現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、京友禅の図案デジタル化 とある。副題に、
明治~昭和期の紙製原画を収集、後世に とある。日本経済新聞の文化面、20141008付けである。執筆者は、 木立雅朗氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。
冒頭の文は、次である。
> 京都の伝統的な着物の染色技法として知られる京友禅。
末尾の文は、つぎである。
>これまで埋もれていた図案が活用され、友禅の世界が活気づくきっかけになればと願っている。
書き出しの文段は、次のようである。
> 京都の伝統的な着物の染色技法として知られる京友禅。上品で鮮やかな色やデザインが特徴的な日本を代表する伝統工芸だ。私はそのデザインのもとになった明治期から昭和期までの紙に描かれた図案を収集し、デジタルデータ化する作業に取り組んでいる。私は考古学の研究者で友禅は専門外なのだが、いつの間にかその世界に身を投じることになった。
末尾の文段は、次のようである。
>京友禅を支える職人の数は徐々に減っており、国内屈指の伝統工芸といえども先行きは楽観できないのが現状だ。これまで埋もれていた図案が活用され、友禅の世界が活気づくきっかけになればと願っている。
段落は、見出しのもと、次のようである。
> 大学のプロジェクトに
きっかけは2003年、考古学関係の資料収集のために、京都の書店、ふたば書房に立ち寄ったことだ。そこで鮮やかな図柄が描かれた紙の束を見つけた。美しさに魅力を感じ、その場で数枚をまとめて購入した。
> 作家名などの情報も
友禅の図案は寄贈なども含めて約2万点が集まった。明治、大正、昭和初期のものが多く、花や動物などが描かれた伝統的な図柄からモダンなものまで様々。中には西洋の裸婦が書かれたものや花札のデザインが施されたもの、学生野球で使われる大学名のロゴが入ったものなど、ユニークな図案もある。
> ネット上で無料公開へ
データベースは今年度中にある程度の数をまとめてネット上で無料公開する予定。その一部である400枚程度の図案を、今月13日に立命館大学朱雀キャンパス(京都市)で開かれる伝統工芸シンポジウム「つたえる力」で先行公開する。
春秋
20141008
空港での自動小銃乱射、ハイジャック、大使館占拠……。1970年代を中心に世界中でまがまがしい事件を続発させたテロ組織といえば日本赤軍である。国内で活動していた赤軍派メンバーらがひそかに出国、パレスチナゲリラと手を結び国際社会を震え上がらせた。
海外の戦場に「革命の根拠地」を――というのが彼らの理屈で、ようするに押しかけ部隊である。使命感に酔ってか、辛亥革命を支援した宮崎滔天を気取るメンバーもいたらしい。無法はやがて行きづまり、あの時代はすっかり遠ざかったのだが、目下の「イスラム国」をめぐる出来事は新たな脅威を見せつけてやまない。
「勤務地シリア 詳細は店番まで」。東京都内の古書店に張り出されていた、まるでアルバイト募集のような軽いノリのチラシが「イスラム国」への入り口だったという。こんな誘いに乗せられて戦闘員への参加を企てていた北海道大学の学生を警視庁が突きとめ、関係先の捜索などに乗り出した。出国寸前の摘発である。
日本赤軍などと違い、休学中のこの青年にさしたる思想性はなかったようだ。しかし「イスラム国」はいま世界中で、そういう「退屈な若者たち」をこそ狙っているに違いない。警視庁は今回の事件に刑法の私戦予備・陰謀罪を初めて適用した。耳にしたことのない物々しい罪名の登場に、往時とはまた異質の危機を知る。
明治~昭和期の紙製原画を収集、後世に とある。日本経済新聞の文化面、20141008付けである。執筆者は、 木立雅朗氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。
冒頭の文は、次である。
> 京都の伝統的な着物の染色技法として知られる京友禅。
末尾の文は、つぎである。
>これまで埋もれていた図案が活用され、友禅の世界が活気づくきっかけになればと願っている。
書き出しの文段は、次のようである。
> 京都の伝統的な着物の染色技法として知られる京友禅。上品で鮮やかな色やデザインが特徴的な日本を代表する伝統工芸だ。私はそのデザインのもとになった明治期から昭和期までの紙に描かれた図案を収集し、デジタルデータ化する作業に取り組んでいる。私は考古学の研究者で友禅は専門外なのだが、いつの間にかその世界に身を投じることになった。
末尾の文段は、次のようである。
>京友禅を支える職人の数は徐々に減っており、国内屈指の伝統工芸といえども先行きは楽観できないのが現状だ。これまで埋もれていた図案が活用され、友禅の世界が活気づくきっかけになればと願っている。
段落は、見出しのもと、次のようである。
> 大学のプロジェクトに
きっかけは2003年、考古学関係の資料収集のために、京都の書店、ふたば書房に立ち寄ったことだ。そこで鮮やかな図柄が描かれた紙の束を見つけた。美しさに魅力を感じ、その場で数枚をまとめて購入した。
> 作家名などの情報も
友禅の図案は寄贈なども含めて約2万点が集まった。明治、大正、昭和初期のものが多く、花や動物などが描かれた伝統的な図柄からモダンなものまで様々。中には西洋の裸婦が書かれたものや花札のデザインが施されたもの、学生野球で使われる大学名のロゴが入ったものなど、ユニークな図案もある。
> ネット上で無料公開へ
データベースは今年度中にある程度の数をまとめてネット上で無料公開する予定。その一部である400枚程度の図案を、今月13日に立命館大学朱雀キャンパス(京都市)で開かれる伝統工芸シンポジウム「つたえる力」で先行公開する。
春秋
20141008
空港での自動小銃乱射、ハイジャック、大使館占拠……。1970年代を中心に世界中でまがまがしい事件を続発させたテロ組織といえば日本赤軍である。国内で活動していた赤軍派メンバーらがひそかに出国、パレスチナゲリラと手を結び国際社会を震え上がらせた。
海外の戦場に「革命の根拠地」を――というのが彼らの理屈で、ようするに押しかけ部隊である。使命感に酔ってか、辛亥革命を支援した宮崎滔天を気取るメンバーもいたらしい。無法はやがて行きづまり、あの時代はすっかり遠ざかったのだが、目下の「イスラム国」をめぐる出来事は新たな脅威を見せつけてやまない。
「勤務地シリア 詳細は店番まで」。東京都内の古書店に張り出されていた、まるでアルバイト募集のような軽いノリのチラシが「イスラム国」への入り口だったという。こんな誘いに乗せられて戦闘員への参加を企てていた北海道大学の学生を警視庁が突きとめ、関係先の捜索などに乗り出した。出国寸前の摘発である。
日本赤軍などと違い、休学中のこの青年にさしたる思想性はなかったようだ。しかし「イスラム国」はいま世界中で、そういう「退屈な若者たち」をこそ狙っているに違いない。警視庁は今回の事件に刑法の私戦予備・陰謀罪を初めて適用した。耳にしたことのない物々しい罪名の登場に、往時とはまた異質の危機を知る。