日本語文法で辞を言うのは、助辞として文また文章で機能語となる接辞である。そのうち、日本語助辞のwaとgaとの用法の違いを見る。それは国語の助詞で係助詞と格助詞に分類されて違いが鮮明であった。係助詞は現代語文法で副助詞に分類されて、係り受けの機能であるよりも、意味を添える説明解釈が主となった。助辞waには助辞gaと異なるレベルで機能することがあるので、文章、文における複文にその表れが顕著になる。助辞gaを主格の機能で見ると、文の主語を表す文のレベルでみることになる。その機能は主として述語に動詞を持つ文で、その用法をまずとらえておかなければならないが、なかでも、存在を表明する日本語の主語に現れる格、gaの特徴を知っておくことが重要である。生物又無生物の意味内容として、文型、名詞ga aru/iru という構文は、単純明快にものの存在を言い出す表現法である。
日本語助辞「は」の用法記述
A Descriptive Analysis of Japanese Particle“Wa”
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日本語とリカージョン
日本語は漢語を取り入れた言語である。そのころに和語また大和語があったと、そのように
推定すると、漢文訓読によって和語に漢文法をいれた、という仮説を立てることができる。そ
の仮説では、その後の日本語には英語を受け入れ、英文法を範とした、とすることができる。
漢文を約 1600 年、そして欧州の諸言語を数百年前から順次、外来語としていれることにな
り、さらに英文を約 160 年、それぞれから学び受け入れてきたことをもって、日本語は漢語を
学び、英語を学び続ける言語である、との考えをめぐらせることになった。
この仮説は、次の言語目標を何語にするかをもって、日本語が取り込む言語により、証明す
ることになる。言語にある固有語という捉え方のもと、日本語に在来である和語に対して借用
の漢語はどうか、外来語の言語はどうかと、その語彙の現象には層を重ねてきている。
文法では、本来の日本語文法に漢語文法を、そして英語文法をモデルに描くことになる。そ
の漢語文法を範として助辞を明らかにしてきたのであるが、日本語助辞「は」については、テ
ニヲハのこととして、接辞による語構成をする特有の言語現象であったとみることができる。
そして、文章にとらえる日本語助辞「は」について、その用法の中で「―は―が」構文をみ
ると、文と文章に主語と主題をもつことがわかる。言語主体による書き手の文章中の表現をも
ってすれば、そこにはまた人々が共有する、知ること、伝えることになる経験知識などがある。
それを取りだしてきて、表現の一つに上げているのが「―は―が」構文である。助辞「は」
による引句、引詞の職能によって、その文章における主題と、文における主語とを複合文にし
て、表現内容を説明し、記述していることがわかる。
ここで言語現象の捉え方に、リカージョン 14 )の視点を持つことになる。それによって日本語
は言語の階層を形成することになるが、もとより、日本語の現象に階層における再帰の語法が
形成されてきたか、それが固有語としてあったのであるか、それを考えることになる。
その役割を担ってきたのは、ひとつには文章における日本語助辞「は」の機能であり、係結
びの現象で「は」が分析されて、それを、取り立て機能として再帰する用法と見ることが可能
である。かつて、ピダハンの言語特徴を知り、日本語と再帰用法についてのことを、話題に取
り上げた 15)ことがあった。
言語現象に見る、Recursion16 は、チョムスキーによって注目される言語現象 17 )であるが、そ
れに対して反論をしたダニエル・L・エヴェレット 18 によれば、言語の反復性を構造的に示さ
ない言語があるという報告がある。アマゾン流域の民族、ピダハンの言葉である。
反復性つまり再帰は、チョムスキーのリカージョンに、人間言語に固有の要素という説を、
ピダハンの言葉が証明するかどうかで議論があった。ピダハン語 19 )の構造には関係節を欠いて
いるという実験調査も行われた。その様子を取り上げた放送番組、「ピダハン 謎の言語を操る
アマゾンの民」20)を視聴し、著作による報告と合わせ、日本語の再帰に興味を持った。