
日本語文法の中で考え直してはいかがと思われる議論について取り上げてみよう。国語文法では説明がないか、あっても古典語からの説明として受け止められる。
まず、1語文でつまずいている日本語である。
山田文法学説からの、いわば根本問題である。一つの単語から成る文と解説すると、語の用法とみることができるものである。
検索には、Google の強調スニペットより、
>おおむね1歳3か月から2歳未満の発達過程で見られる、一つの単語から成る文のこと。 「わんわん」「まんま」のような、一つの単語として意味が通じる言葉を指す。 こどもの言葉は一般的に「喃語」→「一語文」→「二語文」と段階的に発達していく。
一語文 | Hoicil ホイシル
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と見える。
保育用語である。それには子供の言葉とすると、文法現象の対象にするか、言語の発達段階にあると見る見るのが妥当である。
文法論で対象とするのは感嘆符号がついて例文とするものである。
辞書義にも、
>一つの単語からなりたつ文。「火事!」「見事!」や、幼児の言う「うまうま」など。
デジタル大辞泉 「一語文」の意味・読み・例文・類語
と見えるから、幼児語に対する用法はとにかく、挙がる例になるのは山田学説からの言いである。
同様に、
>いちご‐ぶん【一語文】
〘名〙 一単語から成り立っている文。「すてき!」「どろぼう!」など。
精選版 日本国語大辞典 「一語文」の意味・読み・例文・類語
この例文はよく注意すると日本文法の議論では対象とする区切り符号がつく、その感嘆符がついて、感嘆文としての用法であろう。ほかに日本語に感嘆文をどのように規定するか。
>日本語の場合,ハイ,イイエ,マアなどの感動詞,呼びかけや提示として用いられた名詞,コイなどの命令形の動詞などが典型的な例になる。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一語文」の意味・わかりやすい解説
一語文 いちごぶん one-word sentence; holophrase
感動詞、呼びかけ、命令形として動詞の用法と、日本語の用例として解説する。
そして文法書での扱いはただに感動文とか、重要ではない文型などと言ってすませてしまっていることが多い。
>〘名〙 感動の気持を表現した文章。特に、文法学では、主語・述語の形式をとらないで、心中の感動をそのまま投げ出した形式の文。〔草野氏日本文法(1901)〕
精選版 日本国語大辞典 「感動文」の意味・読み・例文・類語
感動文について、ここに主語述語の形式をとらないでも、日本語での文と規定する議論が行われてきたが、なぜそうなのか。
>感動した気持ちを表す文。多くは、感動詞や感動の助詞を用いる。西欧語では文末に感嘆符「!」を付ける。感嘆文。
デジタル大辞泉 「感動文」の意味・読み・例文・類語
西欧語の用法を日本語には留意することがない。にもかかわらず、諸家が挙げる日本語例には符号がつく。この符号についての文法での扱いを疑問符と同様に国語では記述説明することがなかったが、現代語では区切り符号として扱う意見もあったきりである。
感嘆符号によらずとも間投助詞か終助詞がその機能を持つからである、と、その説明を推測できる。。
しかし、火事ヨ、火事ネ、となっては、火事だ!の意味はとらえにくい。
