年末なので、今年一年のボタニカル ライフを振り返ってみた。
今年は梅から始まった。
3月4日、須磨浦公園に梅を愛でに行く。
ここへ来るのは多分30年ぶりくらいになる。
直線的に伸びる枝と簡潔な花は桜よりも日本的な気がする。
そういえば、昔々の春の「花」といえば桜ではなく梅だったと聞いた。
3月19日、新宿御苑へ。
木蓮が惜しげも無く大輪の花でお出迎え。
こいつを見るといよいよ春だという気がする。
そしてソメイヨシノ。
咲き始めもまたいい。
水面を彩る。
東京の目的はこれこれ。
作者はこの人です。
そうです、草間彌生画伯です。
圧倒的な芸術宇宙に浸り、圧倒的な幸福感に包まれた。
6月は花の季節だ。
今年もこの日々草を迎えた。
それから毎日毎日満開の笑顔で励ましてくれた。
小さなサボもおはでに開花。
屈託がなく突拍子もない花を平然と突然つけて、すぐにしぼむ。
何も考えずに咲いてる感が好ましい。
ランニングコースはワイルドな奴らがたむろしている。
何故か自生しているウチワサボテン。
かなり凶悪だ。
近寄る奴らは許さへんでぇ〜。
こいつにはうっかり触って目に見えない小さなトゲに数日間悩まされた。
本当にやばい奴らだ。
この月、嬉しい便りが名古屋から届いた。
名古屋の事務所を異動するときに机に飾っていた多肉を後輩に託してきたのだが
倍くらいに大きくなった写真が届いた。
しかもしっかり植え替えてくれている。
ああ、ちゃんと面倒を見てくれていたんだ。
ありがたい。
気持ちが通じるということは素晴らしい。
6月の末、日陰でヘナヘナになっていたディッキア2号を思い切って日当たりに出した。
夏の陽光に晒してカツ入れだ。
あれよあれよとたくましくなり、7月の末にはこの色艶とハリになった。
たくましい。
やはりこいつらは直射が好きなのだ。
ディッキア1号はもともと逞しかったが赤銅色になって何だかオレの日焼けした顔みたいだ。
もうすでに赤黒い。
7月2日、海沿いの遊歩道にカンナが咲いた。
もう夏なのだ。
7月9日、明石公園の睡蓮が開花。
ランニングも楽しくなる。
夜道を歩いて帰る途中に生暖かい風に乗って香る甘い匂い。
クチナシだ。
季節は確実に巡って来る。
今年もクチナシの季節になったのだ。
チランジアが中途半魔に開花した。
奴らは去年の冬越しに問題があったのか今年はほとんど花をつけなかった。
集団でボイコットをしているみたいだ。
ほぼほぼ、毎夕にミスティングをしてやってるにも関わらずだ。
ちくしょう、今度こそはちゃんと花を咲かせてやるわい。
9月23日、姫路温室植物園へ洋ランを見に行く。
バンダは美しい。
そしていい匂い。
こいつもバンダ。
9月末、名古屋は東山動植物園へ行く。
フクロテナガザルのケイジくんで笑ってから、植物園へ。
ここの温室は見事だ。
洗濯物みたいにぶら下がるウスネオイデス。
チランジアたちもワイルドこの上ない。
東海地方のみに自生するらいいシラタマホシクサ。
可愛らしい。
湿地帯に群生するらしい。
ここでは一度1円玉よりも小さいトンボ、八丁トンボを見たことがる。
本当に小さいが、茜色が綺麗だった。
10月13日、いよいよ金木犀の季節が始まった。
凛とした空気に漂うあの匂い。
クチナシと同じく近いと少しキツすぎる。
遠くから漂うくらいがいい。
これは銀木犀という花だと初めて知った。
何と20年以上住んでいるこのマンションの植え込みの正体はこれだったのだ。
何ということか、今まで全く知らなかった。
葉っぱの形から柊だと思い込んでいた。
こいつは控えめで上品な匂いだ。
近づかないと気がつかないくらいで好ましいヤツだ。
11月28日、和歌山はみかんで山中オレンジに染まる。
たわわに実ったみかんは美味い。
何と無人販売所に枝付きが売っている。
しかも200円て何だ。
安すぎだろう。
もぎたての味はもちろん絶品だ。
甘く、フレッシュで果肉入りのジュースを一気飲みしたみたいだ。
さて、10月に我が家にやってきた巨大なアロエベラ。
竜のベロみたいにのたくっている。
ただ、こいつのベロは所詮アロエなのでやわからい。
こっちは本当の竜舌蘭、英名はアガベだ。
いつものランニングコースを見下ろす土手に自生している。
名前をフジエさんと勝手につけた。
フジエさんはお幾つなのか少し気にかかっているが、うまく確かめられずにいる。
おしまいは12月に和歌山は紀伊田辺駅近くの路上にいた竜舌蘭。
なかなかワイルドだ。
隣の生ゴミもなんのその。
全く引けていないところだいい。
やっぱり植物はこれくらい堂々として、傍若無人でいるのが相応しい。
これこそオレの求めるハードボイルド ボタニカル ライフだ。
今年も一年大変植物どものお世話になった。
うちの奴らのお世話をしつつ、それ以上の何かをたくさんいただいた。
感謝してもしきれない。
来年はどんな出会いがあるのやら、楽しみ楽しみ。
嗚呼、ボタニカル!