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過去問の間違った勉強法

この時期の勉強法を、ある保護者の方とお話していて、もう一度詳しくご説明した方がいいかもしれない、と思いました。

それは過去問のやり方の話です。

そろそろ受ける学校の候補も決まり、過去問をやっておられるご家庭が多いでしょうし、塾もようやく過去問が解禁されたでしょう。

実際に残りの期間で、過去問をどのくらいやれるか、エクセルにまとめて計画をされているご家庭もあるでしょうが、ちょっと待ってください。

何校、何年分やるかが問題ではないのです。

過去問はやり方を間違えると効果が少なくなります。

この時期の過去問は、素点と見込み点の乖離をできるだけ小さくする練習をするためにやるべきです。

素点とは、まず時間を計ってやったときの点数。

見込み点とは、答えあわせをした後、解答を見ずに間違いなおしをして、とれる点数。

解答を見ていませんから、自分の答えが違っていたという情報のみで、もう一度やり直したときにとれる点数が、見込み点です。

つまり、本来なら「とれる可能性があった」点数といえるでしょう。

この時期、この見込み点と素点の差が激しい子がまだまだ多いのです。だから、なるべく素点を見込み点に近づける努力をしないといけない。

直しが終わったら、解答・解説を見て復習するわけですが、その結果、わかった問題は後にできるようになるかもしれない。しかし、2回やってできなかったのだから、できないままで終わるかもしれない。

こういう問題は、本人にとって正答する可能性がそれほど高くない問題なのです。しかし、1回の直しでできる問題は正答する可能性が高かったのです

正答の可能性が高い問題を落とすのは、もったいない。

だから復習した後に、見込み点で新たに増えた問題について、反省をします。

「どうして間違えたんだろうか?」
ということを、本人に聞いてみる。

しかってはいけません。失敗を正すだけであって、本人が悪いことをしているわけではない。

本人は理由を言うでしょう。

でその次に、「ではその間違いをしないためにはどうすればいいか?」
と尋ねてください。

その直すべき点を、本人が意識しない限り、何回過去問をやり、模擬試験をやっても同じ結果になります。

ザルで水をすくうようなものです。

つまり、今、ある力でどこまで勝負するか?なのです。

そして、点がとれるようになる、ということは、本人にとっては明るい材料になるから、さらに学習に意欲がわくわけです。

この素点と見込み点の乖離を埋める直しと反省の作業をしない限り、何回やっても本人の点数はあがらないし、不安定なままになりがちです。

何年分をいつまでに終わらなくてもいいが、1年分やったら、「何か直せる」ようにしておくことが大事です。


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