イースといえば 日本ファルコムですが,X68000版は 電波新聞社が発売元です。
アーケードゲームの移植においては定評のある電波新聞社が パソコンゲームの移植に取り組んだという ちょっとだけ珍しい存在。当時,PC88版をベースに 各種パソコンや 家庭用ゲーム機へ 次々と移植された同作品ですが,「イース for X68000」は,X68000の持つ(当時としては)高い表現力を生かし,最高の表現,最高の演出 をコンセプトに開発されたものです。
確かに,購入当時は その美麗さに圧倒されつつプレイした記憶があります。
同梱のマニュアルに「従来のパソコンゲームに慣れ親しんできた方は,初め違和感を覚えることがあるかもしれません。」という記載がある事からも解るように,当時としては「異質なほど最高水準」のビジュアルだったのです。水面の揺らぎがきちんと表現されていたり,人物と 建物や樹木のサイズ対比が 極力リアルにしてあったり,徘徊するだけの NPC達が たまに「細かい芝居」をしていたりと,派手な部分から細かい部分まで かなり広い範囲に気を配って造られているのが凄いです。もっと言うなら,商店などに入った際に表示される「人物画」が,必ずといっていい程 どこかで見た事のある顔になっているのが 妙に面白いです。道具屋のオヤジが「オリビエ・グルイヤール」っぽかったのが 個人的に大好き(笑)。
ゲーム自体は,基本的に「YsI」のシナリオに沿って物語が進行します。
レベルがかなり上げやすくなっているうえ,枝葉的なサブイベントがいくつかカットされている事もあり 難易度は低めで 展開もオリジナルより速いです。クリア方法を知っている人なら エンディング到達まではかなり速いのではないかと思います。じっくり楽しむゲームというよりは,イースの世界観を X68000で表現した インタラクティブ・デモンストレーション といった感じ。十分すぎる程の知名度を誇るゲームだったので,あえてこのようなバランスになったのだと思いますが,難易度的にはちょっと不満が残るところです。
当時の 新品価格で 9,600円(!)ですからね。
もうちょっと遊ばせてくれてもよかったのではないかと。
ちなみに,X68000版としてリニューアルされた BGMの方も珠玉の出来。新曲も追加されています。
なにやら COMMAND.X からコマンドを打ち込む事でミュージックモードを使用できるらしいのですが,
何度試しても なぜか効果音しか読み込んでくれません(泣)。
EX) A:GSD YSMUSIC.DAT YSPCM.DAT ×2回実行
単独のサントラは発売されていなかったと思ったので ちょっと残念ではありますね。
カンちゃん。わしゃかなわんよ。(≧∇≦)
スカンタコメラホゲチョメラ((C) 魔王)
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