昨日、実家の父の定期検査の付き添いのため、松山に帰郷していました。
諸々の用事を済ませ、午後五時からの高速道路のETC通勤割引に合わせて、実家を後に一路高知へ。
この割引の適用条件として、100キロ以内というのがあります。
松山IC~高知IC142.9キロ。途中、新宮ICで乗り降りすれば、100キロ以内に納まります。ということで、昨日も夕方6時過ぎだったでしょうか、予定通り新宮ICで一度高速を降りました。ここまではよかった・・・。
日も長くなり、6時過ぎでもまだまだ明るい。
これならあとは下道で高知まで走っても、7時半ぐらいかな、下道走れば高速代節約になるし、と思いついたのが間違いの始まりでした・・・。
新宮ICを降りたところの標識には、左に行けば高知と確かに書かれてあるのを確認し、迷わず左折。下道とはいえ県道だし、田舎の町並みを見ながらのんびり行こうかと思いながら走っていると、どうも様子がおかしいのです。
田舎の町並みどころが、家がみえないのです。道はだんだん狭くなり、狭くなり、狭くなり・・・。
車が離合できる道幅も十分なく、離合する車もない・・・。
まわりは植林された樹や自然の樹などミッシリと覆っているので、視界の開けた場所よりもはるかに早い日暮れが迫っています。
車幅灯だけでは間に合わず、ヘッドライトを付けたかと思えば、また日が差すところになったりと、先の見えないくねくね道が続きます。
カーブだらけなのにカーブミラーもなく、標識もない。
標識の青色がみえたかと思えば、まわりの木の枝によって覆われており、「それ、ど~なん!!」と一人大声でつっ込みましたが、内心は、どうしよ~、どうしよぉ~と不安がどんどん増幅していました。
もう、どれくらい走ったのか時間の感覚もなく、ただ、戻るにも戻れない感じにさいなまれ、一刻も早く、この道を進みきるしかないと思いました。もうその時には、引き返したくても、Uターンする道幅もなかったのですもの・・・。
ナビはあれど、くねくね道だからなのか、自宅までの距離が走ってもほとんど縮まらない。車を走らせながら、『もし、ここで車が壊れたり、脱輪したりしたら、私がここにいることなんて誰もわからないよね・・・。そしたら、遭難よね・・・。』てなことを考えならが、ただひたすらにくねくね道を走りました。
そして。
私の目の前に、真っ暗なトンネルが!!
不安指数MAX!!!
登りの車の視野からは、向こう側の見えない真っ黒な穴に突っ込んでいくようにしか見えない。
「えぇ~~~~~~~~~っ、嘘やろ~~~~~~~!」(半泣き)
でも、とにかくこの道の先に行かなければ帰れないという一心で、明かりもまったく無い隧道へ突っ込みました。
「何もでない、何もでない、何もでない、何もでない、何もでない・・・。」
遠くに小さく見える出口だけを見て、隧道を出るまで、ずっとまじないのように大声で言い続けました。隧道の中は所々に水溜りができており、絵に書いたような怖い場所でした。こんなん知ってたら、絶対に通りません。
恐怖の暗闇を抜けた先には、バッと視界が開け、広く伐採された山肌が見えてきました。その斜面の急なこと・・・。ガードレールもなく、落ちたらもうアウト。
でも、道が下りに差し掛かったので、まさしく峠を越えたと思いました。
そして、眼下に小さく、走るはずだった高速道路がみえました。
「ゲッ、こ、こんなに高いところまできてたんだ・・・。」
そう思ったところで後の祭り。
へんな思いつきなんかしたもんだからえらい目にあってしまった。
やっと二車線になり、民家が見えてきたときには、本当に安心しました。
これで助かったと。
そこから最寄のIC、大豊まででも10キロ以上。
途中、日本一の大杉と書かれた看板を目にして、ふと停車。
結構、その土地土地の大木に興味のある私には、恐怖と不安と引き換えに出会った偶然でした。
看板あれど、実際どの樹が大杉なのかよくわかりませんでしたが、傍を通った事実は私の中で刻まれたので、それでよしとし、先を急ぎました。
大豊ICにやっとの思いでたどり着き、程なく高知へ無事到着。
新宮ICから大豊ICなんて、あっという間だっただろうに、私は何をしていたんだろう。
こうして、文章で振り返ってみると、あれは悪い夢だったのではないかと思います。
あー、怖かった。
しかもトンネル‥。
そりゃあ不安指数MAXになりますよね!
二車線ってすごい安心できますよね!
行き当たりばったりの旅もおもしろいものですが、時間に余裕があるときにしないとダメですね(汗)。