JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

春風に闘志をいだけ!

2006年03月06日 | a-c


啓蟄にふさわしい暖かな一日でした。東京では春一番が吹いたとか、彼岸も近づき、いよいよ春本番へと季節は進んでいくのですね。

今日の昼食は、公園の駐車場でコンビニ弁当です。ついでといっては何ですが、陽気に誘われて30分ほど公園内を散策、花粉は心配だったものの、腹ごなしにはじゅうぶんでありました。


ふと見ると、公園内の遊歩道に、一枚のタオルが落ちています、きっとウォーキングでも楽しんでいた方が落とされたのでしょうが、その姿がみょうに寂しそうで
「一生懸命働いていたのに、忘れられちゃったのかなぁ....」と言っているよう
なんとなく、自分と重ね合わせちゃったりして、近くで作業をされていた公園管理の方にわたしてきました。

丘の上から駐車場を望むと、そこそこ高いではありませんか。
「大丈夫、俺は、まだまだ忘れられやしない!」

         春風や 闘志いだきて 丘に立つ

であります。

さて、今日はダグ・ワトキンスにしてみました。「サキコロ」のベーシストと言ったほうが通りがよいでしょうか?
彼のベースを聴くと、同級生ポール・チェンバース(いとこでもある)のベースが切れ良く感じられるくらい、みょうにネチョッとした感じがします。好き嫌いが別れるところだと思いますが、このアルバムは彼の数少ない代表作です。
ワトキンスは、ケニー・ドーハム・グループ、ジャズ・メッセンジャーズ、ホレス・シルバー・クインテットと参加し、ソニー・ロリンズ、リー・モーガン、ジャッキー・マクリーンらと共演、フィリー・ジョー・ジョーンズのグループにいるときに自動車事故で亡くなってしまいました、27歳の若さでした。

WATKINS AT LARGE / DOUG WATKINS
1955年11月録音
DOUG WATKINS(b) DONALD BYRD(tp) HANK MOBLEY(ts) KENNY BURRELL(g) DUKE JORDAN(p) ART TAYLOR(ds)
1.RETURN TO PARADISE
2.PHINUPI
3.PHIL T. McNASTY'S BLUES
4.MORE OF THE SAME
5.PANONICA


いろいろだから趣味

2006年03月05日 | d-f


今日は、隣組の集まりがあり、お年寄りに混じって出席、お決まりの内容を全員一致で承諾した後、おみやげの茶菓子とジュースをもらって帰ってきましたが、なんだか、子供会の集まりで子供達がもらってきたお菓子を思い出し、苦笑してしまいました。

午後からは、家人の目を盗み、「窓際のきみ」への再会を、ちょっと、ほんのちょっと期待して、いつもの喫茶店へ
見透かされたように 「日曜日は、来ないよ」 とマスター
「なぁ~に言ってんの、コーヒーを飲みに来ただけだよ」

コーヒーを飲みながら本を読んでいると、体格の良い男性が入ってこられました。
「そっか、バブさんは休日にはあまり来ないから、知らなかったよね」
と、マスターがその男性を紹介してくれました。

Oさんは、現在単身赴任で名古屋からこの田舎に来られているそうで、自宅に帰られない休日は、いつもここで暇を潰されているそうであります。年齢も私とほとんどかわりが無く、レコードを集める趣味をお持ちとか
「ジャズのレコードもお持ちなんですか?」とお訊きすると
「数えたことはありませんが、そこそこ持ってますよ」
よくよく訊いてみれば、800枚以上お持ちのようで.......
(何がそこそこだ!)
ちょっとカチンときましたが、ジャズ談義を、しばし楽しんでまいりました。

Oさんは、まさにレコード・コレクターのようで、同一アルバムであっても、オリジナル盤を探されたり、ヨーロッパのマイナー盤を見つけたりするのがお好きだそうで
「それじゃあ、お金がかかっちゃいますね」というと
「唯一の趣味ですから」とおっしゃっておりました。

「普通に聴ければ、それで良い」という私には、この趣味は若干わからない範疇で、逆に同じアルバムを何枚も持つはめになり、「もったいないな」と思ってしまいます。
それでも、私はこういった趣味も否定はいたしません。音楽もレコードもいろんな楽しみ方があって良いし、だから面白いんだと思っているからです。




さて、そんなOさんと知り合えた今日は、「LAST DATE」を紹介することにしました。
私が持っているのは、見開きアメリカ・ライム・ライト盤です(いちばん上の写真)。私はこれがオリジナル盤だと、しばらく思っておりました。しかし、後にオリジナル盤はオランダ・フォンタナ盤であることを知ります。(こういう時にOさんは、このオランダ・フォンタナ盤を探されるのでしょうね)
ここで、私の矛盾が露見するんですね、もちろんオランダ・フォンタナ盤は持っておりませんが、下の写真のアルバム、色違いはレコードで、デザイン違いはCDで持っております。
どうしてレコードを2枚所有しているのかは、自分でもわかりません。(笑)
まあ、大好きなアルバムだからいいか。

ドルフィー最後の録音、まさにラストという想いも、その後「最後の最後」、「最後の最後の最後」..ぞくぞくと後の録音が発見されていきました。それでも私自身は、この録音を最後だと、今も思い込むようにしています。なぜならこのアルバムの内容を超えるものは「最後の最後の最後」にも、無かったからです。
バス・クラもフルートも、最高ですねぇ、大好きです。

LAST DATE
1964年6月2日録音
ERIC DOLPHY(as, bcl, fl) MISJA MENGELBERG(p) JACQUES SCHOLS(b) HAN BENNINK(ds)
1.EPISTROPHY
2.SOUTH STREET EXIT
3.THE MARDRIG SPEAKS, THE PANTHER WALKS
4.HYPOCHRISTMUTREEFUZZ
5.YOU DON'T KNOW WAHT LOVE IS
6.MISS ANN


ニホン、チャチャチャ?

2006年03月04日 | g-i


いやぁ、久しぶりに良い天気の週末ですね。家人は朝からお出かけ
「ちゃんと、部屋の掃除しておきなさいよ」
と、小学生に言い聞かせるがごとくのセリフを残し、出かけて行きました。

趣味部屋の掃除も終わり、1人コーヒーを飲みながら、アート・ファーマーの「ART」を好きな音量でかけ、新聞をゆっくりと読むことが出来ました。

朝日新聞の生活面に、面白い記事があったので紹介させて下さい。
『「ニホン」?「ニッポン」?』という記事であります。
昔、誰からきいたかは忘れてしまいましたが、「「ニッポン」が正しいんだよ」と教わり、私は信じきっておりました。

宇都宮大小池教授の談として、もともと「日本」の読みは「ニッポン」で、平安時代に生まれたかなは、当初、促音つまり小さい「ツ」の標記が無かったため、「にほん(ニホン)」と書いて「ニッポン」と読ませていたそうです、これを「ニホン」と誤読したのが、この発音の始まりだとか、ちとややこしいですが、もともとは「ニッポン」が先だったということであります。

実際に使われている現状はどうか?
静岡県点字図書館のボランティア平松陽子さんが、目の不自由な方への「音読」のために調査をされ、HP「音訳の部屋」で公開されています。興味のある方はどうぞ。

ともあれ、日常会話では「ニホン」と発音されることが断然多いそうであります。ただ強調したいような場合、「とても」が「とっても」になるように、「ニホン」も「ニッポン」になるのかもしれないと記事には書いてありました。たしかに「ニホン、チャチャチャ」じゃ、なんだか力が入らない。

最後は、「統一する必要はありませんが、元々がニッポンだったことは知って欲しいですね」と記事は締められておりました。記事の感想として、「統一しようとしない、つまりは新旧が共存すること、そこに「日本」らしさを感じる」と記者さんは書かれておりましたが、まさに私もそう思います。複雑で表現も豊で、常に新しい言葉を受け入れる「日本語」(ニッポンゴ?ニホンゴ?)日本人の文化は、これに極まりますね。


そうそう、新聞をゆっくり読んだせいで、いつもは真剣に見ない「テレビ欄」を今日は見ました。今晩、映画「T.R.Y.」の放送があるんですね。
前にも書いたことがありましたが、この映画の原作者、井上尚登は、私の学生時代の友人であります。昨年の「雑魚寝パーティー」の彼の写真がありましたので、載せてしまいます。映画にも本人がヒッチコックを気取って、顔を出しているくらいですから、無断で写真を出しても怒らないでしょう。(それでも、いちおう目には黒線を付けてみました)
お時間がある方は、是非とも今晩、映画をご覧下さい。(フジ系21時からです。)

さて、今日の1枚は、「ART」の次に聴いた、ユタ・ヒップの「JUTTA HIPP WITH ZOOT SIMS」にしてみました。ヒッコリー・ハウスでは、みょうに固かった彼女が、じつにリラックスした演奏を聴かせてくれます。(もうちょっと前面に出ても良いけどね)
ズート・シムズとは、彼がスタン・ケントン楽団に在籍中、彼女の故郷フランクフルトでジャム・セッションを行ったことがあったそうですが、ニューヨークで再会した二人は、レコーディングをアルフレッド・ライオンに申し出ました。彼女はこのレコーディングを最後にしようと決めていたのでしょうかね。

JUTTA HIPP WITH ZOOT SIMS
1956年7月28日録音
JUTTA HIPP(p) ZOOT SIMS(ts) JERRY LLOYD(tp) AHMED ABDUL MARRIK(b) ED THIGPEN(ds)
1.JUST BLUES
2.VIOLETS FOR YOUR FURS
3.DOWN HOME
4.ALMOST LIKE BEING IN LOVE
5.WEE-DOT
6.TOO CLOSE FOR COMFORT


冷たい恋人

2006年03月03日 | y-その他

今日は、私の大切な恋人の誕生日であります。
平成3年3月3日に生を得て以来、私を誘惑し続ける彼女、
気が強くて、負けず嫌い、背も低いし、とても美人とは言えない、まるでイイとこ無しみたいですが、それでも愛嬌があって可愛いんです。

私がサックスを好きだからでしょうか、彼女はアルト・サックスを始めました。(ねっ可愛いでしょ)
私の腕の中で無邪気な顔をして眠っていたときもあったんですよ。(ねっ可愛いでしょ)
手を振れば、ニコニコして振り返してくれた、そんなときもあったんです。(ねっ可愛いでしょ)

映画は私以外の人とは絶対に観ないと言って、いつも二人で観に行って、
喫茶店にもよく行ったなぁ、「美味しいね」ってチーズケーキを食べて、ニコニコしてさぁ。
お風呂だって一緒に入ってくれていたのに.....シクシク
今じゃ、返事もしてくれないときがあります。
たとえ、片想いだとわかっていても、私は彼女を想い続けるでしょう。

「15歳の誕生日おめでとう。私の大切な一人娘さん」

ということで、うちの娘の誕生日なんですよ。3のぞろ目なんで、絶対に忘れない生年月日です。
生まれたときは「雛(ひな)」なんて名前も考えたのですが、これは却下。そこで選んだのが....教えません!誰かに誘惑されると困るから(笑)

今日の1枚は、誕生日プレゼントで娘に贈ったアルバムです。
「入試が終わるまで、聴かない」
というので、まだ私も聴かせてもらっておりません。
矢野沙織は高校を卒業したばかりだとか、娘が自分でほしいと言ったアルバムなので、私も聴くのを楽しみにしております。

PARKER'S MOOD / 矢野沙織
2005年7月25日録音
矢野沙織(as) RICHARD WYANDS(p) JOHN WEBBER(b) JIMMY COBB(ds)
1.I GOT RHYTHM
2.THE DAYS OF WINE AND ROSES
3.COMPOSITION 101
4.DON'T EXPLAIN
5.PARKER'S MOOD
6.BOHEMIA AFTER DARK
7.A NIGHT IN TUNISIA

おまけ、
娘がアルトを始めた頃、大喜びでジャズを聴かせたことがありました。
しかし、これは間違い!
もし、娘さんが楽器を始めたという方がいらっしゃいましたら、自分から「聴かせてほしい」というまで、首を長くして待つようにいたしましょう。私も今、ろくろ首のように長くなった首をさらに長くし待っております。

男の性が邪魔をする

2006年03月02日 | g-i

天気予報によれば、本日はおおむね晴れとのことでしたが、朝から夕刻まで曇り空、5時を過ぎて申し訳程度に太陽が顔を出しました。

いつもの喫茶店に昼食を食べに行くと、
「バブさん、きてるよ」とマスター
いらっしゃいました、確かに窓際のテーブルで楚々とした美女が本を読んでいらっしゃいます。年の頃なら30歳をちょっとまわったくらいでしょうか、
(『窓際のきみ』あなたではありませんか)

「なんと、この店には不似合いな美人じゃないの」
「不似合いとは失敬な!素敵な店にピッタリだと言ってほしいな」

「マスター、トミー・フラナガンかけた?」
(彼女のために私はあの「THE TOMMY FLANAGAN TRIO」を持ってきたのだから)
「あっ!まだかけてねえや....よし、かけよかけよ」
店内には、心地よいピアノの音色が.....

「バカじゃないの、止めてよね、二人でじろじろ見るの、お客さんに失礼でしょ、いい年こいて鼻の下のばして、恥ずかしい」
とママに一括されてしまいました。

「マスター、何か話すきっかけつくってよ」
「だめだめ、バブさん下心見え見えだもん」
「う~~ん、下心まったく無しとは言いきれない自分が悲しい、ガク」

それにしても、なかなか素敵な女(ひと)でありました。どちらかの奥様でしょうかね?
下心は捨てて、いつかお知り合いになれることを楽しみにしていましょう。

さて、今日の1枚は、デクスター・ゴードンです。
麻薬でジャズ・シーンを遠のいていたゴードン、それでもゴードン節は健在でありました。このアルバムをお聴きになったことのない方は、できればB面「NUMBER FOUR」から聴かれることをお勧めします。その後でA面を聴くと何とも味わいのあるゴードンを楽しめるのではないかと私は思います。

DADDY PLAYS THE HORN / DEXTER GORDON
1955年9月18日録音
DEXTER GORDON(ts) KENNY DREW(p) LEROY VINNEGAR(b) LAWRENCE MARABLE(ds)
1.DADDY PLAYS THE HORN
2.CONFIRMATION
3.DARN THAT DREAM
4.NUMBER FOUR
5.AUTUMN IN NEW YORK
6.YOU CAN DEPEND ON ME

追伸、
そういえば、昨日名前のでたチャーリー・クリスチャンの命日が、今日でありました。若くして亡くなった彼、パーカー、ガレスピーと並ぶ「ビ・バップ」の立役者には違いありませんが、もうちょっと長生きをして、演奏を続けてほしかった、どうして、ジャズ・メンは早死にする人が多いのでしょうね。

歳ぞすてたき...

2006年03月01日 | g-i


いよいよ、今日から3月ですね。何故いよいよかというと、私がまた1つ大人になる月だからであります。(ようはまた歳をとる月だということですよ!)
まあ、1つ2つ歳がかわったところで、何の影響もない歳になってしまいましたけどね。
それなのにふと振り返れば、5年前より確実に体力・知力・精神力全てが落ちてきているのは何故なのでしょうか?
それでも、可憐な花をつける老梅をみて、「いかに私でも、まだこの域ではないだろう」と、花咲くことを夢見るのは、人間のかぎり無き欲のなせる技でしょう。

本日、第1回の桜の開花予報が出たようですが  
    「ねがわくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月の頃」
の心境には、まだまだ立てぬスケベおやじであります。
    「ねがわくは花の下にて春想い歳ぞすてたき望月の頃」

さて、マイルスのマラソン・セッション以降、プレスティッジのボブ・ワインストックは、レッド・ガーランドをことのほかお気に入りだったらしく、リーダー・アルバムはもとより、ブローイング・セッションでもリーダーとして数多く起用、売り出しを始めました。
今日の1枚もそんなブローイング・セッションの1つです。
ガーランド、コルトレーン、ドナルド・バードのセッションは、計8枚のアルバムに振り分けられ、ガーランドとコルトレーンが4枚ずつリーダーとして発売されました。
プレスティッジは、マラソン・セッションが得意だったのでしょうかね、この時の録音も11月15日の録音は、全部で10曲を一気に行っています。

HIGH PRESSURE
1957年11月15日,12月13日録音
RED GARLAND(p) JOHN COLTRANE(ts) DONALD BYRD(tp) GEORGE JOYNER(b) ART TAYLOR(ds)
1.SOFT WINDS
2.SOLITUDE
3.UNDECIDED
4.WHAT IS THERE TO SAY
5.TWO BASS HIT

追伸、
一曲目の「SOFT WINDS」は、ベニー・グッドマンの曲ですが、チャーリー・クリスチャンも入ってのセックステットでの演奏が有名ですね。そこで宣伝を1つ、今日更新した「BABU HOUSE」のジャズ四方山話でチャーリー・クリスチャンを、ちょっとだけ取り上げているので、よろしければご覧下さい。
あっと、それと先日けいさんより、コメント頂いたジャズ喫茶「ちぐさ」の記事もちょっとだけ書いておりますので、よろしく。