ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

でっかいどー!

2016年09月02日 | 北海道

皆さまご存知のように、北海道は広いです。

今回の台風被害では連日マスコミの報道が激しく、それに刺激されて、沢山の皆さまからお問い合わせを頂いております。

美瑛・富良野
多くの方にとって、同じイメージではないでしょうか。

萩・津和野
神戸・大阪
京都・奈良
鳥取・島根
オーストラリア・ニュージーランド…

こんな感じですよね。
ですから無理もないのです。

さて、ここでは、
被害の大きかった「南富良野町」と、「美瑛町」の位置関係についてご説明いたします。

距離は約70km。

これは、

首都圏に当てはめれば、秩父と池袋。小田原と羽田空港。
つまりは東京から千葉よりも、ずっと遠いわけなんです。
皆様、秩父の洪水で池袋が水没しませんよね?

関西に当てはめれば、福知山と大阪。姫路と神戸。
大阪から琵琶湖よりも、さらに遠いんです。
つまり大阪が琵琶湖に沈むなんてことは、ありえへん。

九州に当てはめれば、博多と伊万里。
佐賀よりも遠いんです。がばい。

美瑛ですらこれだけ問い合わせをいただくのですから、同じ「富良野」を冠した富良野市の皆様のご苦労は…。
富良野市とお隣の南富良野町もまた、博多と佐賀くらい離れています。
佐賀は博多じゃないよ。がばい。

北海道、広すぎ。
隣なのに、遠すぎ。

これを機会に、少しだけお判り頂けましたら、幸いです。

ちなみに。
観光で来られる皆さまにとって美瑛の台風被害といえば
「青い池」が閉鎖!
だと思います。

賛否両論ありますが、皆さま。
青い池はもともと、自然のものではありません。
人工物です。

それに、20年前の「青い池」と、近年の「青い池」
全くの別物です。

土砂が貯まって浅くなった河川敷の水たまり、通称「青い池」の底を重機で掘り進み、わざわざ水を引き込んで、
かろうじて「池」にしています。

自然じゃなかったんです!(最初は砂防ダムによる偶然の産物→現在は完全な人工物です)

あそこは河川敷です。
ですから私は、
増水で洗われて自然に還ったのだと、思っています。

元々なかったものなので、
消滅して自然に戻った。
そう考えております。

いえ、正確には、
青い池は消滅したわけではありません。
ただ、観光協会が提供してるドローン撮影の被害状況映像を見ると、
皮肉にも、青い池が、実は重機で掘り進んだ長方形のプールにすぎないことがよくわかります。
堤防を築いて水を貯めている構造もよくわかります。正体が見えちゃった映像になってます。
その堤防と護岸が、壊れました。


大人の事情で観光資源として維持に無理を重ねてきた「青い池」は痛々しいです。
もう、無理に復旧する必要はないように思います。
あくまで私の個人的な考えです。

ただ、貴重な観光資源ですから
美瑛町では、なんとか復旧したいと考えているようですが、
どうするんでしょうね?

また「作る」のかな?

それよりも、そんなことよりも。
南富良野町や近隣市町村の復興に
美瑛町は官民あげて、全面的に協力ほしいと思います。

青い池よりも、断然かっこいいと思います。
景色だけじゃない美瑛町。
そんな「美瑛町」を、ボクは見たいんです。


さて、
もうすぐ義援金の受付も始まろうかと思いますが、
皆様、間違って美瑛や富良野に寄付しないように。
「南富良野町」ですよ。