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言う、語る、話す

2014-08-15 | 新日本語百科
話すことについて、言う、語る、の語義に比べ、その用例が中世以降になるため、語ると話すの意味内容の近さをとらえたことがある。
つまり古代から近代にかけて、かたる が用いられる一方で、はなす が中世から近代にかけて用いられ、その用法を同じくしながら意味を分け合う現象である。

それは、かたりあう かたらう かたらい であることと、はなしあう はなしあい というふうになることである。
話字には、字通にあるように、効力を失わせる行為で、そのような目的でことさらに言うことを話とする意義がある。

また、人をそしり呪詛するような言をいう、ともあり、善悪の二義を含む語であるらしいことを解説する。
その訓義に、第一に、はなす、ほめる、そしる、をあげている。

わ と音読みをすると、わ について、はなし、物語、とくに、修行する者の手本となることば、とあるので、この字義の本来の使い方が日本語にもしばらく影響をしていたでろうと思われる。
それが、はなす という訓読みで用いられることから、かたらう という語に見られた、はなしあう となって、意味内容が共通するようになる。



デジタル大辞泉より

はな・す 【話す/×咄す】
[動サ五(四)]
1 言葉で相手に伝える。告げる。語る。「事件を人に―・す」「電話で―・す」
2 相談する。話し合う。「父に―・してから返事する」
3 外国語を使う。「ドイツ語を―・す」
4 交際する。つきあう。
「一條あたりに有徳なる人ありしが、年久しく―・したる人なりしが」〈仮・竹斎・下〉
5 (遊里語で)遊女を買う。
「鹿恋(かこひ)女郎を―・すくらゐの男は」〈浮・禁短気・六〉
→言う[用法]
[用法]いう・はなす――「言う」は「独り言を言う」「言うに言われない」のように、相手の有無にかかわらず言葉を口にする意で用いるほかに、「日本という国」「こういうようにやればうまく行くというわけだ」など引用的表現にまで及ぶ。◇「話す」は「しゃべる」とともに、「喫茶店で友達と話す」「電話で近況を話す」のように、相手がいる場での言葉の伝達である。「話し方教室」とはいうが、「言い方教室」とはいわない。◇類似の語に「述べる」「語る」があるが、ともにまとまった内容を筋道を立てて発言する意の語であり、「意見を述べる」「紙上で述べる」のように用いたり、「物語」「義太夫語り」のような熟語を生んだりする。
類語
(1)語る・しゃべる・しゃべくる・物言う・口を利く・伝える・告げる・言う・述べる・物語る・打ち明ける・明かす・説明する・述懐する・告白する・口外(こうがい)する・他言(たごん)する・言い出す・言い掛ける・言い始める・言い止(さ)す・話し込む・話しかける・発言する・口に出す・口にする・口に上る・口の端に掛かる・口を開く・口を切る・吐く・漏らす・口走る・抜かす・ほざく・うそぶく・おっしゃる・仰せられる・宣(のたま)う・申し上げる・申し述べる・申す・言上(ごんじょう)する
(2)語らう・語り合う・談ずる・懇談する・面談する・諮(はか)る・持ち掛ける・掛け合う



日本国語大辞典より

話す
語源説
(1)端無の義〔名言通・和訓栞〕。
(2)ハナシは放シの義か〔玉勝間・俚言集覧・言元梯〕。心事をハナス(放)の義〔紫門和語類集・大言海〕。言語を口外に離スの義〔国語の語根とその分類=大島正健〕。


語る
語誌
発言行為一般をさす「いふ」、文字によって固定された物を声に出す「よむ」に対して「かたる」は一まとまりの叙事の伝達が中心となる。問うて答えるという相互的な場でなされる行為であるが、その原初の形態については「答える」「説明する」説と「問う」説が対立する。「万葉集」で「カタリツグ」の用例が多いように、時代を超えて伝達する行為であった。


語らう
語誌
【二】の例は上代にはほとんど見えず、平安時代以降多用され、「語る」に比して親密な人間同士でより具体的な内容を話題にした行為を表わす。聞き手の返事を伴わず、会話が成されていない例もあり、現代の相互的な発言行為の「語り合う」と必ずしも重ならない。

【二】の例(3)、夫婦の約束をする。また婉曲に、情交することをいう。ちぎる。



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