習字手本であったという。書写された書体に3体、またそれ以上に伝えるものがある。
ウイキペディアの解説に、
>千字文はかつて、多くの国の漢字の初級読本となった。注釈本も多数出版されている。また、書道の手本用の文章に使われ、歴代の能書家が千字文を書いている。中国では智永(隋)、褚遂良(唐)、孫過庭(唐)、張旭(唐)、懐素(唐)、米元章(北宋)、高宗(南宋)、趙子昂(元)、文徴明(明)などの作品が有名で、敦煌文献にも千字文の手本や習字した断片があり、遅くとも7世紀には普及していた。日本でも巻菱湖(江戸)、市河米庵(江戸)、貫名菘翁(江戸)、日下部鳴鶴(明治)、小野鵞堂(明治)などの作品がある。書道の手本としては、智永が楷書と草書の2種の書体で書いた『真草千字文』が有名である。その後、草書千字文、楷書千字文など、様々な書体の千字文が作られた。また、篆書、隷書、楷書、草書で千字文を書いて並べた『四体千字文』などもある。
と見える。
書道サイトに、いまも行われる状況がある。
http://www.seikeikai.net/senji/
http://www.seikeikai.net/essay/date_04-30-2009.html
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1 千字文(せんじもん)解説
http://www.seikeikai.net/essay/date_05-17-2009.html
2 楷書字形の変遷
> 『干禄字書』に取り上げられた文字は1655字。何万もある漢字の数からすれば微々たる数に見えるかもしれないが、白楽天の詩に使われている漢字は4600前後、中国の文献を理解するに必要な字数は6800程度だと白川静が言っている。1655字という数字は24%をカバーしていることになる。異体字は使用頻度の高い文字に起るから、これはかなりの漢字を補正したことになる。
> 清代になって康熙帝の勅命により、『康煕字典』が成立した。(1716年) 全42巻、収録文字数4万2千もの過去最大の字書である。もっともこの字数については、「無用の異体俗体字を加えたためで、語彙に用いる字が増加したのではない。」(白川静)ともいわれ、いたずらに文字数を誇ることに警鐘をならしている。
『康煕字典』の大きな特徴は、篆書字形の活字化をさらに強化徹底したことにある。『説文』をできるかぎり楷書化することが正しい字形のあるべき姿だ、という主張である。この復古主義が活字字形をさらに昔がえりさせた。これは清代におこった考証学の影響が多分に尾を引いていると思われる。実証的に古典に帰るべきだとすれば、当時は『説文』こそかっこうの「聖典」にほかならない。
『干禄字書』では旧来のままでよしとした字形も改変のエジキとなった。例えば、「来」は來(ヒトヒト形)に改められた。「者」には点を加えた。「唐」の5画と7画目は突き出すことになった。「發」の「攵(ぼく)」はご覧の通り、「殳(しゅ)」となった。現行活字の旧活字はほとんどこの形である。「羽」の旧活字は「挧(く)」のように下に垂れる形に変えられた。2点のシンニョウが現れた。現行の活字はこの2形が混在している。青は月の中を丄にした。真は眞となり、その徹底ぶりは『干禄字書』も顔負けする。
『康煕字典』の字形が活字の「正字」とされ、現今の漢和辞典の典拠となった。もっとも「内府本」との異動などがあり、何をもって正字とするかには問題もあったが、それはともかく置くとして、民間ではともかく、それまでに公的に認知されていない「來」のような字形が18世紀になって「正字」とされ、後世の辞書の規範になった、という異常さは、もはやとやかく言える段階ではないところに来ている。※(我が国の『新撰字鏡』(898~901成立)に「來」の字形があることを読者のかたからご教示いただいた。『干禄字書』成立後ほどなくして、民間では「篆書がえり」が行われはじめたと思われる。)
https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%8D%83%E5%AD%97%E6%96%87
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一の三(37~50)
蓋此身髮 四大五常 思うにこれら身体髪膚しんたいはっぷ 元素より出て仁義そなえる
恭惟鞠養 豈敢毀傷 父母が育てたこのからだをば どうして痛め傷つけようぞ
女慕貞絜 男效才良 女は慕う清き貞操 男は学ぶ才知賢良
知過必改 得能莫忘 過ち知ればきっと改め 良いこと得れば忘れるなかれ
罔談彼短 靡恃己長 人の短所は話さぬように 自分の長所ほこらぬように
信使可覆 器欲難量 約束ごとは必ず守り 器量は深く度量は広く
墨悲絲染 詩讚羔羊 墨子悲しむ糸が染まるを 詩経はほめる官の節約
多木洋一「書を楽しむ法」
y-tagi.art.coocan.jp
... が、ご興味のある方々に多少なりともお楽しみいただければ幸いです。 ご意見、ご感想、ご質問等がありましたら,どうぞお気軽にお寄せください。 メールは下のポストをクリックするか y-tagi@nifty.com までどうぞ。 読者の声. 書研究家 多木 洋一 (たぎ よういち)