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ことあげ

2013-08-09 | 日本語百科
言揚げの解釈は学習参考辞典にまでも、上代、不必要な言挙げは不吉なものとしてタブーとされ、あえてそのタブーを犯すのは重大な時に限られた、として、ことあげそのものをタブーとしている。これは教育に説明されることになって、ことさらに言葉に出すことを意味すると言うような解釈ののはよいとして、言霊思想と結びついての解釈は言霊信仰によせてのもので、言揚げは本来そう意味であったか、考え直さなくてはならない。





日本国語大辞典

こと‐あげ 【言揚・言挙】 〔名〕
ことばに出して相手にいうこと。ことばに出して論ずること。
*古事記〔712〕中「爾に言挙(ことあげ)して詔りたまひしく」
*書紀〔720〕神代上(水戸本訓)「乃ち興言(コトアゲ)して曰く」
*万葉〔8C後〕一三・三二五三「葦原の 水穂の国は 神ながら 事挙げせぬ国 しかれども 辞挙(ことあげ)ぞ吾がする こと幸(さき)く 真幸く坐せと〈人麻呂歌集〉」
【補注】
上代に見られる言霊に対する信仰のあらわれ。「言(こと)」として表現されると「事(こと)」として実現するという考えから、むやみに言葉として発してはかえって効力を失うとされ、よほど重大なことでない限り慎むことが要求された。

ことあげ せぬ国(くに)
あれこれとことばで言い争わない平穏な国。日本の美称。
*万葉〔8C後〕一三・三二五〇「あきづ島 大和の国は 神柄と 言挙不為国(ことあげせぬくに) しかれども 吾はことあげす〈作者未詳〉」


学研全訳古語辞典
学研教育出版
こと-あげ 【言挙げ】
名詞※「す」が付いて他動詞(サ行変格活用)になる
言葉に出して特に言い立てること。
出典万葉集 三二五三
「葦原(あしはら)の瑞穂(みづほ)の国は神(かむ)ながらことあげせぬ国」
[訳] 葦原にある瑞穂の国(=日本)は、神のお心のままに、(人は自分の考えを)言葉に出して言い立てない国。◆上代語。




参考
上代、不必要な「言挙げ」は不吉なものとしてタブーとされ、あえてそのタブーを犯すのは重大な時に限られた。用例の歌は、そのあたりの事情を詠んでいる。


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