今日は、西宮のH氏宅にお邪魔し、自作したプリアンプの試聴をさせていただきました。
様々なアンプ類やDACなどが棚にのっていますが、写真のように現使用中のプリの上側に、胸ならず背中を貸していただいております。斜めになっているアンプが拙作のプリアンプになります。
背中を貸していただいている下側のアンプは、WE407Aを用いたプリアンプで回路ほぼ同じ様です。
また使用するパワーアンプは、下記中央部のWE300Bを使用したシングルアンプになります。
拙作のプリを確認する前に、下側にある407Aのプリを聞いてから確認してみました。
まずは407Aの個人的な感想として、かなりまとまりのある音でちゃんとボーカルが中央から聞こえてくるイメージ。声の上ずりもなく透明感あふれています。
何となく拙作のプリもこんな感じだったような・・・と個人的には思っていました。
さて拙作のプリに電源を入れます。
上記写真は東芝の6M-HH3になります。今日は手持ちのE90CCとE92CC全て確認してみました。
まず東芝ですが、こんな球なのにこんなにきれいな音がするの?という印象。だれも見向きもしない球なのに案外その素性の良さに驚きます。音的にはシャープであり、かつ色付けが少ない感じでした。東芝でこんな音がするのは珍しいという評価でした。
E90CCはPHILIPSとZAERIXのものを確認しましたが、μがE92CCよりも低いこともあり、音が柔らかい印象でした。増幅度が小さい分NFBも少なくなっているのかと思いますが、これはこれで耳障りのいい音がします。
次にE92CCですが、これはμが45程度あり、E90CCよりも電圧増幅度が高めの球になります。音質的にはE90CCよりもシャープになり、明瞭感が増します。しかし透明感はこちらの方が上で、他の皆さんもこちらの方の音がいいというご意見です。あの地獄耳の伊丹のYさんも中々ええやんという評価。
E92CCの中でも、下記写真のDARIOのものが個人的にはよかったと思います。
この球はもろに「IBM」のロゴが印刷されており、まさにコンピュータ用に使用されたものと思いますが、オーディオ用としても十分な性能を持ち合わせているのではないかと思います。一度、パワーアンプなどにも使用したい球です。
一応、視聴は好評のうちに終わりました。また、今回は誰も見向きもしなかった7ピンMT管であるE90CC、E92CCなど6J6クラスの新たな球を発見をすることが出来、非常に有意義でした。
最後にWE310Aを用いたプリアンプも試聴させていただきました。
上記写真の中央上側のものになります。
出てくる音は、聞き疲れのしない柔らかな音です。何時間でも聴いていられるような音がします。ボーカルが一番聞きやすいというイメージです。
ついでに気になる中身を見せていただきました。
回路を見ていちばん驚くのは電源に使用している素子です。A(ヒータ)電源はオペアンプを使用した安定化電源ですが、オペアンプは4000円ぐらいするそうです。そしてドロップ用のトランジスタは、2SC1161を奢っています。ヒータ電源でも使う素子で音は変わるといわれていましたが、私も以前その違いを聞かせていただいたことがあります。確かに、音がかっちりとするというか、落ち着くというか、好みの問題もあるかもですが、なぜかわかりませんが音の違いは感じられました。
さらにB電源にも同様に2SC1161が使用されており、誤差増幅用オペアンプはスリューレートが1000V/usとかなり高いものを使用されているそうです。やはりアンプの音の出どころは電源になりますので、電源にはこだわる必要があるようです。
実は今日は拙作のプリ以外に整流ダイオードの音質の違いも確認していました。
最近お気に入りのダイオードが高額になってきたとのことで、安いものとの音質を比較して、もし安いものでも良ければ安いものに変えたいというのが、この確認の趣旨になります。
上記写真は、整流ダイオードをスイッチで切り替えできるように細工しています。
はじめは、整流ダイオードで音がそんな変わるのか?と疑問に思っていましたが、なんと!変わるものみたいです。3種類でかなりの変化がありました。
ブラインドテストを実施したのですが、若干地味な音だが、まあそれなりに聞いていても違和感ないもの、ちょっと個性的に音を主張するもの、なめらかでしっとりするものなど、やはり違いがあるのです。ダイオードの出力には平滑用に大容量のコンデンサーやリプルフィルタが付いているので、そういうもので打ち消されて音は変わらないはず、と頭で思っていても、比較するとこのように3種類の違いが現れました。不思議なものです。
で結局、いつもの高価なダイオードに落ち着いてしまったようです。めでたし、めでたし。か?
そんなこんなで時間も過ぎ、お開きになりました。
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