今回はサポート依頼による石狩のカシワ林でのキタホウネンエビ探索。
今年は発生しているだろうか・・・
発生はその年の融雪プールの形成状況、生育状況は気温水温などに大きく左右されるので、現地に行って玉砕することもしばしばある。
しかし、依頼を受けたからには、わが探索神の加護を最大限に発揮し、成功に導かなくてはならないのだ(ちなみに一昨年失敗している)
天気は曇り、気温は肌寒い。
融雪プールはいい具合に形成されていた。
今まで確認してきたポイントでは発生していなかったが、なぜか今まで確認できなかったプールで確認できた。
しかも、ひと網くぐらせるだけで多数入るほど大発生している。
成体にはもう一息といったサイズ。
水中撮影にも挑戦したが、まともに撮影できたのはこれだけ。
曇りだし、水中は赤褐色に濁っているので、ピントを合わせるのが難しい。
何度撮影を試みても、底の落ち葉などの背景にピントが合ってしまう。
紆余曲折あったので、今回ほんと発生していて良かった。
今回は石狩低地帯以東~石狩川南側の地域を調査してみた。
<夕張市産>
石狩低地帯に近い山地であるが、西側の札幌方面の山地とは30~40kmほど離れている。
ここで見つかったのは長翅種の1種のみ。
背面 左:♂ 右:♀
体長は雄7mm、♀9mm
写真では雄の翅がしわになっているが、本来は真っすぐ伸びている。
腹面 左:♂ 右:♀
雄の腹部側面
肛上板(矢印部)の形状は、旭川と深川で確認した個体と同じであることから、それらと同種と思われる。
<芦別市産>
背面 左:♂ 右:♀
体長は雄4mm、♀5mm
雄は極短翅型だが、雌は長翅型。フユシャク類と翅型が逆なのが面白い。
雌に飛翔能力があるなら、隔離せず分布域を拡散しやすい。
腹面 左:♂ 右:♀
写真では分かりづらいが、中胸腹板刺状板に腕状節片を確認できた。
雄の腹部側面
肛上板は太く膨らんだ形で、その前部にある突起も特徴的。
以前、札幌で調査した際に確認した極短翅種と形状が同じことから、同種と思われる。
その時は雌が長翅型であることは分からなかったので、これは大きな成果となった。
前回の旭川調査
2014年札幌調査
ちなみに研究が進んでいない分野なので、これらが記載種なのか不明。
今回の調査でも無翅種の確認はできなかった。
石狩低地帯が無翅種にとって、それほどの障害なのか個人的には疑問だが・・・
ただ広範囲で詳しく調べたわけではないので、分布していないとは言い切れない。
エゾタヌキ
生きている個体を初めて撮影できた。
夜間にはよく見かけるが、昼間見かけてもカメラの準備をしているうちに逃げられていた。
あとはロードキル・・・
芦別市にて。
いい具合に形成された融雪プールを見つけたが、エゾアカ・エゾサンの卵はなし。
今年は積雪量が多いが、ぽかぽか陽気が続き融雪が進んでいるので、産卵が読めない。
昨年の旭川は4月15日にエゾサン卵初確認だった。
札幌在住時に毎年観察していたポイントは、例年なら産卵しているが今年はどうだろうか。
芦別市にて。
クロズアカチビゴモクムシ Acupalpus hilaris
体長4mmくらいの小さなゴミムシで、湿地の水路脇で複数見つけた。
珍なのかは分からない。
野外で見たときは、上翅にやや青色光沢があった気がしたが、室内で撮影すると青色光沢など微塵もなかった。
虹色光沢があるならムネアカマメゴモクムシと考えられるが、この個体の体長は明らかに小さい。
では、あの時感じた青色光沢はなんだったのだろうか?疲れていたのか?そうしておこう。