78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎いきるひと

2009-07-04 20:00:03 | 思ったことそのまま
2009年7月3日。



その日の現場は、パン屋だと聞いていた。



しかし、実際に行ってみると、そこはハンデを背負った人のための施設だった。



その1階の一部がパン屋だった。





現場で当方はいつもの5倍は怒られたような気がした。

「1年間何をやってたんだ」と。

1年どころか入社してもうすぐ14ヶ月。
当方はこの日の作業のほとんどを上手く出来なかったのだ。
本当に1年以上も仕事の何を見てきたのだろうか。
反省を余儀なくされ、酷く落ち込むのに時間はかからなかった。

どんなことがあっても3年は今の会社を続けたいと以前書いた。
しかし、その前にクビになってしまうかもしれない。
あるいは居場所が無くなり、自ら辞めなければならなくなるかもしれない。





昼休み。お客様のご厚意によりパン屋の店内でコーヒーとパンをいただいた。

店に入るなり当方は驚いた。
なんと施設の人たちがパンを焼き、販売していたのだ。



当方よりもハンデを背負った人たちが、当方よりも仕事をこなしている。

イヤ、彼等に比べたら当方の持病なんてハンデのうちに入らない。そもそも疑いがあるに過ぎないし。



衝撃を受けたのはそれだけではなかった。

2人の女性店員の笑顔である。

この先の人生は当方よりも厳しく険しいというのに、何の迷いも無く今の人生を楽しんでいるように見えた。





どんな悲惨な状況であろうが、
どんなハンデを背負おうが、
多くの人間が懸命に生きている。


それなのに当方は、一体何をしているのだろうか……





当方はパンを一口食べた。




初めてこのパンが完成した時、彼等は何を思っただろうか。