JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

必要悪

2007年05月03日 | y-その他

「この歳になると」ということなのか、それとも、私だけのことなのかはわかりませんけど、酒を飲んでいて、ときおり熱く語り合ってしまうということがあります。
・・・・いや、まてよ。若い頃にもそんなことが間々あったような・・・・
そうでした、私が学生の頃は「論争を交わしながら一晩飲み明かす。」てなこともあったのです。まぁ、最近はあそこまで熱くはないですけど。

一昨日の晩も、何故か『必要悪』についてしばし語り合いました。
事の発端は『私立高校の野球特待生問題』

「しかし、笑っちゃうよなぁ、何をいまさらと思わねぇ?」とMさん
『特待生問題』そのものより、組織の在り方、態度に疑問を感じるという意見です。
「そうですよね・・・・・・でも何事もそうじゃないですか。例えば・・・・」

ちょっと前、知事の逮捕劇で始まった『談合問題』が、毎日報道トップを飾っていたときです。
地方においての『談合』らしきことを、まるでその時始めて知ったかのように振る舞う、マスコミ関係者や当事者の話を、嗤笑しながら見ていたことを思い出したのです。
ある意味、誰しもが何となくわかっていて、しかも公然と行われていたことが、ある日突然、それまで全く知らなかったような顔をして問題化され、その当事者となった人は、「間の悪いときに関係者だった」と不運を嘆く、ありがちなことではありませんか。

渦中の人は「悪いことだとは知りつつも・・・・」と言い訳をする裏には、「時に『必要悪』もあるのだ!」と自分に言い聞かせ、義務のようにそれを遂行する、それが現実でもあるし、職務でさえあるのだと、ある意味正当性を主張したいところもあるのでしょう。

「人間、何事にも、表があれば裏があると思っているし、それを受け入れている現実もある。つまり『必要悪』は存在すると認めてるってことじゃないの」
「う~~~~ん・・・・」
『必要悪』など無いと信じたい私には、なんとも腑に落ちない結論であります。

『談合事件』が表沙汰になったことで、地方の小さな企業はダメージを受けるでしょうし、交付金削減も合間って『死活問題』になっていることも事実でしょう。過剰化した企業が少ない仕事を取り合えば共倒れも必至・・・・・ならばと、さらに裏を探り合うのかも知れませんし、そんな利権に群がるヤカラも現れるのかも知れない・・・
「堂々巡りは果てしなく」、「『必要悪』もまたやもうえない」なのでしょうかねぇ。

おっとと、話は『特待生問題』でした。これはけして『必要悪』だとは、私は思ってないのですが、
今まで、黙認してきたことを、突然、今日から禁止と唱えて、被害を被るのは高校生だとすれば、解決を焦らない方が私はよいと思うのです。
なかには
「親の負担を考えれば、野球を頑張って、特待扱いなら高校へも行けるし、野球も続けられる」
って、頑張った子だっているんでしょ。
明確なルールを決めた上で、次期入学生から徹底して行く、てなわけにはいかないものなのでしょうか?

「来月から、特待扱いができなくなりましたから、学費諸々をお支払いいただくことになります。」
と言われても、私立のそれでしょ、キツイと思うなぁ
かといって、
「それじゃ、少なくとも野球部は退部していただきます。」
これもひどい

安易な目先の解決方法に走れば、「表があれば裏もある」的に、ここにもさらなる利権が生まれ、変なヤカラがたむろして、無くてもいいような『必要悪』を産む、てなことになるでしょう。
目先の解決ではなく、長いスパンで考えた恒久的な対策を、よくよく話し合って出してもらいたいものだと、子供の学費の支払いにもヒーヒー言っている貧乏オヤジは、思うのでありました。

さて、今日の一枚は・・・・ごめんなさい、単純に「野球の話だったから」と、ジャケット・デザインで選んでしまいました。
私の所有アルバムの中では、じつに新しい部類に入る一枚です。

私の場合、どうにも上手すぎるというミュージシャンを、ちょっと毛嫌いする傾向があるのかもしれません。(笑)ロン・カーター、トニー・ウィリアムスという二人も、そんな感じがあるのです。
というか、二人が参加していたマイルス・グループがあまり好きじゃなかったという、つまらない理由が根底にあるようにも思えますが

このアルバムも、当時めったに共演しない三人で、しかもライブだというのに、そうとは思えないほど質の高い演奏だと思いますし、まさに『夢の共演』的演奏ですから、悪かろうはずがありません。
ただ、私としては何だか出来上がりすぎていて、もっと面白味が欲しいというか・・・・
これって、贅沢すぎるのでしょうか?

ザ・グレイト・ジャズ・トリオという名は、1975年春、「ヴィレッジ・ヴァンガード」で三人が共演したことに始まります。その後、1976年5月に渡辺貞夫を加えたセッションで「I'M OLD FASHIONED」を録音し、翌年、またも「ヴィレッジ・ヴァンガード」での1週間公演を行うことになります。その時の録音がこのアルバム。


I'M OLD FASHIONED

ハンク・ジョーンズにとって、これが初のライブ・レコーディング(実際は、JATPで一度録音してるんですけどね、本人曰く「あれは、ライブ録音ではなく、ノーマン・グランツの趣味的録音だ。」なのだそうですよ。)。えっほんとに?って考えると何だか面白いですよね。

ともかく、私の感情的でつまらない不評を除けば、じつによいアルバムだと思います。

THE GREAT JAZZ TRIO AT THE VILLAGE VANGUARD
1977年2月19,20日録音
HANK JONES(p) RON CARTER(b) TONY WILLIAMS(ds)
1.MOOSE THE MOOCHE
2.NAIMA
3.FAVORS
4.12+12

おまけ、
せっかくのゴールデン・ウイークですので、昼からちょっとした贅沢をしてしまいました。スペアリブを焼いて、ビールをキューっと・・・・

昼間飲むビール、旨いですよねぇ~~~~
ん???ひょっとして、私にとって最大の『必要悪』は、アルコールだったりして(笑)