音韻 形式 語
形音義による漢字の説明は中国から伝来した音義書によるものである。仮名文字を工夫して、文字に形音だけを表したから、その文字の組み合わせは漢字の訓に用いられた。もちろん日本語として語を意識するものであったが、仮名文字にして一字にあらわす語もあった。しかし一音一義は限られたことであった。文字の分類は語の分類でもあったが、それは漢語に倣うものであった。語による用法、文字に写した言葉を文法によって分類をしたのは時代が下がって近世である。品詞の意識は翻訳の概念とその命名によって確かにするが、西洋文法の影響で、近代以前、幕末のころにまで下がってくる。いずれも和歌の技法、句の用法に根差す国語の捉え方で、文法に拠る分類を明治以降、大槻文彦、山田孝雄などにみるようになる。
国語の品詞分類の萌芽
富士谷成章 1738年-1779年 名(な)・装(よそい)・挿頭・脚結(あゆい)の品詞分類
鈴木朗 1764年-1837年 言語四種論