前回の記事の続き
天気が悪いので前回の記事にある湿地探索の後、早々に根室の道の駅へ移動して車中泊。
夜中はおそらく20℃以下で、寝袋に入っていても寒かった。しかも雨も降り始めるという最悪の状況。
朝になると雨は止む予報であったが、ちっとも止む気配なし。
根室半島でノサップマルハナバチを見ようと計画していたのに・・・
多少の悪天候でも活動するマルハナバチでもこの天気では無理なので、もう一つの産地の野付半島へ移動することにした。
野付半島のある方角(北側)は雲が薄く明るいので、そちらの方が期待できる。
野付半島
曇天!気温は根室より高く、雨は降っていなかったが、かなり風が強い。
う~ん、ハチ飛べないかも・・・
ナラワラ
気を取り直して、ちょっと観光。
20年くらい前に訪れたことがあるが、ほとんど記憶にないため、懐かしい気持ちもなく、新鮮な気分で観光する。
でもその奥のトドワラまでは行かなかった。なぜなら観光客が多いから。
さて・・・
テトラポットが積み重ねられた場所なら海からの風が防がれるので、その脇に生えている花の群生なら期待できるかもしれない。
ちなみにこの時期、花は少ないので場所は限られる。
エゾオグルマ群生
思った通り、マルハナバチ類がたくさん飛んでいる。
少しずつ青空も見えてきた。
エゾオオマルハナバチの雄バチ Bombus hypocrita sapporoensis
個体数は多い。エゾ(アイヌ)ヒメマルハナバチの女王と似ているが、腹部と触覚の節数を確認して判断した。
(雄バチは腹部が7節、触覚が13節で、女王と働きバチは腹部が6節、触覚が12節)
セイヨウオオマルハナバチも多かったが、本命のノサップマルハナバチは見つからなかったので、次の群生へ移動。
コウゾリナ?(キク科)群生
タンポポっぽい花で外来種臭がするけど・・・なんでもいいか、本命が訪花してれば。
セイヨウオオマルハナバチ Bombus terrestris
悪名高き外来種というか特定外来生物。各地で駆除対象となっているが、それを嘲笑うように爆発的に増殖中。
今では高山帯を除く、北海道全域で普通に見かけることができる。
この群生では個体数がやたら多く、我が物顔で飛び回っている。
腹部先端が白いのが特徴で、飛んでいても目立つため区別は容易。
シュレンクマルハナバチ Bombus schrencki albidopleuralis
たくさんのセイヨウオオマルハナバチの中にたまに紛れている。
似た色彩でエゾトラマルハナバチ Bombus diversus tersatusがここに生息しているが、飛び回っている個体で区別するのは困難。
それほど離れていない場所なのに群生によって訪花するマルハナバチ類の割合に違いがあるのは面白い。
で、本命のノサップマルハナバチはというと・・・
ノサップマルハナバチ Bombus florilegus
セイヨウオオマルハナバチを蹴散らしながら探し続けて、やっと登場。
北海道東部の限られた地域に分布し、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)、北海道RDBで希少種に指定されている。しかも日本固有種らしい。
個体数はかなり少ないようで、しばらく探し回ったが結局2個体しか確認できなかった。セイヨウオオマルハナバチの侵入が影響しているのか?
でもこの天気でも見れてよかった。
その3に続く