面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「落語Kタイム」出演のお知らせ by紫亭京太郎

2007年01月21日 | 落語
現在、インターネットテレビ・net channel KYOで月曜夜10時より好評放映中の「落語Kタイム」に、21日より出演します。
そして翌週29日放送分からは落語をご覧いただくことに!

番組自体は今年の元旦からスタートしてきましたが、満を持して(何がやねん!?)29日より出演することになりました。
21日はトークのみでの出演で、29日から毎週一席ずつ、落語を披露していきます。
第1回目の演題は、かつて得意ネタとして、あちこちでかけまくっていた「時うどん」。
果たして、十数年ぶりとなる口演は、無事にオチまでたどり着くことができるのだろうか!?

などと言う“超低レベル”なご心配は無用ですが、実はまだ自分の口演を映像で見ていないもので…

毎週月曜夜10時、古典芸能のひとときをお届けいたしてまいります♪
http://www.nc-kyo.com/

放送局不祥事考

2007年01月21日 | ニュースから
「あるある大事典」の納豆ダイエットで捏造 関西テレビ(朝日新聞) - goo ニュース


スーパーの納豆品薄を引き起こした「あるある大辞典」の納豆ダイエットで、データの捏造が発覚した。
テレビのニュース番組でも、関テレの幹部連中が謝罪している会見が流れていたが、これが元で21日放送予定分が飛んでしまうようだ。
そしてそのまま、番組打ち切りに追い込まれてしまう可能性も出てきた。
結構、健康に関する情報番組として楽しんでいただけに残念だ。

実際に番組を制作したの、は関テレから見て孫請けのプロダクション。
アウトソーシングして制作された番組を、ノーチェックで“垂れ流し”放映してきたことのツケが出たのではないだろうか。

現状、どこの放送局も実際に番組を制作しているのは下請け・孫請けの中小の番組制作会社。
放送の責任者である放送局内には、番組に対するチェック体制も、あまり機能していないのではないだろうか。
先の紅白歌合戦のOZMA事件しかりである。
「視聴率至上主義」に毒された安易な番組制作が、一連のテレビ局不祥事の原因となっているように思えてならない。
そして、何が良い番組なのかという基準が狂っているのと同時に、目利きのできる人間が制作現場にいなくなっているのではないだろうか。

メディアが不祥事を連発すれば、そこに政府の介入を許すこととなり、「報道の自由」「言論の自由」が規制を受けることにつながり、結局は国民の「知る権利」が著しく侵害されることになるのだ。
そしてそれは、国家による情報管理を招き、民主国家としての存続が危ぶまれる事態へと陥っていく。

放送局各社には「使命感」というものが、もはや存在しないのか?


これがフツウの対応

2007年01月21日 | ニュースから
緑茶など13万本を自主回収 日本コカ・コーラ(共同通信) - goo ニュース

不二家の不祥事が露呈する中、日本コカ・コーラの素早い対応はさすがである。
でも、これが食品メーカーとして当り前の態度だろう。
何か不具合が生じたときに迅速な対応が取れるかどうかは、普段からの危機管理体制がしっかりできているかどうかにかかっているが、その体制の構築には経営層のリスク管理に対する認識が大きく影響する。

一連の不二家の対応は、やはり同族会社の弊害なのか?
会見を見る度に拙い物言いに終始している藤井社長を見ていると、そんな気がする。


「長い散歩」

2007年01月21日 | 映画
定年まで高校の校長を務めた松太郎(緒形拳)は、妻(木内みどり)をアルコール依存症で亡くし、ひとり娘(原田貴和子)とも絶縁状態。
家庭を顧みなかった過去の自分を後悔しながら、安アパートでひっそりと暮らし始めたが、隣室の女・横山真由美(高岡早紀)が幼い娘・サチ(杉浦花菜)を虐待していることに気付く。
それ以来、何かと少女を気にかけていたが、ある日ついに惨状を見かね、彼女をアパートから連れ出し、旅に出た。
二人の間に、少しずつ生まれていく絆。
しかし世間は当然のことながら松太郎の行いを“誘拐”と見なす。
真由美が捜索願を出したことで刑事(奥田瑛二)が捜査を始める…。

奥田瑛二が、CMで緒形拳と共演した時に、多くの名作に出演してきたこの俳優のために何か作れないか…と思い立ち、数年の構想期間を経て完成させた作品。
モントリオール映画祭グランプリ、国際批評家連盟賞、エキュメニック賞の3冠を達成。

娘を虐待する高岡早紀の演技が圧巻。
自分の子供を虐待する親というのは、こんな感じなんだろうなと、背筋が寒くなる思いがする。
また、その虐待を受ける娘役の杉浦花菜も妙にリアルで、母子が暮らしているアパートでのシーンは、見ていて居たたまれない。

虐待を受け続けて心を開くことができなくなり、笑顔も消えていたサチとともに、「本当の空を見に行こう」と旅立つ松太郎。
虐待からサチを救うための旅が、いつしか自分自身の再生にもなっていく。
娘の亜希子に対して厳しく接することしかできず、そのくせ家庭のことは妻の節子に“任せきり”という逃避により家庭を顧みず、ついに家族を崩壊させた自分の過去を見つめ直す松太郎。
絶縁状態にある亜希子に手紙で懺悔するが、長年の確執から亜希子は松太郎を許そうとは市内。
旅の途中、周囲とのコミュニケーションがうまく図れずに家を飛び出し、旅をしている帰国子女のワタル(松田翔太)との出会いもあり、サチは笑顔を取り戻す。

コミュニケーション不全を起こし、人生を誤っている大人達。
同級生達とのコミュニケーションになじめず、自分の居場所を見失っている青年。
実の親からコミュニケーションを拒否され、表情を無くしている子供。
この映画の登場人物達は、現在の日本のコミュニケーション事情の縮図である。

また、サチを虐待する真由美も、自分の親からコミュニケーションを拒否されていた過去を持っていた。
愛情いっぱいに抱きしめられた経験が無いのに、自分の子供を愛情いっぱいに抱きしめることはできない。
自分は、親にされていたことを娘にしているだけ…。
児童虐待は連鎖すると言う事実が、この真由美の思いに込められている。
あまりに悲しい連鎖が断ち切れることは無いのだろうか。

本作を観て、改めて自分は幸せな人生を送ってきたことに思い至った。
親はもちろん、周囲から愛情を注がれて育った子供時代。
その経験は、今、ちゃんと“還元”できているのだろうか。

観終わってから、じわじわとこみ上げてくるものがある佳作。


長い散歩
2006年/日本  監督:奥田瑛二
出演:緒形拳、杉浦花菜、高岡早紀、松田翔太、原田貴和子、奥田瑛二