。
しかも、昨日(1月3日ヘルプ最終日)伝えられなかった2つの言葉を、今度こそ伝えられる。



行け。
勇気を出せ。
失敗を恐れるな。
人違いならそれまでの事。もうその女性と会う事もないのだから。
やらずに後悔するぐらいなら、やってから後悔しろ。



決心が9割方固まっていたその時。

「どうぞ」

女性は目の前の立っている親子に席を譲り、自分は電車を降りてしまった。



一体どういう事なのか。
当方も降りて女性を探すべきだったのだろうが、
羞恥心が芽生え、結局座ったまま何も出来なかった。
1分後には電車も発車してしまった。



結局、女性が“27”である100%の確証は得られなかった。

横浜線に乗っていた謎、電話で誰かと会話した後に降りてしまった謎が未だに解明されない。

この日、当方に見せた笑顔は“27”の笑顔なのだろうか。
だとすれば、完全オフモードのだらしない姿、目が合った瞬間視線を下に背ける気持ち悪い姿を晒したことになってしまう。
次の日職場で「電車に当方さんいましたよ」とか笑いながら誰かに話すのだろうか。



1月4日、後悔と妄想が尽きない夜だった。





◎一度でいいから見てみたい。キタエリとキタリエの共演(前編)

2012-01-29 09:32:19 | 本当の日記はこちら
“27”を最後に見た日すら曖昧になっている。

その日を1月3日とすべきか、4日とすべきか。



“27”の店舗にヘルプ出勤したのは1月1日~3日だが、実は4日にも当方は“27”とニアミスしていたかもしれないのだ。




ヘルプ出勤最終日のラストがゴタゴタしてしまい“27”に何の挨拶も出来ないまま突然の別れを迎えたのは以前に書いた通り。

後悔が先に立たないまま翌日、4日を迎え、この日は川崎の店舗に勤務だった。
その帰り、当方は絶望のあまり逆方向の電車に乗ってしまう。

大船行きに乗るべきところを誤って大宮行きに乗ってしまったのだ。

京浜東北線の電車は一文字間違えるだけで逆方向になってしまう。みんな気を付けようね☆
(また地元ネタでスマソ……)


しかも、あまりにも絶望で、品川まで来てやっと気付く始末(※川崎→蒲田→大森→大井町→品川)。


品川から大船行きに乗って戻り、東神奈川に着いた頃にはもう23時を過ぎていた。

東神奈川から横浜線に乗り換え、発車するのをしばし待つ(始発なので最大10分は発車しません)。



そこで事件は起きた。
当方の左斜めのシートに座っている女性である。4~5mは離れていただろうか。

(何だあの女性、髪型が“27”みたいだな。髪の色は茶色めで、“27”もこれぐらいだったっけ。
あれ?てかこの人“27”じゃね?マスクしてて顔がよく分からないけど、“27”っぽい。ちょ待てよ、マジで“27”なのか?)



突然の事態に当方は動揺した。


時間がないので続く(待てやゴルァ)

◎奇跡の価値はプライスレス(※地元ネタ注意)

2012-01-28 23:12:28 | 本当の日記はこちら
今朝はピンチだった。

今日の勤務地は川崎。

いつも某駅から横浜線で東神奈川で乗り換えて


からの~


京浜東北線で川崎へ。


しかし今日は
東神奈川からの~足止めだった。


沿線火災の影響だという。


イヤ待てよ。川崎なら
東神奈川からの~歩いて仲木戸からの~京急線という手段もあったではないか


しかし、


「只今京急線も運転を見合わせております」

何ですって!?

「運転しているのは東横線とバスのみとなります。東横線とバスです。バスです」


イヤ、バスって何だよ?



このままでは会社に遅刻してしまう。

まず店に電話し、本社の番号を聞き出し、本社に電話しようとしたその時だった。

「大変お待たせしました。まもなく発車いたします」


それは奇跡だった。始業25分前にやっと運転再開、ギリギリ間に合った。



東神奈川といえば“27”のいる店舗からそう遠くはない。


そして今回の奇跡……




イヤ
何の関係もないか。

◎舞い上がったら後は舞い落ちるだけ。桜のように

2012-01-03 01:54:33 | 本当の日記はこちら
もうすぐ生後26年を迎えようとしているその時
大人になろうと懸命に足掻いてきた子供は
ついに大人になる予感を見せた。



仕事で「使える人間」になれるかもしれない。



社会人になってから4年弱。仕事というものにおいて当方はずっと「使えない人間」だった。
新聞屋だけは使える人間まであと一歩というところまで来れたかもしれない。
ただその前の建設業でも、新聞屋の後の鳶職でも、完全に「使えない人間」だった。



それが今の仕事で、「使える人間」になれるかもしれない。
そんな予感を見せたのは
昨日、同じ職場の人が

「成長しましたね」
「当方さんのおかげで色々と助かりましたよ」

と言ってくれた時だった。


「イヤそんなことはないですよ」
当方は否定した。礼儀とか関係なしにガチで成長していないと思ったからだ。

しかし

「イヤそこは否定しないでください。自信持ってくださいよ」

そんなこと言うもんだから、当方は舞い上がってしまった。





そのわずか30分後に桜は舞い落ちた。

短い春だった。



その人は今日怒った。前日の褒め言葉が嘘のように。



まだまだ当方は坂道の途中。


頂上が見えたと思えばすぐ雲に覆い隠される、そんな坂道の途中。



早く使える人間になりたい。

大人になりたい。

◎W杯の結論はTBSの一人勝ちだということ

2010-07-02 00:18:24 | 本当の日記はこちら
放置しっぱなしで本当にすみませんでした。



この3ヶ月でかなり色々あった訳ですが、

諸々をひっくるめて言うと、



『耳をすませば』いいですね(マテ



最近久々にDVD借りて観たが、
もはやジブリの最高傑作である。


そして、主題歌であり劇中歌でもある「カントリー・ロード」。


神曲すぎる。


一人暮らしをしている皆様や新社会人の皆様には
是非改めてこの曲に触れていただきたい。



歌詞が響くはずです。



今が新社会人なら『耳すま』公開当時は小学生のはず。


小学生の頃に観ても聴いてもイマイチピンと来なかったはずだ。



だからこそ今、この映画を観ていただきたいし、この曲を聴いてみて欲しい。



単なる恋愛モノじゃないです。
まあ観ればわかります。



と思っていたら、なんと7月9日、金曜ロードショーで放送されるのねん(わざとらしいわ)。



DVDレンタル代が浮いて良かったですね(何言ってんだか)。



ご期待ください。

◎新聞配達をやってみた ~配達編5~

2009-11-27 23:08:09 | 本当の日記はこちら
翌日の朝刊。
不運にも天気は雨。
朝刊を1部1部ビニールに入れる作業で大幅にロスをする雨である。

だが、それで絶望している場合ではない。当方はチラシ入れの順番を変えてみた。

(1)団地:200部
(2)自分の区域(バイク荷台):約200部
(3)自分の区域(店に置いておく):75部

前日の失敗(団地担当A先輩を待たせて怒らせてしまった)を繰り返さないために、団地を最優先する作戦に切り替えた。
しかし、団地のチラシ入れ終了後に中継ポイント送りの分のチラシを入れたのではワゴン車の発車に間に合わない。
なので便利な中継システムの使用は諦めるしかない。バイクの朝刊が無くなったら一旦店に戻って残りの75部を積む作業をしなければならなくなる。
それでも団地担当を待たせてイライラさせるよりはマシ。

というわけで(1)からスタート。団地の分は車で配達するため、ビニールに入れる必要はない。チラシ入れは丁寧にやりつつ、スピードにも気を付けた。
この日も団地担当のA先輩は、当方がチラシを入れた団地の朝刊の束を黙って手に取り、無言で梱包機にかける。何とか怒られずに済んだ。



(1)を終わらせた当方は(2)(3)を急いで行う。あとは自分の区域のチラシ入れのみ。他方への迷惑は防げた。

しかし、それで安心は出来なかった。ビニールに入れる時間が勿体ない。前にも書いたがビニールに入れる機械は2台しかないので待たされるロスもあるのだ。



そしてとうとう、

「まだかよ!」

A先輩の怒りの声。

「お前もバイトで入ってるのか!?」



先日社員からアルバイトに格下げになったW先輩と比べるかのような発言まで。



その後の配達は再び順路帳を見ないで配り、雨にも関わらず4時25分に完遂したが、終始鬱だった。
自分なりに速くやったつもりだった。それでも「遅い」と言われるのなら、このまま毎朝怒られるのではないだろうか。





その翌日は週一しかない貴重な休日。
しかし、色々考えたあげく午前中はチラシ入れの練習をすることにした。寮部屋が店の2階なので、練習のためだけに訪れるのも容易に可能なのだ。

しかも、店長に見ていただき、アドバイスまでいただいた。
チラシ入れ自体はそんなに遅くないが、そのあとの新聞を揃える作業に大いに問題があるとのことだった。

盲点だった。当方は揃える時にモタモタしてかなりのロスになっていたのだ。

チラシ入れのみならず、揃える練習も繰り返し行った。休日とはとても思えない。



しかし、練習をしているところはA先輩に見られてしまった。出来ればこっそり練習したかったが、ここで奇跡が起きた。

「ちょっといい? これは……」

なんとA先輩から話しかけてくれて、一つだけアドバイスをいただいたのだ。

ただ怒るだけの人ではなかったようだ。励みになった。これはもう本当に頑張らねば。




そして翌日の朝刊。
とにかく練習で言われたことに注意しながら、チラシ入れを無我夢中で全速力かつ丁寧に行った。

結果、A先輩に怒られることは一度も無かった。

まだ雑なところはあると思うし完璧には程遠いだろう。

それでも当方は一歩前進したような気分になれた。



朝刊のチラシ入れの風景はもはや戦場。
このまま負けることなく戦い続けられるだろうか。



(一旦完)

◎新聞配達をやってみた ~配達編4~

2009-11-27 22:33:41 | 本当の日記はこちら
「遅くても4時半には終わらせろよ!」

A先輩にそう言われ、慌てて朝刊を積んだバイクを走らせた当方。
スタート時の時刻は1時55分。既にいつもより5分以上早く出発することが出来た。
とは言え、配達完遂ベストタイムの4時55分を更に25分も縮めるのは無謀としか思えない。



当方は迷うことなく最終手段に出た。それは、

“順路帳を見ない”

ことだった。

以前他の先輩、I先輩がこう話していた。
「順路帳を見ないで配ればぐーんと速くなるから」

しかし、順路帳を見ないで配るには、270軒以上もの家の場所やアパート・マンションの部屋番号まで全てを暗記していることが絶対条件。
しかも、順路帳を見ないだけでタイムを25分も縮めることが出来るかは不明である。

それでも今はI先輩の言葉を信じるしかなかった。
自分の記憶だけを頼りに、一軒一軒の家に朝刊を入れていく。
「次は確か◎◎さんだな」「次は◎◎さんだよな」「で次は……」その繰り返しで記憶を呼び覚ましていく。
意外にも覚えていた。家の場所のみならず、新聞の種類まで正確に。
あとは速さだけが問題。バイクはもちろん全速力で、バイクを降りてからもポストの場所まで全速力で走った。


今日はとにかく全ての力を出しきって走れ。
ペースなど考えるな。
常に全速力だ。
二度と出せない記録でもいい。
今日は絶対にベストタイムを更新しろ。
もし明日が雨ならベストタイムは絶対に出せない。
晴れている今日がチャンスなのだ。

怒られたくない。その気持ちだけが当方を全速力で走らせていた。
前夜から何も食べていないのに、全く苦にならずに急ぐことが出来た。




そして、全ての配達を終え、店に戻った。

時刻は────







55




なんと、それまでのベストタイムより更に1時間も縮めることに成功。
A先輩から指令された時刻も余裕でクリア。

なんということだ。順路帳を見ないだけでここまで速く配れるとは。





しかし、まだ「チラシ入れ」という難題が残されていた。

朝刊配達のベストタイムを出したこの日は健康診断。体重が1年前より8kgも痩せていた。
その帰り道、車の中でI先輩はこう話していた。
「早く自分のやり方見つけてチラシ入れ速く出来るようにしたほうがいいよ。Aさんは新人には皆ああやって怒ってるんだよ。
で、もしマークされたら毎日怒られるようになるから。そうなる前にチラシ入れをマスターしたほうがいい」

まさか、当方は既にマークされているのか?

翌日の朝刊への不安が耐えぬまま、車は店へと近付いていく。


(つづく)

◎新聞配達をやってみた ~配達編3~

2009-11-23 05:41:41 | 本当の日記はこちら
ついに恐れていた事態が起きてしまった。



11月21日の朝刊。

「チラシもっと綺麗に入れろよ! 一番遅ぇくせによ」

当方に向けての罵声。一番怖いA先輩である。



当方の所属する販売店は、近くの団地だけで1200部以上の朝刊を入れなければならない。

当方の区域は約270部入れればいいが、なんとこの団地の1200部はたった2人で配達しているのだ。

さすがにチラシ入れまでその2人にやらせるのは酷であるため、全員で手分けして入れることになる。それでも一人あたり200部以上は入れなければならない。

つまり当方は、毎朝470部以上ものチラシ入れをしている。



この日はA先輩ともう一人が団地担当だった。



当方はいつも、自分の区域270部のうち中継ポイント送りの75部分のチラシ入れを最初に済ませる(これはPPバンド2本で梱包してワゴン車に積む。運転担当が中継ポイントまで持っていってくれるのだ)。
次に、残りの200部弱は後回しにして団地のチラシ入れに取りかかる。
団地が終わったらようやく残りの200部弱のチラシを入れ、全てバイクの荷台に積む。

つまりチラシ入れの順番はこういうことになる。
(1)自分の配達区域(中継ポイント送り):75部
(2)団地:約200部
(3)自分の配達区域(バイク荷台):約200部



この日も(1)から始めた。自分の区域なので速さ最優先で進めた。

次に(2)。これが問題だ。これはA先輩の分なので、丁寧さも求められる。
急ぐことを第一に、かつなるべく丁寧に、を心掛けた。



しかし、

冒頭のA先輩の怒号が飛んだのはこの時だった。



当方の「精一杯の丁寧」は「雑」と見なされたのだ。
入社して1ヶ月と1週間が過ぎたが、まだチラシ入れのコツがつかめていない。


後に他の先輩が「Aさんの言うことは気にするな。俺も最初は酷く言われてたし」と励ましてくれた。怒られた時は空気も悪くなっていたし、他の人にも申し訳ないことをしてしまった。




翌日。
また同じことで怒られたらもう救いようが無くなる。
(2)は丁寧さを第一に恐る恐る行った。

そして、(2)が終わる頃だった。


「オイ、いつになったら速くなるんだよ! せめて人並みの速さでやって貰わないと困るんだよ!」


この日も団地担当のA先輩である。
丁寧に入れることに気を取られ過ぎて、速さまで気が回らなかった。
団地のチラシ入れが遅すぎると団地担当の仕事がスムーズに進まなくなってしまうのだ。
イライラさせてしまうのも無理はなかった。

急いでやれば「雑だ!」
丁寧にやれば「遅い!」
当方はいつめ速さと丁寧さのバランスが取れない。これは前職からの悩みでもあった。



しかも、さらに続けてこう言われた。

「それと配達。遅すぎる! 遅くても4時半には終わらせろ! 何でいつも5時過ぎるんだよ!」



更に恐れていたことをとうとう指摘されてしまった。

この日までの、当方の朝刊配達完遂のベストタイムは4時55分。なんと25分も縮めろと言うのだ。

しかも、この日は健康診断があり、前夜8時から何も食べていない。あまりにもバッドコンディション過ぎる。



それでも考えている暇はない。大急ぎでチラシ入れとその他諸々の準備を済ませ、当方のバイクは過剰にふかして五月蝿く鳴り響くアクセル音と共に発進した。

(つづく)