この時季、私たち夫婦は10年ぐらい前から荒川や利根川の
土手へ菜の花(食用)を摘みに出かけている。
今年も1週間ほど前からいつ頃にしようかと話し合っていたが、
昨日は前日の雨とは打って変って朝から天気も良く、少し風はあったが
菜の花摘みには絶好(?)と、勝手に考えて出かけることにしたのだ。
数年前に比べると妻も歩行に多少の問題はあるが、この「菜の花摘み」が
たいへん気に入っているし、晴れの好条件も加味し、気分転換も含め、
『思い立ったが吉日』とばかり簡単な準備をして家を出た。
私は2018年に仕事をやめる直近3年半は毎日川越市からスタートし、
東松山市や滑川町、深谷市、本庄市を経由して群馬県の高崎市、
前橋市、伊勢崎市、太田市などで荷物を降ろした後、深谷、熊谷方面から
行田市を経て帰る・・という毎日だったのでそれら各地の「菜の花情報」は
誰よりも詳しいと自負していた。
余談が過ぎたが、そんなわけで今日はどこへ?・・・と考えることもなく、
入間川の土手へ・・・と決断した。
その理由は・・・
妻は春先の楽しみはこの他愛もない『菜の花摘み』だと決めているので
何年もの間、毎年、一か所に限らず2、3ヵ所を訪れており、二人とも
一番の「お気に入り」は利根川沿いの土手であるが、妻の歩行のことを
優先し昨年の2回目と同じ比較的近い入間川の土手に・・・。
利根川の土手も他と同じように広く長く、どこでも採れるのだが私たちは
例年、行田市から利根川の昭和橋を渡り、左に向かう刀水橋までの間は
渡船場などの情緒ある景色も見られ、川も空も大きく広がって見えるので
そのあたりで摘み取ることが多い。
開閉橋(荒川)を川越に向かって走り「入間大橋」という交差点を入間川
に沿って川島町方面に向かい、すぐに砂利道を降りて雑木林の中をくぐり
土手へ・・・今年はまだ人が入った様子もなく採った形跡がなかったのは
まだ少し早かったからかもしれない。
この時季はまだ黄色く成長した花は少なく新芽(茎)も短く、一目で
その柔らかさがわかるような状態なので美味しそうなものを選び
鋏を持った手が忙しく動いてしまうのだ。
それでもかなり収穫(?)し、「入間大橋」の交差点へ戻り再び川越
方面に向かい、開閉橋を渡りきるとすぐ左折してまた入間川沿い(反対側)に
走る・・・その先の土手の一部に『秘密の場所』があり、そこには毎年
「ふきのとう」が所狭しと顔を出すのだ。
ちょっと早いかな?・・・の予測どおり一つも見つけることができなかった。
しかし、その長く続く土手は一面、食べごろと思われる菜の花が多く、
夢中になった妻はついついその土手で足の痛さも忘れ、再び無尽蔵な
菜の花の緑の中へ突入し、大奮闘・・・。
食べることよりこの菜の花狩りが楽しいとのこと。
家に戻り、菜の花の処理(?)に取り組み、マンションの人たちにも声を
かけると喜んでもらえ、更に友人知人へと菜の花運びに夫婦は大忙し。
菜の花が大好きな神戸の姉にも送ることができて妻は本当に『本当に行って
良かった、いい日だった』と大喜びでその後我が家での保存作業。
我が家では冷凍保存の場合、茹でてから冷凍するのではなく、綺麗に
洗った後、水を切って少し乾かし生のまま冷凍することになっているらしい。
そして食べる直前にさっと茹でると色も鮮やかな上、鮮度も保たれていて
柔らかさや甘みと共にシャキシャキ感も残るからという理由でそうしているという。
そんな菜の花は今日一日、友人、知人の笑顔を呼び、また我が家の
夕食にも複数のおかずに姿を変えて私たちを楽しませてもくれた。