バブル、バブルと、今では大変評判の悪い1980年代の日本のバブル経済ですが
現代貨幣理論のような貨幣理論を通してその時代を眺めてみると、大変興味深いことが見えてきます
実は基軸通貨へ向かう過程にあった80年代の日本”円”
80年代の世界経済を考えるときに、当時の経済学者達を悩ませたのが”日本円”の強さと低インフレの原因でした
80年代の後半は、ジャパン・マネーが世界中の不動産、美術品、会社などを買いまくり
世界中から日本円が恐れられた時代でもありました
日本の経済成長によって生み出される余剰利益よりもはるかに多いジャパン・マネーが、世界中の資産を買いまくっていたのです
勿論、日銀がそのような莫大なお金を発行してやらせていたわけではありません
当時の経済学者たちには、日本の’どこ’に、そんな資金があるのか?それが全く分からず
大変ミステリアスであったようです
当時も世界の基軸通貨はドルであったため、日本は円をドルへと、どんどん両替しながら投資を行っていました
なので、もし日本が円を過剰供給していることでインフレが進行していたとすれば、当然、円からドルへの両替は難しくなります
しかし、当時の日本円はドルに対して円高であり、円の供給量の増大にもかかわらず、その価値は一向に下がりませんでした
これが何を意味するかといいますと、私が思うにはこういうことです
世界の需要に対する日本の工業生産能力(供給能力)の高さが、貨幣供給量の増大を緩和し、円の価値の暴落を防いだ
インフレとは通貨の価値の下落です
現代貨幣理論によると、その国の工業製品やサービスの供給能力を超えて貨幣が発行(流通)されると、インフレが加速します
しかし、80年代の日本は、過剰な資金が海外資産を買い漁るほどの貨幣が供給されているのに、円の価値は下がりませんでした
つまり、当時の日本にはそれだけの工業生産能力が潜在的にある...もしくは
日本の工業生産能力を見ていた海外の国々が、日本円を欲しがり、円の需要が増えた...円を欲しがった
ということであろうと思います
このバブルの頃の日本経済を見ると、今の安倍政権の政策がいかに間違っているかが理解できます
増税は貨幣流通量を減少させます、そして、労働時間を短縮させる「働かない改革」をやっています
つまり。生産供給能力を減少させ、貨幣流通量を減少させる
その結果来るのは 日本の没落 これ以外にはありません
実のところ、この安倍政権と逆のことをやっているのがトランプ政権なのですが
そのことについては次回以降、述べてみたいと思います