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◎劇場版公開直前!『SHIROBAKO』の功績について語る

2020-02-21 04:50:30 | 小野と芋子

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芋子「今回は、2014年10月より2クールに渡って放送されたTVアニメ『SHIROBAKO』について語りましょう」

小野「5年の沈黙を破り、劇場版が2月29日に公開されるからね。振り返るには丁度良いタイミングだろう」

芋子「当方さん(ブログの管理人)も当時リアタイ視聴していたわけですが、『四月とSHIROBAKOを超えるアニメは今後出てこないかもしれない』とさえ思っていたそうです。それくらいSHIROBAKOは凄いアニメだったと」※『四月は君の嘘』も同時期(2014.10~2015.3)に放送していました。

小野「まあ、すぐに『ユーフォニアム』が超えていったんだけどね」※1期は2015.4~6

芋子「余談ですが、四月もSHIROBAKOも木曜に放送していました。今期だと『ましゅましゅ』『ソマリと森の神様』『推し武道』がいずれも木曜。面白いアニメは木曜にかたまりやすい説

小野「アニメネタだと話が尽きないな(笑)。そろそろ本題に行こうよ」

 

<視聴者が「万策尽きたアニメ」に寛容になった>

芋子「アニメの制作現場をリアルに描いた『SHIROBAKO』の功績は、何と言っても視聴者がアニメ制作の大変さを知るきっかけになったことです」

小野「元々詳しい人にとっては常識的な話ばかりなんだろうけど、エンドロールの脚本や監督さえも気にせずスルーしている人にとっては良い勉強になったはず」

芋子「ニコニコなどで1話を無料で視聴できるので、知らない方は1話だけでもご覧いただきたいのですが、その中で、ラッシュ当日になっても『えくそだすっ!』3話の見せ場となる10数秒のシーンの原画が上がっていないことが大問題になるシーンがあります」

 

小野「僅か10数秒を作るだけでも多大な時間と人手と労力を割くことが垣間見える。それを30分×12~13本作らなければならないのがTVアニメだということ」

芋子「続く2話では、監督が『えくそだすっ!』4話の重要シーンにおける"あるぴん”というキャラの泣くシーンを原画から修正したいと、ダビングの段階になって言い出すので現場が騒然となるシーンがあります」

小野「監督のこだわりがあるからこそ直しに直してクオリティーの高いアニメが完成するわけだが、度を越えるとスケジュールが圧迫して納品が放送ギリギリになってしまうということ」

芋子「『ガルパン』がまさにそれでしたね。1クールの間に総集編を2度も挟み、最終2話は3ヶ月延期の後にようやく放送。でも結果的にクオリティーは高くなり、大人気アニメとなりOVAや劇場版も制作されるに至ったわけです」

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小野「SHIROBAKO以後、放送を落としたアニメに対して『万策尽きた』とネットで言われるようになったのも、ある種のムーブメントだよね」

芋子「そんな『万策尽きたアニメ』に視聴者が同情したり許したりする風潮になったのも、SHIROBAKOのお陰だと思います」

小野「いや厳しい人は今でも厳しいけどな(笑)。そりゃそうか、放送落とすなんてドラマとかでは(キャストの怪我や不祥事による撮り直しでも無い限り)有り得ないし、普通に考えたら異常なことだもんね」

 

<声優の過酷さも知るきっかけに>

芋子「SHIROBAKOは、多くのアニオタがとっつきやすい”作画”と“声優”を早い段階で取り上げ、理解しやすい話にしたのも人気獲得に繋がったと言えます」

小野「2話で早くもアフレコ現場が出てくるからね。そして4話で“ずかちゃん”こと新人声優・坂木しずかがオーディションを受ける場面が流れる」

芋子「その現場には制服を着た女子高生から、レギュラー10本もあるベテランまで居ました。ベテランも必ずオーデを受けるというのが意外だし厳しい世界ですよね」

小野「水樹奈々さんもいつかのニコ生で未だにオーデを受けていることを証言していたしね」

芋子「10話の『えくそだすっ!』最終話アフレコのシーンでメインキャストが『2期やりたいです』と監督に切望していたのも、2期はオーデ無しの無条件で出演権を獲得できるからなわけで」

小野「それくらい声優にとってオーデは高い壁なんだよね。ずかちゃんの奮闘の一部始終と、それによって見えてくる声優業界の実態にも注目したい」

 

<無駄の無い台詞回し>

芋子「SHIROBAKOの魅力をもう一つ言わせて貰うと、何と言っても台詞の全てに無駄が無いことです」

小野「まあ2話のBパートは例外として(笑)、基本的には台詞の1語1句全てに意味を持っていて、とても情報量の多い作品に仕上がっている」

芋子「絶対見返したほうが良いですね。2回目、3回目と見ていくうちに細かい台詞の持つ意味にまで気付き、面白さが増していきます」

小野「無駄があったとしても、それは無駄ではなく制作側のお遊びだ。6話のイデポンネタや16話の女ゴスロリ甲子園など、多少のパロネタで時間を潰すのは許容範囲であるし、本筋にあまり影響は与えていない」

 

<仕事頑張らないと……>

芋子「次に語りたいのは何と言っても23話のラストの……」

小野「………」

芋子「あれ? 小野先輩? どうしました?」

小野「なんかさ……みんな頑張っているなって」

芋子「まあ、『花咲くいろは』『サクラクエスト』と並ぶP.A.WORKSの三大お仕事アニメですからね。現実世界とリンクして、仕事とは何かを考えさせられます」

小野「この記事を書く為にSHIROBAKOを何話か見直したけど、仕事ってここまで頑張って初めて評価されるんだなって」

芋子「まあ、高校生の私達には本当の意味で理解していないのでしょうけど」

小野「俺も今仕事で大変なんだよ……休憩も取らないで残業してまでこんなに頑張っているのに怒られるし成果は出ないし……何度も挫けそうになって、ギリギリの所で生き残っている……でもここまでかな……3月に出る人事次第では降格も有りうるし」

芋子「先輩! 高校生の設定を忘れないで下さい!!

小野「でも……SHIROBAKOを観て、自分ももっと頑張らなきゃと思ったよ……具体的に何を頑張れば良いのか分からないけど……とにかくやるしかないんだよ……」

芋子「なんか重い話になってきたのでこの辺で! SHIROBAKO劇場版は2月29日公開です! この機会にTVシリーズ全24話をdアニメストアU-NEXTなどで復習しましょう! 新規加入者は1ヶ月無料です! ではまた!」

 

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