いまふうに言えば、気を置く と理解する言い方で、置く 置ける となる、対象の捉え方である。
気と言うことである。
気を置くのは、いわば、安気であるとなる、その状態を意味する。
気を置く、つまり、気が置ける対象を、あなたに求めることである。
気が置けるのだから、安心していることになる。
その気が置けないわけであるから、本来には、気が置けない人であるというのは、、安心できない相手となる。
ところが、気を置く というときに、相手に気遣うとの用法があって、さきとは意味が逆転する。
気を置く、ほっとする、と言うのに対して、気を置く、遠慮する、となってしまうから、このどちらなのかという言い方には、気を置くことができない、となってしまう。
そしてさらには、語の慣用で、気が置けないではなくて、気の置けない人 というふうに、意味のまとまりを作るようになっていて、その気を安気ではなくて、遠慮の気に使用することになる。
気が置けない 気の置けない この気の用法の違いをどう分析するか。
あるいは語法で、気の置けない人 と言うのを、気の人 と理解するかどうかである。
遠慮する気を置く人か、安気を持ち込むか、気の置けない人には、気を置いてしまうことがない。
き が 置(お)ける
(1)何となくうちとけられない。遠慮される。→気の置けない。
*多情多恨〔1896〕〈尾崎紅葉〉前・五「貴方の方でもお使ひなさるのに気が置けなくて、却って可(よ)からう、ってね」
*魔風恋風〔1903〕〈小杉天外〉前・入院料・二「私は却って気が置けて可けませんもの」
*ある女〔1973〕〈中村光夫〉二「まあ、いい。あまり気のおける患者より、ふりの患者の方が、あれが始めて扱ふにはむいてるだらう」
(2)気にかかる。気になる。
*大英游記〔1908〕〈杉村楚人冠〉本記・夜会の帰り「車の揺れる度に、シルクハットが、釣り上げた車の雨戸に触って、誠に気(キ)がおける」
き を 置(お)く
(1)相手の気持を気づかう。遠慮する。
*詞葉新雅〔1792〕「キヲオカぬ 心とくる 打とくる うらなき」
*青春〔1905〜06〕〈小栗風葉〉春・一「其れを見ながら妙に気を置いて繁が訊ねた」
(2)気を休める。ほっとする。
*洒落本・雑文穿袋〔1779〕「此蔵気を置(ヲ)く間なく段々と書つけながら」
き の 置(お)けない
相手に気づまりや遠慮を感じないさまをいう。
*東京の三十年〔1917〕〈田山花袋〉眉山の死「未亡人は美しい色の白い、気のおけない人で」
*虚実〔1968〜69〕〈中村光夫〉アニマル「環境や考へが似てゐるせゐか、〈略〉今では一番気のおけぬ友達であった」
気(き)が置(お)け◦ない
遠慮したり気をつかったりする必要がなく、心から打ち解けることができる。「―◦ない間柄」
[補説]文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「その人は気が置けない人ですね」を、「相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい」と「相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない」の、どちらの意味だと思うかを尋ねたところ、次のような結果が出た。
平成14年度調査 平成18年度調査 平成24年度調査
相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい
(本来の意味とされる) 44.6パーセント 42.4パーセント 42.7パーセント
相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない
(本来の意味ではない)
気と言うことである。
気を置くのは、いわば、安気であるとなる、その状態を意味する。
気を置く、つまり、気が置ける対象を、あなたに求めることである。
気が置けるのだから、安心していることになる。
その気が置けないわけであるから、本来には、気が置けない人であるというのは、、安心できない相手となる。
ところが、気を置く というときに、相手に気遣うとの用法があって、さきとは意味が逆転する。
気を置く、ほっとする、と言うのに対して、気を置く、遠慮する、となってしまうから、このどちらなのかという言い方には、気を置くことができない、となってしまう。
そしてさらには、語の慣用で、気が置けないではなくて、気の置けない人 というふうに、意味のまとまりを作るようになっていて、その気を安気ではなくて、遠慮の気に使用することになる。
気が置けない 気の置けない この気の用法の違いをどう分析するか。
あるいは語法で、気の置けない人 と言うのを、気の人 と理解するかどうかである。
遠慮する気を置く人か、安気を持ち込むか、気の置けない人には、気を置いてしまうことがない。
き が 置(お)ける
(1)何となくうちとけられない。遠慮される。→気の置けない。
*多情多恨〔1896〕〈尾崎紅葉〉前・五「貴方の方でもお使ひなさるのに気が置けなくて、却って可(よ)からう、ってね」
*魔風恋風〔1903〕〈小杉天外〉前・入院料・二「私は却って気が置けて可けませんもの」
*ある女〔1973〕〈中村光夫〉二「まあ、いい。あまり気のおける患者より、ふりの患者の方が、あれが始めて扱ふにはむいてるだらう」
(2)気にかかる。気になる。
*大英游記〔1908〕〈杉村楚人冠〉本記・夜会の帰り「車の揺れる度に、シルクハットが、釣り上げた車の雨戸に触って、誠に気(キ)がおける」
き を 置(お)く
(1)相手の気持を気づかう。遠慮する。
*詞葉新雅〔1792〕「キヲオカぬ 心とくる 打とくる うらなき」
*青春〔1905〜06〕〈小栗風葉〉春・一「其れを見ながら妙に気を置いて繁が訊ねた」
(2)気を休める。ほっとする。
*洒落本・雑文穿袋〔1779〕「此蔵気を置(ヲ)く間なく段々と書つけながら」
き の 置(お)けない
相手に気づまりや遠慮を感じないさまをいう。
*東京の三十年〔1917〕〈田山花袋〉眉山の死「未亡人は美しい色の白い、気のおけない人で」
*虚実〔1968〜69〕〈中村光夫〉アニマル「環境や考へが似てゐるせゐか、〈略〉今では一番気のおけぬ友達であった」
気(き)が置(お)け◦ない
遠慮したり気をつかったりする必要がなく、心から打ち解けることができる。「―◦ない間柄」
[補説]文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「その人は気が置けない人ですね」を、「相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい」と「相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない」の、どちらの意味だと思うかを尋ねたところ、次のような結果が出た。
平成14年度調査 平成18年度調査 平成24年度調査
相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい
(本来の意味とされる) 44.6パーセント 42.4パーセント 42.7パーセント
相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない
(本来の意味ではない)