ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

冬山ガイド仕事が地味にピンチだぞ

2020年07月15日 | バックカントリーとパウダースノー
タイトルの通りなのだ。
コロナあああああっ!

日々の生活は平穏そのものなんだけど、
そろそろ冬の準備など気にする季節なのだ。

北海道ではお盆を過ぎたらスタッドレスタイヤや暖房機器のテレビCMが一斉に始まるのだから、
何も山小屋の気が早いわけではない。

15年前までボクは通年の山岳ガイドだった。
だから店の名前が
『ガイドの山小屋』なのだ。

しかし、
冬山で大怪我を負い、以来、夏山のガイドを引退した。
今ではレンタサイクル屋だ。生活に追い詰められて止む無く始めたレンタサイクル屋が
よくもまあ今まで続いたものだと思う。

しかし現在も冬山山岳ガイドだけは続けている。
せっかく取得した狭き門、冬山山岳の公認資格がもったいないし、
回復困難な古傷も雪の上ならば安定しているので冬山では縦横無尽に歩き回れる。
現役25年。すっかり老舗になった。

そんなボクだが体力の維持が近年の重要な課題になっていて、
通年の山岳ガイドだった頃は特別なトレーニングはなくとも夏山から冬山に移行できたが、今は違う。

レンタサイクル屋のオヤジが、
何もせずに、
プロの冬山山岳ガイドなど、無理に決まっているではないか。
トレーニングなしでシーズンに突入など無謀すぎる。

というわけで、15年あまりチャリ旅を続けている。
最初はリハビリが目的だったのだが、
一生懸命にやり過ぎて本業になってしまった。
シーズン切り替え時期の10〜12月に2か月の自転車旅をするのが季節行事。

だいたい2000〜3000km走行するので、
リハビリはもちろん、
帰ってきたら脚はムキムキだし体重もざっと10~20kgも簡単に減量するし、いろいろ話のネタは出来るし、英語ペラペラになるし、
言うことないのだ。

レンタサイクル屋としてのスキルも
怖いくらい向上するぞ。笑

しかしまあ今年は海外は無理だなあ。

しゃーない、また日本列島縦断するか。
俺もGo toだな。

で、今度で何度目だ?太平洋側?日本海側?

みたいなかんじで脳内でプランが練られていく。
日本列島縦断ならば自宅から走り始められるからまあ気楽ではある。

そんな折、
先日、外出中に昼飯にマクドに立ち寄った。

マクドには先客、旅チャリダーがいた。

旅チャリダーにとってマクドは非常にありがたい存在だ。

きれいなトイレ
無料wifi
安価な食事と温かいコーヒー

もう最高だ。
特に、
雨の日や寒い日など、
マクドはまことにありがたい。

マクドLOVE❤️

しかし、だ。
この日の俺は少し違っていた。

そのチャリダーに少し、違和感を持ってしまった自分を感じたのだ。

「え?マジか?おまえ」
そんな感じだ。

現役のチャリダーで、かつ
コロナに大してあまり神経質ではない俺がコレなのだから、
他の人たちがどんな印象を持つかは想像に難くない。

「国内チャリ旅も無理かも」
そう、ぼんやり考えた。

人に迷惑をかけたくない。
人に迷惑をかけてまで旅をするなどあり得ない。
旅は俺が俺自身の目的のためにやっているのであり、決して訪問先の人たちに課題や不快感を残してはいけないのだ。

旅の途中に出るゴミ問題。
トイレ問題。
どこかで当たり前だと思っていたコンビニのトイレやゴミ箱も使用中止しているところも多いと聞く。

都道府県をまたいで自転車で、
ひたすら南を目指す。

自己完結は完璧だと思っているが、
関わる人はゼロではない。
トイレ、ゴミ、
宿泊、
飲食…

うーむ。
うーむ。

それって、
どうなんだよ?

今年はチャリ旅中止?

となると、冬山ガイドはどうなる?
オレは、
ただのデブな貸し自転車屋のオッサン。
冴えない中年オヤジじゃないか。

無理無理無理無理。
冬山ガイド無理。
死んじゃうよ。

さて、どうしたものか。

こうして、
突然降って湧いた、
引退の危機なのだ。

嫁さんは
「じゃ台湾でも走ってくれば?」とサラッと言う。

台湾?
それ!

余計に太るじゃないか!
それに「観光」やん!

いろいろ微妙ではあるけれど、
しかしまあ、
魅力的な提案ではある。















今年どうする?

2020年07月15日 | 北海道の暮らし・生活
Go toキャンペーンなる旅行業界活性化政策が始まるそうなのだが…。

喜ぶべきか悩ましい山小屋なのだ。

個人的には、1年くらいごっそり休業していいんじゃないか、くらいに思っているが、従業員をかかえている、借金があるなど個々に事情も異なるだろうし、なんとかして稼がなきゃいけない人たちはたくさんいるだろう。

「私はこう思う」的なことを声高に叫んでもやかましいだけだし、ツバが飛んでもいけないし。笑

美瑛に来て25年。
いろんなことがあったし、今よりもずっと困窮した時期もあった。
全部乗り越えてきたので今回も軽く乗り越えられる気でいる。

七月だというのに美瑛は人が少なくて20年以上前みたいだ。観光で有名になる前みたいに。

こんな年もあっていいかな。

Go toキャンペーンでは人がワワッと来るかもしれないが、

今年の春節の時と同じように、

夏が過ぎたころにまた北海道では感染者がドッと出るだろう。

今度はたぶん、
北海道だけではなく、
全国の観光地で一斉に。

また同じことを繰り返す気でいるのかな。
そんなふうに思っている。

世間はいろいろ騒がしいけれど、
そんなこととは関係なく、
太陽を浴びて野菜はスクスク育ち、
カラスはカーと鳴く。

仕事はヒマなので、
せっせと畑仕事に精を出そうと思っている。

これでいいのだ。