Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

夜の湘南モノレール

2015-10-17 22:07:57 | 駅と鉄路



大船駅と湘南江の島駅間、6.6kmを結ぶ湘南モノレール。
鎌倉山周辺の鉄道空白地帯の通勤通学輸送と江の島をはじめと観光客輸送を目的に敷設された路線です。
しかしながら、現状は通勤通学利用者がほとんどであり、観光客をはじめとする他地方の人にはあまり認知されていないようです。

このモノレールは懸垂式と呼ばれて軌道が車両の上部に位置している珍しいタイプ。
日本では他に千葉都市モノレールと上野動物園内のモノレールしか例がありません。

鉄道や他の交通機関は車体の下に軌道なり路線が存在するため安定感がありますが、懸垂式モノレールでは車体が吊り下げられているため空中に浮いているような感覚です。
そのため、車窓からは直下に建物や道路が広がっている光景も目にすることができます。

沿線は山が多いため、路線は急勾配の連続。
最高速度の75kmはモノレールとしては速い方で、ちょっとした遊園地のアトラクションのよう。
車窓からは天気が良ければ富士山や相模湾を望むことができるのは楽しみのひとつです。


昼間の乗車も楽しいのですが、醍醐味はやはり夜。
前世紀の人々が夢見た近未来交通のような、メタリックなフォルムの車両が一層映えて見えますし、駅や軌道もなんだか幻想的です。

深沢の夜景を横目に、どんどんと高度を上げながら闇を裂いていく光景は何処か銀河鉄道のようでもあって、しばしの異空間旅行へと誘われていきます。

全線乗り通しても14分という短時間コースなので、寂しさの深淵に落ち込むことなく終点に到着。
このちょっと物足りなさを感じるような、乗車時間もまた絶妙で、気軽何度でも出掛けたくなってしまいます。





今回は湘南江の島駅から深沢駅までを途中下車します。





湘南江の島駅ホーム。
夕方から夜間は大船発湘南江の島駅行きの列車が通勤通学客で混雑します。
途中駅でほとんどの人は降りて、終点までの乗車している人はごくわずかなようです。

逆に大船駅の列車を待っている人はほとんどいません。
江の島の最寄り駅といっても、夜は静かな終着駅です。

ホームに停車中の車両はシルバーに赤いライン。
メタリックな感じと配色は、どこか特撮のメカのようでカッコいいです。









一部の車両を除いて、座席がクロスシートになっているところも旅情を盛り上げてくれます。

湘南江の島駅を出ると、すぐにトンネルに入りますが、トンネル内は急勾配・急カーブ区間なので、車体がうねるよう上下左右に大きくうねります。
後方の車両から眺めていると、前方の車両が半分以上見えなくなったりします。
すごいカーブです。








勾配を上りきると、片瀬山駅に到着。
住宅地の末端に位置し、閑静な無人駅ですが、列車交換が行われます。

1面2線の簡素な駅ですが、車両が並ぶと無機物の作り出す冷たい近代的な雰囲気があります。
列車交換が終わると、それぞれの列車が闇に消えていきました。











西鎌倉駅は近年バリアフリー化が行われた行われた駅で、無人駅ですがホームに待合室があったり改札や券売機があります。
周囲には鎌倉山などの高級住宅街があるためか、利用者は多いようです。

駅前にはコンビニエンスストアもあります。




 

駅を降りて、湘南江の島駅方面に歩くと、上空の立派な軌道を眺めることができます。

周辺はどこにでもある住宅街の光景なのですが、上空を貫く建造物だけが異質。


 

 

歩道橋の上から、もう少し近い位置で眺めることができます。
軌道の下を車両が通るため、軌道は結構高い位置に造られていることがわかります。

駅付近までは自動車道路の上空を走っています。








大船行きの列車がやってきました。
湘南モノレールでは平均7,8分に1本の列車が走っているようです。

車両が懸垂している姿は、見慣れていないと不思議な感覚です。

 

 



西鎌倉駅を出ると、鎌倉山トンネルを抜けて、低地にある湘南深沢駅まで一気に勾配を下ります。
駅間隔も非常に長いので列車も結構なスピードを出します。

トンネルを出ると進行方向左手の視界が開けて、街並みが見えてきます。
県道32号線沿いに広がる住宅地と、遠くには藤沢の市街。昼間には山並に富士山の姿も望むことができます。
この区間の車窓は湘南モノレールの車窓のハイライトでしょう。








湘南深沢駅も住宅地に程近く、利用者の多い駅です。
深沢付近では道路の上空の比較的低い位置を走行するためか、街灯や信号機が通常より低いつくりになっています。

街の風景に溶け込んだモノレールがおもしろいです。








湘南深沢駅から鎌倉山へと上っていく列車は、結構速度を出しています。

地上の渋滞を見下ろして、すいすいと進みます。

 

  

沿線の湘南ボウルの裏手には湘南モノレールの深沢車庫があります。
数本の車両が待機していました。

人気のない人工物は少しだけ不気味ですが、美しくもあります。


車庫の下は駐車場になっており、地上と上空、合わせて乗り物の仮眠場所のようになっているのが微笑ましいです。
それにしても、このモノレールはずっと重力に逆らっていると思うと不思議です。

 



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