らいねん の 事(こと)を言(い)えば鬼(おに)が笑(わら)う
来年のことは予知できない。将来のことは予測しがたいことをたとえていう。
*俳諧・世話尽〔1656〕曳言之話「来年(ライネン)をいへは鬼(オニ)が笑(ワラ)ふ」
*浮世草子・寛濶役者片気〔1711か〕上「人の命は明日をもしらず、来年(ライネン)の事をいへば、鬼(オニ)が笑(ワラ)ふとやら」
みっか 先(さき)の事(こと)を言(い)えば鬼(おに)が笑(わら)う
未来の事は、前もって知ることができないというたとえ。来年のことを言えば鬼が笑う。
*浮世草子・寛濶大尽気質〔1718〕二・三「三日前(サキ)の事いへば鬼が笑ふといふ諺のごとく、何事もかはりゆく不定世界に入ぬ案じ置き」
さんねん 先(さき)の事(こと)を言(い)えば鬼(おに)が笑(わら)う
将来のことは予測できないことをいう。あすの事を言えば鬼が笑う。来年のことを言えば鬼が笑う。
*浮世草子・風流曲三味線〔1706〕四・一「三年先(さんネンサキ)の事(コト)をいへば鬼(オニ)が笑(ワラ)ふといへり。見透しといへる道鑑が何を考へて申すぞ」
*俚言集覧〔1797頃〕「三年後の事をいへば鬼が笑ふ 来年の事をいへば鬼が笑ふともいふ」
おに が 笑(わら)う
実現性のないこと、見通しのはっきりしないことなどを言ったときに、からかう言葉。「来年のことを言うと鬼が笑う」
*落語・五目講釈〔1898〕〈三代目春風亭小柳枝〉「来年の事を云ったら宜(よ)かろうと仰(おっし)ゃいます御方もございますが…鬼が笑ひませうが」
あす の 事(こと)を=言(い)えば[=思(おも)えば]鬼(おに)が笑(わら)う
世の中の事は予見できないことをいう。来年の事を言うと鬼が笑う。
*浮世草子・風流曲三味線〔1706〕三・一「明日(アス)の事(コト)を思(オモ)へば鬼(オニ)が笑(ワラ)ふとやら申て、今日切に使ひ果たし」
*浄瑠璃・曾我扇八景〔1711頃〕上「祐経うって後の談合、あすのこといへば鬼がわらふ。それも今から請あはれぬ」
鬼が笑・う の意味
出典:デジタル大辞泉
実現性の薄いことや予想のつかないことを、からかっていう言葉。「来年のことを言うと―・う」
【例文】
来年のことを言うと鬼が笑う
((諺)) Don't count your chickens before they're hatched.
http://kotowaza-allguide.com/ra/rainennokotooni.html
故事ことわざ辞典
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来年の事を言えば鬼が笑うの解説
【注釈】将来のことなど前もって知ることはできないのだから、あれこれ言っても仕方がない。予測できるはずのない未来のことを言うと、鬼でさえおかしくてせせら笑うという意味から。
先々のことをのん気に話す人を、からかうようなときに使う。
「笑う」は、「あざ笑う」「せせら笑う」など、馬鹿にする意味。
「来年の事を言うと鬼が笑う」「来年を言えば鬼が笑う」とも。
『上方(京都)いろはかるた』の一つ。
【出典】
【注意】
【類義】明日の事を言えば鬼が笑う/明日の事を言えば天井で鼠が笑う/三年先の事を言えば鬼が笑う/来年の事を言えば烏が笑う
【対義】昔の事を言えば鬼が笑う
【英語】Fools set far trysts.(愚か者は遠い先の会合の約束をする)
明日の事を言えば天井で鼠が笑う/
三年先の事を言えば鬼が笑う/
来年の事を言えば鬼が笑う/
来年の事を言えば烏が笑う