JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

下戸は不憫?

2009年08月24日 | g-i

 酒ほしさまぎらはすとて庭に出つ 庭草をぬくこの庭草を
                       若山牧水

昨晩、私が何故に「日本酒デイ」に決めたのか、それは、我が家に日本酒しか残っていなかったからなのでありますが(笑)・・・・・
ログを更新して一っ風呂浴びると、風呂の作用&日本酒の作用で喉が渇きます。ここはやっぱりビールの一杯も欲しくなるのが人情ってぇもんで
「だめだ、我慢できない、コンビニ行ってくるわ」
なにも夜中の12時近くにビールを買いに出かけなくてもいいと、私も思うんですがね。ついでにウイスキーの小瓶まで買って来ちゃったりして
「なに?ビールを買いに行ったんじゃないの?」
「うん、でもほら、また買いに出かけるのもなんだし・・・」
まったく、しょうもない野郎でござんす。

今日、8月24日は、旅の歌人、若山牧水の生誕日であり『愛飲の日』です。
いかに酒好きの私でも、とうてい足下にも及ばない豪傑は数おりまして、なんどとなくお出ましいただく、関東大震災のさなか酒屋に走ったという古今亭志ん生もそうですが、若山牧水もまたそんな群を抜いた豪傑の一人でありますねぇ

「今度の九州旅行は、要するに大酒ぐらいの私としての最後であった。とにかく思いおくことなく飲んできた。揮毫をしながら、大きな器を傾けつつ飲んだ。また、別に宴会なるものがあった。一日平均二升五合に見積もり、この旅の間(五十日)に一人して約一石三斗を飲んできた、と数字に示されたときは、さすがの私も、ものが言えなかった。」(若山牧水、大正十三年の九州旅行にて)

なんと、50日間で一石三斗って、一升瓶にして130本?、いやはや尋常じゃありません。一日平均二升五合って言いますが、平均ですからねぇ「一番飲んだ日はいったい何升飲んだんだい!」って、ツッコミを入れたくなってしまいます。43歳の若さで世を去ったのもうなずけるいっぽう、(主因はやっぱり肝硬変)死後しばらく腐臭がしなかったのをみて「生きたままアルコール漬けになったのでは」と、医者に言わしめたという、まぁ、酒呑童子もビックリ、『酒飲みの鏡』みたいなお人でありますねぇ。


 酒のためわれ若うして死にもせば 友よいかにかあはれならまし
                                                         若山牧水

とうぜん「50日間で一石三斗」てな神業は私には出来ませんし、しようとも思いませんが、そのおかげで多少寿命は長らえているものの、「いずれ我が身」とは充分感じておりますよ。
でもね、それでも止められない酒の魅力は何かと訊かれれば

 それほどにうまきかと人のとひたらば なんと答へむこの酒の味
                                                        若山牧水

「そんなに旨いかねぇ、何処がそんなに旨いんだい?」
「え?このキリッとした口当たりというか・・・・いやいや、そうじゃないなぁ、ちょっと待っておくれよ、もう一杯飲んで確かめてから説明するから」
グビグビ
「カァー、このね、辛くもあり甘くもあり・・・いやいや、ちがうなぁ、もう一回確かめるから待っとくれ」
グビグビ
そして、一升も飲んで言うには
「クゥー、この、口では説明出来ぬほどの至福の味を知らぬ、下戸のお前が不憫でならねぇ

おあとがよろしいようで(笑)

さて、今日の一枚は、ジョー・ヘンダーソンです。
「PAGE ONE」、今日のアルバム、「IN'N OUT」と立て続けにリリースされたブルーノートでのリーダー・アルバムを聴くとき、私が最も面白いと思うのは、リズム・セッションの変遷です。これはケニー・ドーハムのアイディアだったのか?それともアルフレッド・ライオンの仕掛けだったのか?
特にアンドリュー・ヒルをようしたこのアルバムでは、もしもドーハムのアイディアだとするなら「最近どうも迷いがあってねぇ、このままで良いのかって・・・・ここはヘンダーソン名義だし、ちょっと冒険しちゃおうかなぁ」的な狙いでもあったのでないか、なんてね。
でもドーハムはいつもと変わらずって感じなんだよなぁ・・・(笑)

ともかく、一番目立ったているのは、ヒルだということだけは間違いありません。そのせいでしょうねぇ「IN'N OUT」では「カミンバック マッコイ!」って、ところが今度は完全にドーハムが浮いちゃったりして(笑)

ともかく、ヘンダーソン好きでも、ドーハム好きでも、
ヒル嫌いなら「不可」、ヒル好きなら「可」といったアルバムだと思います。私?私はヒル好きですから

OUR THING / JOE HENDERSON
1963年9月9日録音
JOE HENDERSON(ts) KENNY DORHAM(tp) ANDREW HILL(p) EDDIE KHAN(b) PETE LA ROCA(ds)

1.TEETER TOTTER
2.PEDRO'S TIME
3.OUR THING
4.BACK ROAD
5.ESCAPADE