木瓜の呟き072403
はっきり言おう。新聞の見出しがおもしろい。
実は面白くないのだが、新聞社、編集局はやはり、悲しいニュースが得意なんだ。
ひごろ読み続ける、購読紙の論調と出来事の取り上げ方、それは見出しに現れるわけだから、その読者迎合表現の、その問題に明暗としての、新聞を開き記事を見るにつけ閉口していた。もうちょっと前向きとか、解決策の所在とか、これは政治社会国際にわたって、論説の筆がとくに方向性を示さないのでやりきれなかった。
今日の社説に見えることを例えるなら、週のはじめに考える 危機に乗るな 風に乗れ というタイトルの文章は、その内容とともに、驚くべき意見で、何を言いたいのかと、あおり運転のような議論だなあと思う。
中日新聞より
レジェンド挑戦に幕 内村予選敗退 後輩見て確信「もう彼らが主役」
三宅引退表明 5大会連続出場 「体力の限界」
家族でのメダル届かず テコンドー 山田3位決定戦敗れる
自粛の沿道 観客「密」自転車ロードレース
第2の聖火台点火 「見物は控えて」 以上は社会面
スポーツ面は同じく、
内村、衝撃の落下 種目別鉄棒敗退「原因分からない」
内村航平、決勝進出ならず 鉄棒で落下、進退は明言避ける
池江万感「待っててくれた」 女子400メートルリレーは敗退
瀬戸、まさかの予選敗退 終盤流し「読み違えた」
なでしこ、英に0−1 強敵の圧力、左サイド崩され
「世間には拙を守ると云う人がある。この人が来世に生まれ変ると屹度(きっと)木瓜になる」
「余も木瓜になりたい」
- 夏目 漱石『草枕』
梅や桜は身が小さいbのですが、木瓜の実は小さい林檎ほど大きくて、和紙でくるんで箪笥にいれて虫除けにするそうです。マルメロと禁煙で、本来のママレードはオレンジではなくマルメロで作られたそうです(川島四郎先生が、平凡社の「国民百科事典」に書いていらっしゃいました)。
「智に働いたら角が立ったし、情に棹指したら窮屈だった。意地を通せば窮屈だ。あーぁ、世の中って棲みにくいなぁ」というボヤキは、「へそまがり」で頑固だった「漱石」先生の心情だったのでしょう。
「面白き ことも無き世を面白く 棲みなすものが この世なりけり」という厭世観はあったかもしれません。
「降る雪や 明治は遠くなりにけり」とも申しますm(_ _)m。