昨日からの続きですが、今日はUY-510Bをアンプに仕立てて音の確認を行いました。
昨日の測定結果から、B電源は360Vの時にカソード抵抗を1kΩとすれば、55mAほど流れてちょうどよい状況でした。
早速アンプを試聴。
試聴にあたっては、ほぼ動作点が近似している307Aと差し替える形で実施。ちなみに307Aの場合は、カソード抵抗は600Ωが良さそうでしたが、差し替えの度に一々変更できないので1kΩのままです。
UY-510Bの動作状態の写真を掲載しますが、フィラメントは3往復の折り返しの酸化膜タイプで、プレートの形状は、VT-62やVT-52等と同じく矩形の構造ですが、大きさは510Bの方が迫力があります。一方、307Aは、フィラメントが4往復しており、プレートは陸上のトラックのような構造となっています。307Aの3結はUY-510Bの3結と特性も似ていると言えば似ていますが、プレートの形状は、510Bの方が上品かなと個人的には思いました。
さて、理研の方が特性測定時に放電があり、少し心配していましたが、プレートーカソード間の電圧自体も300V程度でしたし、問題になるような範囲での動作ではなかったので、アンプには影響はありませんでした。
では、試聴結果ですが、下記のような結果になりました。
各項目の評価は、他のどの列強の球よりも良い結果となりました。少し贔屓目に見ている可能性はありますが、307Aとの差し替えでも奥行き感の違いがはっきりしましたし、また、高域・低域も申し分ありません。迫力もあり、昔の日本の球はこんなだったのかと驚かされます。国産球は、ぼやけたような音という評価も聞く時がありますが、そのようなことは一切なく、現代でも通じる音のように思いました。
一度、この球でちゃんとしたアンプを作ってみたいなと思いましたが、手持ち球はそろってない上になかなか入手が難しく、運良く入手できたとしてもエミッションに問題ないのか、そのあたりが気になるところ。製作する場合はかなり苦労が予想されますね。
この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。
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