2013.03.31(日)
⑥ 伝香寺の散り椿
椿巡りも最後の鑑賞地、奈良市内の伝香寺へとバスで移動です
ここ伝香寺の椿も奈良三名椿の一つ、「散り椿」、別名「武士(もののふ)椿」として知られています
とっくに拝観時間も過ぎていたのにご住職さん自ら出迎えてくださり
お手製の「参拝の栞」を配布してお寺の説明を熱心にしてくださいました
熱が入る訳が説明をお聞きしているうちにハッキリしてきました
この伝香寺は、あの筒井順慶法印の菩提寺だったのです
良く、日和見順慶、洞ヶ峠を決め込む、などとあまり有難くない例えに登場しますよね
どうやら、古文書によれば洞ヶ峠に着陣したのは明智光秀だったようです
その頃、筒井順慶は明智光秀の襲撃に備えるべく大和郡山城へ塩米を搬入して立て籠もっていたようです
洞ヶ峠の逸話は後々の講談で軍書講釈を浪人が生業として演じるようになってからであろうとの説明
何しろ、菩提寺ですから力が入ります
順慶法印の母、芳秀尼が若くして没した息子の菩提を弔うために
香花の絶やさざる寺院の建立に奔走し堂前に供えた椿が存続しているのだそうです(三代目)
この椿は色まだ盛んなとき、桜の花びらの如く散り、その潔さが若くして没した順慶法印になぞらえ
「武士(もののふ)椿」の名を得たといわれます
「参拝の栞」より簡略
散ったあとのガク・・・・一枚ずつハラハラと回転するように潔く散るそうです
蕾がまだ開かない時に雨に打たれると花びらは糊状になり開花することなく腐敗して落ちるとか
散り椿
順慶法印を祀る順慶堂 (まだ真新しい)
通称「はだか地蔵尊」様・・・・ちゃんと御召し物はまとっておられましたが一年に一回はお着替えになるようです
(重文に指定されている)・・・・・・・・・お写真はお堂だけです
今一度本堂前の散り椿三代目
筒井家の五輪塔の前には椿の花のお供え
境内には椿の大木が茂っています
夕暮れ迫る奈良の町で武士(もののふ)の世を偲ぶ散り椿に妙にしんみりとして
本日の
「つらつら椿と奈良の椿名所めぐり」
終了です
ちなみ、あと一か所の三名椿は大仏様のおわします
東大寺の開山堂のお庭にある
「糊こぼし」
残念ながら拝観は出来ませんが、ご好意で器に散った椿を盛って見せてくださってます
こちらはネットの画像をお借りしてきました
紅色に白い絞りを入れた大輪