ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

「歩きたい」方へのアドバイス

2020年08月23日 | 美瑛・富良野
ガイドの山小屋は、夏季はレンタサイクル店です。
たくさんの方にご利用いただきましてありがとうございます。

来店時は多少のフラストレーションを抱えていらっしゃった方が
返却に帰ってこられたときには別人のように晴れやかな表情にかわり
笑顔で帰っていかれる姿を毎日のように拝見しております。
今さらながら、美瑛すごいなあと思います。

「この仕事も悪くないな」
「経営は大変だけど、なんとかやっていこう」
何よりの励みになります。

しかし、やはりいろんなことがあります。

1年に1回ほどの頻度で困った事態に直面します。
どうやら今日が「その日」だったようです。

「ガイドの山小屋」という店名ですので
それを拡大解釈されて
何でも無料でガイドしてくれる無料案内所
というふうに思って来店される方もたまにいらっしゃいます。

JR美馬牛駅は無人駅で、
当店以外に道を尋ねたりできそうなところがないため
仕方ないことだとも思うので、
「歩いてまわりたい」という方にも、
業務に支障のない限り、なるべく対応させていただいております。

ほとんどの方は何事もなく元気に出発されるのですが、
どういうわけか、
たまにトラブルに発展します。

きょうのケースも
「歩きたい」という方でした。60歳代の女性の一人旅。

まず四季彩の丘への行き方
それから新栄の丘
それからケンとメリーの木

それぞれの距離のお話
四季彩の丘へは案内看板があるというお話
どうしても困ったらiphoneを利用すれば解決できるというアドバイス
交差点に設置された案内標識は古いけど役に立ちます

しかし、距離がありすぎて(全部回れば20km以上)
歩いて2~3時間で全部回るのは無理、というお話をいたしましたら
にわかに雲行が怪しくなってしまい、とうとう

「わかってます!」
「私は世界中を旅していますからわかってます!」

激高されてしまいました。

最初からかなり興奮気味だったので、
たぶん最終的には激高されるのだろうな、と予想しておりましたので
なるべく肯定に徹し、否定をせず、
やんわりと徐々に距離をとるようにお話していましたが、
ダメでした。(泣)
なんとなくそうなる気がしていましたので気をつけていたのですが。

とうとう
「あなた!口の利き方がなってない!」
と叫び出してしまい、謝罪しましたが、
道を訊かれて教えていただけなのに、
自分はなぜ謝罪しているのだろうと、情けなく。

「あなたこそ、人に物を訊ねる口の利き方ではないと思いますよ」
と、喉元まで出かかっていましたが、必死に堪えました。(苦)

無償の善意つまりボランティアで手を差し伸べているのに
なぜ?
理不尽に思いますがジッと耐えました。

さんざん口汚く罵られ、
脅し用と思われる写真を撮られ、
捨て台詞を吐きながらやっと去っていかれましたが
生気を吸い取られ、疲れ果ててしまいました。

どうすれば穏やかに解決できたのか、
本当の目的は何だったのか。
私にはわかりません。
見当もつきません。

もう一度確認しますが、
この方は当店のお客様ではなく、
「歩きたいから、行き方を教えて。」
という、
どこの誰かも不明な、通りがかりの道訊ねの方です。
現実に沿った形で的確にアドバイスしたつもりだったのですが…。

年に1回くらい、こういうことがあります。

当店「ガイドの山小屋」は
個人が経営するレンタサイクル店です。
無料の観光案内所ではありません。

しかしながら、

自分もまた現役の旅チャリダーですので
ポジティブもネガティブも、どちらも、
旅人の気持ちがよくわかります。

「歩きたい」という方へ
同じ旅人同士、困ったときには力になります。
遠慮なくお越しください。
業務に支障のない範囲で可能な限りアドバイスいたしますが、

アレもくれタダで!
コレもくれタダで!
キキーッ!


まあまあ落ち着いて。
どうか常識と理性の範囲内でお願いいたします。