想いを寄せる転校生をゆずのライブに誘った中学生男子の物語。学園ものとはいえ、作品としては邪道の部類に入る。だが勝算は一つだけあった。ストレートはジャニーズの某若手ユニットの大ファンで、なんとカウントダウンライブを生で観に行ったことがあるという。ゆずには詳しくないだろうが、本編の随所に差し込んだ“ライブあるあるネタ”は通じるのではないか。
あとはこれを推敲するだけ。仕上げるルートは2通り考えられた。ストーリーに感動させることを目的とするガチガチの真面目路線か、散りばめた小ネタを楽しむギャグ路線かである。
>「僕さん面白いですね」
>そして、分かり合えなくても、笑い合うことなら出来る。
僕は直感で後者に決めた。ストレートなら求めているものは笑いなのではないか。作品の随所に小ネタを追加した。自己満足で書いていた学生時代や、不特定多数の人に向けて書いていたブログの小説とは違う。今はストレートというたった一人の読者を喜ばせることだけを考えて書いている。これは28年の人生で初めてのことだ。
「小説、持ってきました」
12月22日、A4用紙4枚半、延べ4569文字の作品をストレートに手渡した。そんなに長くは無いが、限られた時間の中でそれなりのものには仕上がったと思う。
「わーすごい、ありがとうございます。すぐ読みますね」
すぐ読みますね。ストレートは確かにそう言った。間違いなく確かに……。
――6日後、ストレートはまだ読んでいなかった――
「……もう死ぬから読まなくて良いです」
「エー何でですか? 死なないで下さいよ」
その後、2週間、3週間経っても感想を聞けることは無かった。
本当に読んでいないのか。途中までは読んだがリタイアしたのではないか。改正版の『タオル』を冷静に、ゆずに詳しくない女子高生の気持ちになって冒頭から読み直してみた。そして気付いた。ゆずに興味が無ければモチベーションが下がり、最後まで読んで貰えない可能性があると。
ブログを開設して早6年。これまでに投稿した393件の記事は、全て最後まで読んでくれることを前提に書いてきた。だが現実は、トータルIP・16万9439人の方々の一部、イヤもしかするとほとんどが、少し読んだだけで去って行っているのではないか。
僕は所詮、小説もまともに書けない人間だ。全てが自己満足の範疇で行われてきたこと。ストレートのお陰でやっと気付くことが出来た。そして僕は再び女性不信に陥る。ストレートの「面白い」は、その笑顔は全て嘘だったのか。イヤ、今さら悲観することは無い。KSMの時と一緒ではないか。
――でも本当に、このままで良いの?――
もう一つのプロジェクトは既に動き出していた。
(第一部・完)
※これまでにこのブログを読んでいただいた16万9439人の皆様、あらゆる方法でご意見・ご感想をいただいた皆様、その全てにこの場を借りて感謝の意を表します。本当にありがとうございました。稚拙な文章ではありますが今後もよろしくお願いいたします。
あとはこれを推敲するだけ。仕上げるルートは2通り考えられた。ストーリーに感動させることを目的とするガチガチの真面目路線か、散りばめた小ネタを楽しむギャグ路線かである。
>「僕さん面白いですね」
>そして、分かり合えなくても、笑い合うことなら出来る。
僕は直感で後者に決めた。ストレートなら求めているものは笑いなのではないか。作品の随所に小ネタを追加した。自己満足で書いていた学生時代や、不特定多数の人に向けて書いていたブログの小説とは違う。今はストレートというたった一人の読者を喜ばせることだけを考えて書いている。これは28年の人生で初めてのことだ。
「小説、持ってきました」
12月22日、A4用紙4枚半、延べ4569文字の作品をストレートに手渡した。そんなに長くは無いが、限られた時間の中でそれなりのものには仕上がったと思う。
「わーすごい、ありがとうございます。すぐ読みますね」
すぐ読みますね。ストレートは確かにそう言った。間違いなく確かに……。
――6日後、ストレートはまだ読んでいなかった――
「……もう死ぬから読まなくて良いです」
「エー何でですか? 死なないで下さいよ」
その後、2週間、3週間経っても感想を聞けることは無かった。
本当に読んでいないのか。途中までは読んだがリタイアしたのではないか。改正版の『タオル』を冷静に、ゆずに詳しくない女子高生の気持ちになって冒頭から読み直してみた。そして気付いた。ゆずに興味が無ければモチベーションが下がり、最後まで読んで貰えない可能性があると。
ブログを開設して早6年。これまでに投稿した393件の記事は、全て最後まで読んでくれることを前提に書いてきた。だが現実は、トータルIP・16万9439人の方々の一部、イヤもしかするとほとんどが、少し読んだだけで去って行っているのではないか。
僕は所詮、小説もまともに書けない人間だ。全てが自己満足の範疇で行われてきたこと。ストレートのお陰でやっと気付くことが出来た。そして僕は再び女性不信に陥る。ストレートの「面白い」は、その笑顔は全て嘘だったのか。イヤ、今さら悲観することは無い。KSMの時と一緒ではないか。
――でも本当に、このままで良いの?――
もう一つのプロジェクトは既に動き出していた。
(第一部・完)
※これまでにこのブログを読んでいただいた16万9439人の皆様、あらゆる方法でご意見・ご感想をいただいた皆様、その全てにこの場を借りて感謝の意を表します。本当にありがとうございました。稚拙な文章ではありますが今後もよろしくお願いいたします。