マイナンバーの配布が始まりました。関連サービスの市場規模は1兆円を超すと言われるだけに、株式市場も関連銘柄探しに躍起になっています。

 真っ先に注目されたのは、官公庁からシステム改修案件を受注したNTTデータなどのシステム開発大手ですが、今後は民間需要をいかに取り込むかがポイント。特に期待が高い分野は保管とセキュリティーです。

 企業にとってマイナンバーは手間のかかる制度です。使用用途は制限され、きちんと管理しなければ厳しい罰則が待っています。中小企業ほど「できれば遠ざけたい」のが本音でしょう。

 ログイン前の続きこうした要望に応えてマイナンバーの管理を請け負う企業が続々と登場しており、業績も好調です。クラウドを利用した保管サービスをいち早く始めたオービックビジネスコンサルタントは、13日に今期業績見通しを過去最高益水準まで引き上げました。これを好感して株価も急騰しています。

 また、企業のIT投資ではセキュリティー対策の優先順位が急上昇しています。内閣府が実施したマイナンバーに関する世論調査では、不安に思うことは何かとの質問に、約4割が「個人情報の不正利用による被害」を挙げました。最近はサイバー攻撃が巧妙さを増しており、特に対応が難しいのが標的型。日本年金機構も被害を受けた偽装メールを使う手法が増えています。

 こうしたサイバー攻撃にも対応するセキュリティーサービス提供のトレンドマイクロやFFRI、ラックなどには、一段と注目が集まりそうです