昨年に採卵したエゾコバネササキリの卵で、春に続々孵化した卵の残りが、何故かここにきて孵化ラッシュ。
もう孵化しないだろうと思っていたが、状態は良かったので、ちょくちょく霧吹きはしていた。
室内とはいえ、この時期に孵化した事と、春の孵化と今回の孵化に数か月の間隔がある事から、野外の環境または何らかの条件によっては2年目でも孵化するのではないだろうか。
しかも、あれだけ雌ばかり孵化していたのに、今回孵化した個体はほとんど雄というのも驚き。
これも何らかの条件で性別が決定するのかもしれない。
そんな孵化した雄だが・・・
この子は終齢幼虫
触覚は欠け、後肢も1本失っている。
この子は成虫だが、チャームポイントの短い翅が見事にカールしてチャーム度更にUP!
脱皮不全ばかりで完品なし。
仕方がないから標本にせず、最後まで面倒をみることにしましょうね。
・・・ん?これってこの子らの生き延びる戦略か?
まだ少し卵残っているけど・・・
2年前からエゾコバネササキリの雄を撮影したくて産地へ毎年採集しに行っているが、時期が遅いのか雌しか得られていない。
その度に採卵して雄を得ようと試みたが、孵化する個体はほぼ雌ばかり。わずかながら雄も孵化したが成虫まで飼育できなかった。
そこで今回、飼育方法を変えてみた。
「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑 日本直翅類学会編 北海道大学出版会」に記載されていた飼育方法を参考にペットボトルで飼育容器を作成。
餌は、キュウリ・リンゴ・カツオブシ(ネコ用)
縦長ということが、脱皮などササキリの特性に有利ではないだろうか。
久々に孵化した虎の子の雄!
なぜ雄が孵化する割合が低いのだろうか?自然下でもそうなんだろうかね?
やはりこの飼育容器は飼育に適していたらしく、雌も含め問題なく成長している。
そしてついに念願の成虫まで成長させることができた。お父さんは嬉しいよ。
体色は褐色型だね。こうなると緑色型も見てみたくなる。
残りまだ孵化していない卵があるので、期待してみよう。
図鑑にある個体と比較すると若干翅が長いみたい。まだ鳴いた声を聴いていない。
あとは、やらせ写真を撮影するのみ。
これで産地まで遠征する必要がなくなったので、これからの探索にちょっと余裕ができた。
6月上旬に採集したスミイロオオアラメハムシの幼虫を羽化させ、成虫となっても飼育は継続中。
いろいろと観察しているところ。今回はその経過報告。
飼育環境は、生息環境になるべく近い形にしており、床材には軽く湿らせた水苔を使用。
食草であるオオヤマフスマは採取困難な植物ではないので、探索に行った際にコンスタントに確保し続けている。
飼育していて分かった事
・後翅は退化していないが、飛翔することはできないっぽい。(北海産のセンチコガネみたいなものか?)
・食事以外で食草に留まることはほとんどない。
・夏の暑い時期は夏眠するっぽい。
・飼育が容易♪
夏眠中(と思われる)の個体
夏になるとほとんど活動しなくなり、水苔の中でじっとしている。
産地では夏場に確認できないことから、おそらく夏眠しているのであろう。
そして涼しくなる頃に再び活動し始め、産卵に至るといったところか。(これではなかなか見つからない訳だ)
ハムシには夏眠する種もいるので、このような習性は珍しいといったわけではない。
珍しいのはハムシを飼育している自分だ。
先日孵化したエゾコバネササキリの幼虫
かわいいね。もちろん男の子だよね?
ん?まてまて、なんか腹部末端付近に嫌なもの見えるような・・・
いや冷静になれ、まだわからんぞ。目の錯覚か?疲れているのかな?
数日後・・・女の子と証明されました。
モテる男はつらいのです。