ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

旅タイヤ シュワルベ マラソンプラス

2020年08月18日 | サイクリング
「シュワルベ」というドイツの自転車用タイヤメーカーがある。

丈夫で長持ち!

という、いかにもドイツらしいタイヤなのだ。
かと言って、さほど高くもなく、ボクが使うサイズでも一本6000円ほど。
6000円で旅の最中にパンクすることがなくなるのだから安いものだと思う。
楽天で買えるぞ。

さて、
ボクは15年ほど前から海外を走るようになった。
いろんな旅人に出会う。

出会う旅チャリダーの国籍は様々だけど、中でもドイツ人とオランダ人が群を抜いている。続いて日本人、カナダ人…
彼らのような世界を自由に旅する国際チャリダーの多くが「シュワルベ」を履いていたのだ。

ボクはすぐに真似るようになった。

ボクは「うんちく」や精神論よりも「現場」を大事に考えている。
メーカーがどんなに凄いデータを公表しようが、有名タレントが使用しようが、そんなものクソだ。

クソだよ。

旅チャリダー同士、国籍や宗教は違えど話が弾む。だいたいはお互いの旅自転車を観察するところから始まる。

もちろんボクも相手の自転車をしっかり観察する。旅人の愛車からは本人のポリシーが滲み出ている。
それこそ体臭のごとく、旅人の人柄が出ている。

そんな百戦錬磨のチャリダーからは学ぶことが多い。

ボクより年若いとか、年上だとか、経験が浅い深いはあまり関係ない。20代でも凄いやつは凄い。凄いやつほど爽やかでカッコいい。逆に威張るやつほどジョボい。

一概には言えないけど、荷物の多いチャリダーは若くて経験浅の傾向があり、パワーで乗り切るけどトラブルも多く抱えている印象。
ベテランほど荷物には無駄がなく全体的にシンプルで、軽量化=リスク軽減を意識していると感じる。年齢とともに安全を重視する傾向があるようだ。

山のような荷物を積んだアジア系は間違いなく日本人。なんでも持ってる。逆に韓国人の若者は荷物はシンプルでパワーがある。さすがは兵士だ。北朝鮮チャリダーには出会ったことはないけど、ある安宿でルームメイトだった大学生はとても礼儀正しく、出発のときには寝具を綺麗に畳んで出発した。南北に関係なく礼儀正しい若者が多い印象だった。

こうして多くの世界の旅人、世界のチャリダーと出会うと、ある種の結論にたどり着く。

みんな共通していることがいくつかある。

タイヤは、シュワルベのマラソンプラス。
キャリアは、チューブス。

これが、笑っちゃうくらい共通している。

間違っても、
日東キャノピーのキャリアなんか使うやつはいない。

さて、そのタイヤ。
シュワルベ マラソンプラスは中央付近が分厚くて、そう簡単には釘などを通さない。ただし重たい。

チューブスのキャリアは日本製みたいにボキボキ折れない。日本製は日本一周が精一杯だ。
チューブス一択。それかサーリーだな。


まあそんなふうに偉そうに言うボクも、彼らから学び、あるときはパクり、自分の身につけてきた。数々のアウトドアの修羅場をくぐり抜けてきた彼らの経験には凄みと真実があった。
「現場」はウソをつかないのだ。

きょう、
シュワルベマラソンプラスのタイヤローテーション(磨耗を均等にするために前後を入れ替える)をした。
初冬にニュージーランドから戻ってきたまま物置に片付けたままだったから、
まだ旅の匂いがした。

久しぶりだったし、
たかだかタイヤローテーションなのに、タイヤが硬いので苦戦した。

もうすぐ夏が終わる。

お盆が過ぎて、美瑛には早くも確かな秋の気配が漂い始めている。
美瑛の観光シーズンもあとわずか。

やがて美瑛を訪れる旅人がぱったり途絶えるだろう。
雪虫が舞い始めるだろう。

次は、ボクが旅に走り出す番なのだ。




シュワルベ マラソンプラス
世界旅のチャリダーのほとんどが愛用している質実剛健の旅タイヤ。
分厚くて硬いけど頑丈なタイヤだ。


まだ旅の塵にまみれていた。


キャリアはチューブス!
世界旅のチャリダーの9割以上がチューブスを装着している。