福 風

心にとまった物や想いを集めて。穏やかな風が吹きますように。

ビフォア・サンセット

2010-09-22 | 映画


『ビフォア・サンライズ』を観終えた後、
この『ビフォア・サンセット』を観た。

セリーヌが空港へ向かう車の中で感情が高ぶり、
興奮して自分のことを話すシーンで、
観ている私も感情移入して号泣した。

女性らしい、人間らしいシーンだと思った。

前作よりもより短い、限られた時間の中で、
二人がどんなことを語り合うのか、とても興味深かった。
それに、設定もリアル。

ジェシーは家庭を持ち、妻は愛せなくとも、愛しい我が子がいる。
セリーヌはまだ結婚しておらず、子供もいない。

互いの人生の中で、再び出会うことがなければ、
もしかしたらあれは夢だったのかも、と思うような一夜の出来事に過ぎなかった。
それが、互いのその後を語り合うことで、9年前の出来事が夢ではなかった、
今があるからこそ、あの時のことがいつまでも美しいままで互いの心の中に死ぬまで存在し続ける。

皮肉な見方をすれば、
すぐ傍に、妻であり、恋人がいるのに、心の中にこのような想い出を持ち続けるのは、
不倫をするよりももっと罪深い気がしなくもない。
自分だったら、パートナーの心の中にこんなエピソードがあることを知ったら、嫉妬するかも。

そんなことを考えた。

うーん…。
何が正しいかなんて、よくわからなくなってきたこの頃。
どんな形であれ、
幸せを感じられるのがよい。
自分だけでなく、関わる人も。

自分が死ぬ時、隣に居てくれる人(いてくれれば幸せなことだと思う)、
誰のことを想うのだろうかとか、
この映画を観終えたあと、そんなことまで考えた。

たぶん、自分のその時の置かれている状況によって、
幾通りにも変化していく映画のように思う。







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