2022年11月2日 村山聖九段のお墓参り
広島に行く。村山聖九段のお墓参りである、私と妻以外に前田アパートの田中さん、将棋世界編集長の田名後さんご夫妻、そして広島在住の大島綾華女流初段のメンバーだった。襟を正す心境でお墓に向かう…25年前の村山九段の葬儀の日も青空にぽっかり白い雲が浮いていた。遠くに行ったのだなあ…悲しみよりも消えてしまった村山君が愛おしい感じで時間が過ぎた記憶がある。
田名後さんの提案でみんな少しづつだが、村山聖九段に接するように静かに墓石を磨いた。田中さんも感無量で「一度来たかったのが実現してうれしいです」とつぶやく。
大島綾華女流初段も呼んでよかった。これを機に大きく育ってほしい。
お花は絶えないようで、前田アパートと同じで、全国からいろんな人がお参りに来ているようである。凝縮した人生だったけれど、今も変わらずに多くの人の心に刻まれた存在なのは、村山君は幸せだなあと思う…
村山家に向かう。ご両親が迎えてくれた。体調が心配なのに…お父さんがいつものように美味しい珈琲を入れてくれた。「まだ生きろということですなあ」おおらかながら気骨ある声が健在でほっとした。それぞれのジャンルで活躍しているお孫さんの話を聞きながら、村山君がいたらどういう表情をしただろうなあと考える。
村山家の部屋の中は今もなお、村山聖の息吹が昔のままに残されている。ご両親のお話を聞きながら、過ぎ去った思い出がよぎる…私もご両親や田中さんと一緒で、村山聖に関することはすべて受け入れる…あるときにそう決めた。
それは自分も微力ながら、生を全うするまで、恥ずかしくないように生きていく?ささやかな決意でもある。そういう力を与えてくれている気がするのも、村山聖の存在感なのかもしれない。
大島さんを送ってから、ホテルで休憩して、八丁堀の方に夕食に出かける。広島将棋センターのあった界隈である。このあたりにシェフの店もあったなあ…
夜は田名後夫妻とじっくり話ができた。聖の青春の話から、近況、体調のことから映画の話題、食べ物から怖い話までレパートリーがいっぱいあるようだ。旅の一日目が終わった。
11月3日 宮島に行く
朝食を終えて、路面電車で原爆ドームに向かう。
田名後さんの奥様に撮ってもらった。いつ訪れても神々しい祈りを遺した風景である。晴れた日はひときわそういう想いが強い。平和という言葉の重さが貴重な時代である…
この日も修学旅行生や観光客が多かった。
原爆ドームのてっぺんに白鷺がいた。
いったん広島駅に戻り、田中さんを見送ってから、将棋ひろばに向かう。急な来訪だったが訪れてよかった。ちょうど王将会の例会日だった。
そこから路面電車で宮島に向かう。
私の好きな素朴な風景が満載の電車の旅だった。
アナゴ丼とカキフライの定食を食べる
貫録たっぷりの鹿
恐る恐る触れる…
厳島神社の鳥居
鹿が襲っているのだが、、気付かない田名後夫妻?
海の中を歩く鹿…絵になる光景だった。
二日目も終わり、帰路につく。妻が宮島の土産物店でスマホを忘れ、フェリーで戻ることになった…時間がないので東京に帰る田名後夫妻とお別れする。
最後まで緊張感があって油断できない?いい旅の二日間だった。